19日のRBA政策理事会の結果に注目だが、下値支持線多くしっかりの地合いか
【今週の豪ドル】
今週の豪ドルは、目立った経済指標の発表が無かったなか、来週19日に開催されるオーストラリア準備銀行(豪中銀、RBA)の政策理事会を控え、方向感に乏しい展開となった。
最大の貿易相手国である中国では、全国人民代表大会(全人代)にて 2024年の経済成長率目標を+5%前後に設定されたが、大規模な景気刺激策は発表されなかったことで、オーストラリア経済の先行き不透明感が台頭。週初は96円台に下落する場面も見られた。
ただ、下値支持である100日移動平均線が引き続き意識されて、その後は97円台で推移。19 日にはRBAの政策理事会が開催されるが、政策金利は4.35%に据え置かれると予想されており、豪ドルはもみ合いとなった。
豪ドル・円(東京時間:3月11日―3月15日(終値は9時台終値を参照))※Investing.comの日足を参照
始値:97円52銭
高値:97円99銭
安値:96円89銭
終値:97円49銭
【今週と来週の重要指標】
※時間は東京時間
3月12日
9時30分、2月NAB企業信頼感、前回:1、結果:0
3月19日
12時30分、政策金利、前回:4.35%、市場予想:4.35%
3月21日
9時30分、2月雇用者数、前回:3万人増、市場予想:5000人増
9時30分、2月失業率、前回:4.0%、市場予想:4.1%
※予定は変更することがございます。
【来週の見通し】
来週の豪ドルは、19日のRBA政策理事会に注目だ。RBAが 6 月にも前倒しで利下げを決定するとの見方が浮上している。一方、米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)もその同じ時期に利下げに踏み切るとの観測は根強く、豪ドルは対ドル、対ユーロでは目立った動きが出ないと想定する。
対円では、ドル・円相場をにらんだ展開となるだろう。18−19日に日銀金融政策決定会合、19−20日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。日銀会合では「マイナス金利の廃止の議論」などが注目されている一方、FOMCは「ドットチャートで年内利下げ見通しの修正の有無」などに対して様々な思惑が交錯しており、ドル・円は神経質な動向は続きそうだ。
11月の米大統領選挙の共和党候補者にトランプ前大統領が選ばれたことで「ドル安」への警戒や、日米中銀イベントへの思惑から、6日以降、「ドル売り、円買い」が強まっていた。投機筋による円売りポジションは3月5日時点では前週比では減少したが、15日に発表(東京時間では16日早朝)される最新データ(3月12日時点)での円売りポジションは、より減少したと想定。
短期的なドル売りは一巡したと考えるが、米大統領選挙に絡んだ「ドル安」警戒は残ることから中期的にドルは主要通貨に対して軟調推移を想定する。となれば、豪ドルはドル安にややつられる可能性はあるので上値は重いか。
もっとも、50日移動平均線、100日移動平均線がサポートラインとして機能しているほか、月足チャートでも、20年3月の59.87円を起点とした下値支持線が機能しており、長期的なトレンドはしっかりだ。来週は、RBAの利下げ開始時期を探る展開は避けられないが、心理的な節目である100円をターゲットとした展開は継続と考える。
豪ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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