トルコリラ円見通し リラ安継続する中でドル円の戻りも一巡でトルコリラ円は最安値を更新(24/3/14)

トルコリラ円の3月13日は概ね4.61円から4.51円の取引レンジ、14日早朝の終値は4.61円で前日終値の4.60円からは0.01円の円安リラ高だった。

トルコリラ円見通し リラ安継続する中でドル円の戻りも一巡でトルコリラ円は最安値を更新(24/3/14)

リラ安継続する中でドル円の戻りも一巡でトルコリラ円は最安値を更新

〇トルコ円、米CPI後のドル円上昇に合わせ4.62まで戻すも、昨日はドル高リラ安進行で最安値更新
〇本日早朝は一時的上昇で4.65を付けたが、午前序盤に4.60割り込む
〇ドル円、トルコ円を大きく浮上させる円安の勢いには欠ける
〇対ドル、3/13は概ね32.28から31.86の取引レンジ、9日連続で取引時間中の史上最安値更新
〇トルコ中銀による利上げ以外の引き締め強化続く、外資や格付け機関の評価低下の可能性も
〇4.62円を下回るうちは一段安警戒とし、4.55円割れからは4.50円前後への下落を想定
〇4.60から4.62手前にかけては売り有利とする

【概況】

トルコリラ円の3月13日は概ね4.61円から4.51円の取引レンジ、14日早朝の終値は4.61円で前日終値の4.60円からは0.01円の円安リラ高だった。
2月13日高値をピークとしてドル円が大幅下落に転じたことと、1ドル32リラ台までドル/トルコリラが史上最安値を更新してきた流れにより、トルコリラ円は3月7日に4.70円を割り込んで終値ベースでの史上最安値を更新し、3月11日に4.57円まで取引時間中の史上最安値を更新してきた。
ドル円が146円台まで下げたところから買い戻されて3月12日夜の米CPI発表後に148円台序盤へ上昇したところでトルコリラ円も4.62円まで戻したが、13日午後にはドル高リラ安の進行を反映して一時4.51円をつけて最安値を更新、早々に元の水準へ切り返して14日早朝には一時的上昇で4.65円を付ける場面も見られたものの、14日午前序盤は4.60円を割り込んでいる。

ドル円は日銀のマイナス金利解除へ向けた動きを背景に3月11日夕安値146.46円まで大幅下落してから持ち直したものの148円到達で繰り返し売られている。日銀政策変更については市場もかなり織り込んできたこと、米国の利下げ開始時期が後ずれする可能性も出てきていることで底固さを見せているわけだが、トルコリラ円を大きく浮上させる円安の勢いには欠けており、ドル円が一時的に戻す場面でトルコリラ円が戻しても戻り高値切り下がりの範囲にとどまってその後に一段安を繰り返す流れで進みやすい状況と思われる。

【ドル/トルコリラは9日連続で取引時間中の史上最安値を更新】

ドル/トルコリラの3月13日は概ね32.28リラから31.86リラの取引レンジ、14日早朝の終値は31.91リラで前日終値の32.03リラからは0.12リラのドル安リラ高だった。
金融政策正常化を推進して8会合連続利上げにより政策金利の週間レポレートを就任前の8.5%から45.0%へ引き上げてきたトルコ中銀のエルカン前総裁が2月2日に突然辞任し、カラハン新総裁が追加利上げの必要はないとしたもののインフレ高進が収まらず、エルカン総裁時代に大幅増強されてきた外貨準備高が減少傾向に陥ったことでリラ安が一段と加速しており、3月21日のトルコ中銀金融政策委員会へ向けた追加利上げ催促的なリラ安が続いている。
3月1日から3月13日まで9日連続で取引時間中の史上最安値を更新し、終値ベースでは3月12日に初めて1ドル32リラ台に乗せた。13日終値は一時的なリラ買いにより32リラ台を割り込んだものの、14日午前序盤は32.21リラを付けて取引時間中の最安値に迫っており、リラ安基調は加速したままだ。

【トルコ中銀による利上げ以外の引き締め強化続く】

トルコ中銀は3月6日に政策の引き締めスタンスへのコミットメント強化のため、商業貸し付けを従来の2.5%から2.0%へ、一般貸し付けの月次伸び率限度を従来の3.0%から2.0%に引き下げた。
3月13日には金融機関に対する規制を15日から強化するとし、リラ建て準備預金の一部を自由に移動させずに凍結することを義務付けた。資産が1000億リラを超える銀行ではリラ建て準備預金の15%、資産5000億リラでは25%を対象とした。
利上げ終了を宣言したもののインフレ高進が収まらず、3月末のトルコ統一地方選挙を控える中で追加利上げは避けたいために利上げ以外の引き締めを行っている印象だ。大手格付け会社フィッチが3月8日にトルコを格上げしたばかりだが、規制強化による金融市場の自由度を下げる行為は外資や格付け機関の評価を下げることにもなりかねない。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、3月4日午後高値をサイクルトップとした弱気サイクル入りとしてきたが、3月12日夜に戻してから一段安したために3月13日午前時点では3月12日夜高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りと改めて14日午前から18日午前にかけての間への下落を想定した。
3月13日午後に一時的な下落で4.51円まで下げ14日早朝に一時的な高値で4.65円を付けてから反落しているが、相場の継続的な騰落リズムとしては3月12日夜高値をサイクルトップとした下落基調を続けていると考え、14日の日中から18日午前にかけての間への下落を想定する。ただし連続的な上昇で4.62円を超える場合は直前安値をボトムとした強気サイクル入りとして15日夜から19日夜にかけての間への上昇を想定する。

60分足の一目均衡表では3月14日早朝の一時的高値で先行スパンを上抜いたものの早々に元の水準以下へ下落しているので遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。強気転換は連続的な上昇で4.62円を超えるところからとし、その際は遅行スパン好転中の高値試し優先とする。

60分足の相対力指数は3月12日夜と13日夕刻の高値がほぼフラットだったものの指数のピークが切り下がる弱気逆行を見せており、14日早朝の一時的高値は指数の動きに反映されていないため下落継続とみて20ポイント台への低下を想定する。強気転換には連続的な上昇で50ポイントを超える必要があると考える。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.55円を下値支持線、4.62円を上値抵抗線とする。
(2)一時的な上昇を除いて4.62円を下回るうちは一段安警戒とし、4.55円割れからは4.50円前後への下落を想想定する。4.50円以下は反発注意とするが、4.60円を割り込んでの推移なら15日も安値試しへ向かいやすいとみる。
(3)4.60円から4.62円手前にかけては売り有利とし、その後に4.58円を割り込むところから下げ再開及び一段安を想定する。

【当面の主な予定】

3月14日
 20:30 週次 外貨準備高 3月8日時点 グロス (3月1日時点 805.1億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 3月8日時点 ネット (3月1日時点 205.0億ドル)
3月15日
 17:00 2月 財政収支 (1月 -1507.2億リラ)
3月20日
 16:00 3月 消費者信頼感指数 (2月 79.3)
 23:30 2月 中央政府債務 (1月 6兆9650億リラ)
3月21日
 20:00 トルコ中銀金融政策委員会 政策金利 (現行 45.0%)
 20:30 週次 外貨準備高 3月15日時点 


注:ポイント要約は編集部

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