ユーロ ユーロドルは横方向のもみあいに(週報3月第2週)

ECB理事会後にラガルド総裁が早期緩和の可能性を否定したことで一時1.0980レベルと1月12日以来のユーロ高水準を見ることとなりました。

ユーロ ユーロドルは横方向のもみあいに(週報3月第2週)

ユーロドルは横方向のもみあいに

〇先週のユーロドル、前週よりはだいぶ動意あり、週間レンジは142pips
〇ECB総裁が早期緩和の可能性を否定したことで一時1.0949レベルに
〇今週は米国CPI以外特に材料なく、ユーロドルは鈍い動きの週に戻りそう
〇イベント通過によるもみあい後、改めてユーロが買われ1.10の大台試すシナリオか
〇今週は基本的に、先週のレンジ内で値幅狭める展開を予想
〇1.0870レベルをサポートに、先週高値1.0980レベルをレジスタンスとする流れを見る

今週の週間見通しと予想レンジ

ドル円はドル材料だけでなく日銀のマイナス金利解除思惑も重なり週間レンジが4円を超えましたが、ユーロドルの週間レンジは142pipsと先週よりはだいぶ動いた感はあるものの、為替市場の主役はドル円、クロス円という一週間でした。それでも、ECB理事会後にラガルド総裁が早期緩和の可能性を否定したことで一時1.0949レベルと1月12日以来のユーロ高水準を見ることとなりました。

先週はECB理事会もあっての値幅でしたが、今週は特にイベントも無く材料的には米国CPIを除くと大きく動きそうなイベントはありません。欧州関連ではレーンECB理事の講演はあるもののECB理事会が終わった直後ということもあって、次回理事会に向けての参考程度というところでしょう。米国CPI後の米金利の動きと、来週19日の日銀会合に向けての円の動きから、ユーロドルではドル中心、ユーロ円でも円中心と、再びユーロドルは鈍い動きの週に戻りそうな感じがします。

テクニカルには先週の高値は微妙な水準で止まり反落しました。いつもの日足チャートをご覧ください。

ユーロドルは横方向のもみあいに

年初来安値と3月安値とを結んだサポートラインに平行なチャンネルを2月22日高値に合わせて引いてありますが、先週高値はこのチャンネル上限で止まったことで、これまで暫定的に考えていた上昇チャンネルは当面効いてくる可能性がたかまりました。すると現状は下押ししやすい流れとも取れますが、横方向のもみあい相場となってもこのチャンネル内の動きであることは変わらず、いったんイベント通過によるもみあいで時間経過を見た上で改めてユーロが買われ1.10の大台を試しに行く展開がもっともありそうなシナリオです。

今週は基本的に先週のレンジ内で値幅を狭める展開が予想されますので、3月1週の高値圏と重なる1.0870レベルをサポートに、先週高値1.0980レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。

今週のコラム

今週はスイス円の日足チャートをご覧ください。

ユーロドルは横方向のもみあいに 2枚目の画像

円が強いことに加え、スイスフランが弱いことで先週は167.42レベルまでスイスフラン安が続き、週明けも一段安の動きを見せています。このスイスフランの弱さは、スイスのインフレが鎮静化し、年4回しか開催されない3月21日のスイス中銀会合において利下げ思惑が強まっていることによるものです。

3月18日週は日銀会合でマイナス金利解除、スイス中銀会合で先進国の先陣を切って利下げとなると、スイス円での売りが今後一段と強まっていく可能性がありそうです。

今週の予定

今週注目される経済指標と予定はドル円週報に示してあるものと共通です。ドル円週報の「今週の予定」をご参照下さい。なお、その中でユーロの値動きに特に影響が出ると考えられる予定は以下のものです。重要な予定として注意しておきましょう。特に重要度の高いイベントに☆印を付けました。

3月11日(月)
**:** 米国市場夏時間取引開始 ☆

3月12日(火)
16:00 ドイツ2月CPI
16:00 英国2月失業率
17:00 オーストリア中銀総裁講演
21:30 米国2月CPI ☆

3月13日(水)
16:00 英国1月鉱工業生産、貿易収支
18:00 レーンECB理事講演 ☆
19:00 ユーロ圏1月鉱工業生産
23:00 ギリシャ中銀総裁講演

3月14日(木)
09:01 英国2月住宅価格

3月15日(金)
16:45 フランス2月CPI

前週のユーロレンジ

前週のユーロレンジ

(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。
為替の高値・安値は東京午前9時―NY午後5時のインターバンクレート。

先週の概況

3月4日(月)
週明けのユーロドルは動きが鈍く終日のレンジはわずか32pips、米国関連のイベントに加えECB理事会も控えているため余計に動きにくい状況でのスタートとなりました。

3月5日(火)
ユーロドルはNY市場までは動かず、弱い米国経済指標を受けて米金利が低下したことによるドル売り・ユーロ買いの動きから一時1.0876レベルの高値をつけました。テクニカルにも2月22日高値を試しそうな動きとなったものの、引けにかけては反落しました。

3月6日(水)
ユーロドルはドル売りの動きから、NY市場で一時1.0915レベルの高値をつけ、若干押して引けました。注目されていたパウエルFRB議長の議会証言、ベージュブックとも特にサプライズは無く想定内の内容であったため、市場への影響はほとんど見られませんでした。

3月7日(木)
ユーロドルはECB理事会を前にNY市場まではまったく動かず。ECB理事会ではコンセンサス通り現状維持ではあったもののインフレは更に低下との文言に反応しユーロ売りが先行。しかし理事会後の総裁会見において、インフレに対する確信は十分ではないため景気抑制政策は当面続き、利下げの議論は無かった、と発言したことで買い戻しが進み、1.0949レベルの高値をつけました。

3月8日(金)
ユーロドルはNYまでは動きが鈍く、やや上値が重たい流れでNY市場入りとなりました。全体としては弱かった米国雇用統計を受けてドル売り・ユーロ買い、一時1.0981レベルと1.10の大台に近づく場面も見られましたが試しきれず。引けにかけては1.09台前半へと押して引けました。


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