南アランド週報:『約2週間ぶり高値更新後に反落するなど上値は重たい。続落リスクに要警戒』(3/9朝)

南アランドの対円相場(ZARJPY)は、週末にかけて反落する動きとなりました。

南アランド週報:『約2週間ぶり高値更新後に反落するなど上値は重たい。続落リスクに要警戒』(3/9朝)

『約2週間ぶり高値更新後に反落するなど上値は重たい。続落リスクに要警戒』

〇今週の南ア円、南ア指標の好調、金・プラチナ価格の上昇等に週央にかけ7.95まで上昇
〇買い一巡後は、円高進行、南ア指標の不冴えに週末7.86前後まで値を崩す
〇南ア円、主要サポートポイントを下抜け、買いシグナルも消失、テクニカルの上値余地乏しいか
〇ファンダメンタルズも南ア経済・政局の先行き不透明感、南ア早期利下げ観測等が重石
〇引き続き、南アランド円相場の下落をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):7.75ー7.95

今週のレビュー(3/4−3/8)

今週の南アフリカランド円相場(ZARJPY)は、週初7.85円で寄り付いた後、早々に週間安値7.84円まで軟化しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(1)南ア2月スタンダード銀行PMI(結果50.8、前回49.2)の良好な結果(好不況の分岐点50の突破)や、(2)南ア10ー12月期GDP(結果+1.2%、予想+0.9%)の市場予想を上回る結果(前月比ベースでも2四半期連続のマイナス成長を回避)、(3)南アフリカの主要産品である金・プラチナ価格の大幅上昇(南アフリカの交易条件改善期待)、(4)米金利低下に伴うドル売り圧力(新興国に上昇圧力)が支援材料となり、週央にかけて、週間高値7.95円(2/22以来の高値圏)まで上昇しました。

もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、(5)円金利上昇に伴う円買い圧力(時事通信社による観測報道→日銀当局者によるタカ派的な発言→マイナス金利の解除観測→ドル円急落→南アランド円連れ安)や、(6)南ア1ー3月期BER企業信頼感指数(結果+30、前回+31)の前回比悪化、(7)南ア10ー12月期経常収支(結果1660億ZAR赤字、予想940億ZAR赤字)の赤字幅拡大が重石となり、本稿執筆時点(日本時間3/9午前1時00分現在)では、7.86円前後まで値を崩す動きとなっております。

来週の見通し(3/11−3/15)

南アランドの対円相場(ZARJPY)は、週末にかけて反落する動きとなりました。日足ローソク足が主要テクニカルポイント(21MA、90MA、一目均衡表転換線、基準線、ボリンジャーミッドバンド)を下抜けしたことや、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」が消失したこと等を踏まえると、テクニカル的に見て、上値余地は乏しいと判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)南ア経済の先行き不透明感(景気減速+インフレ底打ちのスタグフレーション懸念)や、(2)南アフリカを巡る政局不透明感(5/29に予定されている南ア総選挙で与党・アフリカ民族会議が議席を大幅に失うリスク)、(3)南ア中銀による通貨防衛耐性の低下リスク(南ア政府は先月の2024年度予算イベントで財政補填を目的とした緊急準備金の取り崩し策を発表)、(4)南ア中銀の早期利下げ観測など、南アランド円相場の下落を連想させる材料が揃っています。

米金利低下・米ドル売りの流れが一定南アランドを下支えすると見られるものの、7.90円台では上値が重くなることが想定されるため、当方では引き続き、南アランド円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします。尚、来週は南ア1月製造業生産以外に目立った南ア経済イベントが予定されていないため、米長期金利や米ドルに振らされる主体性に欠ける相場展開が続きそうです。

来週の予想レンジ(ZARJPY):7.75ー7.95

『約2週間ぶり高値更新後に反落するなど上値は重たい。続落リスクに要警戒』

南アフリカランド円日足

注:ポイント要約は編集部

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