南アランド週報:『南ア政府予算案に対する失望売りが継続。来週は南ア経済イベント目白押し』(3/2朝)

南アランドの対円相場(ZARJPY)は、2/21に記録した約3カ月ぶり高値7.99円をトップに反落に転じると、今週後半にかけて、一時7.76円まで下落しました。

南アランド週報:『南ア政府予算案に対する失望売りが継続。来週は南ア経済イベント目白押し』(3/2朝)

『南ア政府予算案に対する失望売りが継続。来週は南ア経済イベント目白押し』

〇今週の南ア円、南ア予算案に対する否定的見解、南ア指標不冴え等に週後半にかけ7.76まで下落
〇週末にかけてはドル円の持ち直し、PMI、自動車販売等の南ア指標に7.85まで持ち直す
〇南ア円、心理的節目8.00の突破に失敗、主要サポートポイントを下抜け地合いの悪化警戒される
〇ファンダメンタルズも南ア経済・政局の先行き不透明感、24年度予算案への失望感が重石
〇引き続き、南アランド円相場の下落をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):7.70ー7.95

今週のレビュー(2/26−3/1)

今週の南アフリカランド円相場(ZARJPY)は、週初7.79円で寄り付いた後、翌2/27にかけて、週間高値7.89円まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(1)大手格付け会社フィッチ・レーティングによる「南アフリカが先週2/21に公表した予算案は楽観的」との否定的な見解や、(2)上記1を背景としたロング勢の失望売り、(3)南ア1月貿易赤字(結果94億ZAR赤字、予想55億ZAR赤字)の市場予想を上回る結果、(4)南ア1月生産者物価指数(結果+4.7%、予想+4.6%、前回+4.0%)の伸び率加速、(5)日銀による金融政策正常化期待(ドル円下落→南アランド円連れ安)が重石となり、週後半にかけて、週間安値7.76円まで下落しました。

もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、(6)ドル円相場の持ち直し(南アランド円連れ高)や、(7)南ア2月製造業PMI(結果51.7、予想46.5)の市場予想を上回る結果、(8)南ア2月Naamsa自動車販売(結果▲0.9%、前回▲3.8%)の前回比改善が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間3/2午前0時20分現在)では、7.85円前後まで持ち直す動きとなっております。

来週の見通し(3/4−3/8)

南アランドの対円相場(ZARJPY)は、2/21に記録した約3カ月ぶり高値7.99円をトップに反落に転じると、今週後半にかけて、一時7.76円まで下落しました。上値トライ時に心理的節目8.00円の突破に失敗したことや、日足ローソク足が主要サポートポイント(21日線、90日線、一目均衡表転換線、基準線)を下抜けしたこと等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いの悪化が警戒されます(7.77円付近に位置する200日移動平均線や、7.74円付近に位置する一目均衡表雲下限を割り込むことが出来れば、もう一段下げ足を速める可能性あり)。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)南ア経済の先行き不透明感(景気減速懸念+インフレ底打ちの組み合わせ)や、(2)南アフリカの政局不透明感(本年5/29に予定されている南アフリカの総選挙で与党・アフリカ民族会議が大幅に議席を失う恐れ)、(3)2024年度予算に対する失望感(大手格付け会社フィッチ・レーティングは2/21に公表された予算案について歳入見通し・赤字見通し共に楽観的と批判。また、財政補填を目的とした緊急準備金の取り崩しについても、南ア中銀による通貨防衛体制の棄損を意味することから諸刃の剣)など、南アランド円相場の下落を連想させる材料が揃っています。

来週予定されている南ア第1四半期BER企業信頼感指数や、南ア第4四半期実質GDP、南ア第4四半期経常収支が市場予想を下回る場合や、南アフリカと経済的な結びつきの強い中国の2月財新PMIが市場予想下回る場合には、南アランドにもう一段強い下押し圧力が加わるシナリオが想定されるため、当方では引き続き、南アランド円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(200日移動平均線や一目均衡表雲下限を下抜けできれば、1/22に記録した安値7.69円付近まで下落する可能性あり)。

来週の予想レンジ(ZARJPY):7.70ー7.95

『南ア政府予算案に対する失望売りが継続。来週は南ア経済イベント目白押し』

南アランド円日足

注:ポイント要約は編集部

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