トルコリラ週報:『利上げ催促のリラ売り継続。来週はトルコのインフレ指標に注目』(3/2朝)

トルコリラの対円相場(TRYJPY)は、2/13に記録した年初来高値4.99円をトップに反落に転じると、今週末にかけて、約1カ月半ぶり安値4.77円まで下落しました。

トルコリラ週報:『利上げ催促のリラ売り継続。来週はトルコのインフレ指標に注目』(3/2朝)

『利上げ催促のリラ売り継続。来週はトルコのインフレ指標に注目』

〇今週のトルコ円、トルコ指標悪化と利上げ催促のリラ売り継続等に週末にかけ4.77まで下落
〇主要テクニカルポイントを軒並み下抜け、強い売りシグナルも再点灯、地合い極めて弱い
〇ファンダメンタルズのトルコ経済先行き不透明感、インフレ昂進懸念が利上げ催促のリラ売り招く状況
〇来週は3/4に発表されるトルコ2月CPI(前回+64.86%)とPPI(前回+44.20%)に注目
〇引き続き、トルコリラ円相場の続落をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(TRYJPY):4.65ー4.90

今週のレビュー(2/26−3/1)

今週のトルコリラ円相場(TRYJPY)は、週初4.84円で寄り付いた後、早々に週間高値4.86円まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(1)トルコ1月貿易収支(結果62.3億ドル赤字、予想62.0億ドル赤字)の赤字幅拡大や、(2)トルコ2月経済信頼感(結果99.0、前回99.4)の前月比悪化、(3)米マサチューセッツ工科大学ダロン・アセモグル教授による「トルコ中銀の金融引き締めは不十分」「昨年の大胆な方針転換にもかかわらず実質金利はマイナスの状態が継続中」「インフレ見通しは非現実的」とのトルコ中銀の金融政策に対する否定的な発言、(4)利上げ催促のリラ売り継続(対ドル相場は史上最安値を一段と更新→トルコリラ円連れ安)、(5)トルコ10ー12月期GDP(結果+4.0%、予想+3.5%、前回+6.1%)の前回比減速、(6)日銀による金融政策正常化期待(高田日銀審議委員によるタカ派的な発言→日銀によるマイナス金利の早期脱却期待→円金利上昇→ドル円下落→トルコリラ連れ安)が重石となり、週末にかけて、週間安値4.77円(1/12以来の安値圏)まで下落しました。

もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、(7)ドル円相場の持ち直し(トルコリラ円連れ高)や、(8)トルコ2月製造業PMI(結果50.2、前回49.2)の良好な結果(好不況の分岐点となる50突破)が支えとなり、本稿執筆時点(日本時間3/2午前0時20分現在)では、4.79円前後で推移しております。

来週の見通し(3/4−3/8)

トルコリラの対円相場(TRYJPY)は、2/13に記録した年初来高値4.99円をトップに反落に転じると、今週末にかけて、約1カ月半ぶり安値4.77円(1/12以来の安値圏)まで下落しました。日足ローソク足が主要テクニカルポイントを軒並み下抜けしていることや、「弱気のパーフェクトオーダー」「ダウ理論の下落トレンド」に続き、強い売りシグナルを示唆する「一目均衡表三役逆転」が再点灯したこと、対ドル相場の史上最安値更新が継続していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは「極めて弱い」と判断できます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)トルコ経済の先行き不透明感や、(2)トルコ国内のインフレ上昇リスク(実質金利のマイナス継続→構造的なリラ売り圧力)、(3)上記2を背景とした利上げ催促のリラ売り圧力(トルコ中銀はインフレリスクが再燃しているにもかかわらず政策金利の据え置きを決定→市場は金融引き締めが不十分と解釈→利上げ催促のリラ売りに発展)など、トルコリラ円相場の下落を連想させる材料が揃っています。こうした中、来週は3/4に発表されるトルコ2月消費者物価指数(前回+64.86%)とトルコ2月生産者物価指数(前回+44.20%)に注目が集まります。インフレ加速が示されれば、実質金利低下に伴うリラ売り圧力と、利上げ催促のリラ売り圧力が組み合わさることで、トルコリラ円相場にもう一段強い下押し圧力が加わるシナリオが想定されるため、当方では引き続き、トルコリラ円相場の続落をメインシナリオとして予想いたします。

来週の予想レンジ(TRYJPY):4.65ー4.90

注:ポイント要約は編集部

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トルコリラ円日足

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