2月14日以降の下落基調続く、ドルでは連日の史上最安値更新
〇トルコ円、2/27夜からドル円騰落に合わせ4.83まで戻すも2/27朝高値4.85には届かず上値重い
〇対ドル、2/27は概ね31.30から30.94の取引レンジ
〇安値31.30つけ2日連続で取引時間中の史上最安値更新、終値ベースも3営業日連続で史上最安値更新
〇日銀のマイナス金利解除への見方強まれば、ドル高リラ安とともに円高のプレッシャーもかかることに
〇2/13高値4.91からは右肩下がりの展開、4.80台を維持しきれず新たな下落期に入っている印象
〇4.84下回るうちは一段安警戒、4.81割れからは4.79、4.77を順次試す下落想定
〇4.84前後は戻り売り有利、4.84を上抜く場合は4.85から4.86手前への上昇を想定、4.85以上は反落警戒
【概況】
トルコリラ円の2月27日は概ね4.84円から4.79円の取引レンジ、28日早朝の終値は4.82円で前日終値の4.83円から0.01円の円高リラ安だった。
ドル円は2月14日早朝に150.88円を付けて昨年12月28日安値140.24円以降の最高値とした後は149円台中盤を買われつつ高値更新へ進めずに150円台中心の持ち合いにつかまっており、2月21日未明安値149.68円からの上昇も2月27日未明高値150.83円までにとどまった。高値更新へ進めなかったことで27日夜には150.08円まで下げたが、150円割れは回避して150.50円前後の水準へ戻しており、決め手に欠いた状況での持ち合いが続いている。
ドル円はほぼボックス型の持ち合いを形成して2月15日夜安値からは若干の底上げ基調だが、トルコリラ円は2月14日早朝高値4.91円の後は瞬間的な高値提示による飛び値が繰り返し見られたもののそれらを除けば右肩下がりの展開が続いている。
対ドルでリラの史上最安値更新が続いていることに圧迫されて2月26日午後に4.80円、2月27日午後に4.79円を付けて安値も徐々に切り下がっている。2月27日夜からドル円が戻した局面では4.83円まで戻したものの27日朝高値4.85円には届かず上値の重い状況が続いている。
2月29日に米FRBがインフレ指標として最重視している米1月PCE(個人消費支出)デフレーターの発表があり、それをきっかけとしてドル円が持ち合い上放れへ進むならトルコリラ円もドル高リラ安に抗して反騰入りする可能性もあるが、米国の早期利下げ開始期待の後退によるドル高が一巡している中では持ち合い上放れへ進むことも難しいかもしれない。逆に日銀のマイナス金利解除への姿勢が改めてテーマ化するようだと円高へと傾斜し、トルコリラ円にはドル高リラ安とともに円高のプレッシャーがかかることにもなりかねない。
【ドル/トルコリラは連日の史上最安値更新】
ドル/トルコリラの2月27日は概ね31.30リラから30.94リラの取引レンジ、28日早朝の終値は31.07リラで前日終値の31.04リラから0.03リラのドル高リラ安だった。
先週末時点で週間ベースでは12月11日の週から11週連続のドル高リラ安、5週連続で取引時間中の史上最安値を更新したが、今週も2月26日安値31.27リラ、27日安値31.30リラと2日連続で取引時間中の史上最安値を更新し、終値ベースでも2月23日から27日へ3営業日連続で史上最安値を更新しており、リラ安に歯止めのかからない状況が続いている。
【年明けからの戻り一巡により徐々に史上最安値へ迫る】
トルコリラ円は昨年12月29日安値4.70円(ベンダーによっては1月3日の4.73円等)を起点として反騰入りしたが、2月13日高値4.91円の後は右肩下がりの展開で4.80円台を維持しきれなくなってきている。昨年8月24日にトルコ中銀が7.5%の大幅利上げを決定したことによる急伸で付けた5.77円からの下落が落ち着いて戻していたのだが、その戻りも一巡して新たな下落期に入っている印象だ。
2021年12月に当時の史上最安値を更新する急落となり、その対策でリラ建て預金の為替差損補填制度が導入されていったん2021年12月23日へ戻した後は、4か月後の2022年4月28日高値、6か月後の10月21日高値、5か月後の2023年3月8日高値、5か月後の8月24日高値と主要な高値を付けてきたが、さらに6か月後となる今年2月13日高値でこの周期の高値を付けて下落期入りしていると思われる。同じく概ね5か月から6か月周期で主要な安値を付けてきた流れを踏まえれば今年5月から6月にかけての間へ下落を継続しやすい状況に入っている可能性も考えられる。
ドル/トルコリラについては年末にかけて1ドル36リラまで下落するとの見方もあり、暫くはドル高リラ安に圧迫される展開で史上最安値更新へ向かいやすい局面と注意したい。
【60分足 一目均衡表・サイクル分析】
トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、2月22日未明安値をサイクルボトムとして底割れからは新たな弱気サイクル入りとしていたが、2月26日午前に一時4.80円まで下げてその後の戻りも鈍かったため、27日午前時点では2月23日未明高値を直近のサイクルトップとしてすでに新たな弱気サイクル入りしていると仮定して27日の日中から29日未明にかけての間への下落を想定した。
2月27日午後の一時的な安値で4.79円を付けたのを除いて27日夜へ下げてからの戻りも鈍いためまだ下落余地ありとするが、4.84円超えからはいったん戻しに入るとみて28日の日中から3月1日未明にかけての間への上昇を想定する。ただしその際の戻りも短命とみてその後に安値を更新するところからは新たな弱気サイクル入りとする。
60分足の一目均衡表では一時的な飛び値を除いて先行スパンから転落した状況が続いているが、遅行スパンは好転しやすい位置に来ているので遅行スパン好転からは戻りを試す上昇を想定する。ただし、遅行スパンが好転後に再び悪化するところからは下げ再開とみて安値試し優先へ切り替える。
60分足の相対力指数は2月27日夕刻に30ポイントへ迫ってから50ポイント台までいったん戻しているため、55ポイント超えからは上昇継続とみて60ポイント台前半への上昇を想定するが、40ポイント割れからは下げ再開として30ポイント前後への低下を伴う下落を想定する。
以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.81円を下値支持線、4.84円を上値抵抗線とする。
(2)一時的な上昇を除いて4.84円を下回るうちは一段安警戒とし、4.81円割れからは4.79円、4.77円を順次試してゆく下落を想定する。4.78円以下は反発注意とするが、4.82円を下回っての推移なら29日も安値試しへ向かいやすいとみる。
(3)4.84円前後は戻り売り有利とし、その後に4.82円を割り込むところから下げ再開とする。4.84円を上抜く場合は4.85円から4.86円手前への上昇を想定するが、4.85円以上は反落警戒とする。
【当面の主な予定】
2月28日
16:00 1月 トルコ貿易収支 (12月 -60.4億ドル)
16:00 2月 経済信頼感指数 (1月 99.4)
2月29日
16:00 10-12月期GDP 前期比 (7‐9月 0.3%)
16:00 10-12月期GDP 前年同期比 (7‐9月 5.9%、予想 3.5%)
20:30 週次 外貨準備高 2月23日時点 グロス (2月16日時点 860.9億ドル)
20:30 週次 外貨準備高 2月23日時点 ネット (2月16日時点 284.6億ドル)
3月1日
16:00 2月 イスタンブール製造業PMI (1月 49.2)
3月4日
16:00 2月 CPI(消費者物価指数) 前月比 (1月 6.7%)
16:00 2月 CPI(消費者物価指数) 前年同月比 (1月 64.86%)
16:00 2月 PPI(生産者物価指数) 前月比 (1月 4.14%)
16:00 2月 PPI(生産者物価指数) 前年同月比 (1月 44.2%)
注:ポイント要約は編集部
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