ドル円見通し 151円手前の壁はまだ厚く2月14日以降の持ち合い続く(24/2/28)

ドル円は2月27日未明高値150.83円を目先のピークとして下落に転じたが、27日夜安値150.08円から戻している。

ドル円見通し 151円手前の壁はまだ厚く2月14日以降の持ち合い続く(24/2/28)

151円手前の壁はまだ厚く2月14日以降の持ち合い続く

〇ドル円、2/27夜にかけ米長期債利回りの低下で150.08まで下げるも150円台を維持
〇2/28早朝にかけて米長期債利回りの上昇を見て150.58まで戻し、その後は150.50を挟んだ小動き
〇週後半の米GDP改定値やPCEデフレータの発表控え、持ち合い範囲内の騰落に留まり方向感探る展開
〇米耐久財受注とCB消費者信頼感は予想外に悪化するも、市場の反応は限定的
〇米10年債利回り、一時4.26%まで低下するも2/28早朝にかけ上昇、前日比0.2%上昇の4.30%
〇米国利下げ開始時期先送りか、6月開始の正当化または5月開始期待度が再び高まるか見定めたいところ
〇2/27夜安値150.08を割り込まないうちは一段高余地あり、150.83超えからは151円前後への上昇を想定
〇150.08割れからは、2/21未明安値149.68と2/15夜安値149.55を試す下落を想定

【概況】

ドル円は2月27日未明に150.83円を付けたが2月13日夜の米CPI発表後の急伸で付けた2月14日早朝高値150.88円超えには至らず、27日朝発表の日本全国CPI上昇率が12月から鈍化したものの市場予想を上回ったことによる日銀マイナス金利解除への連想で下落に転じ、27日夜にかけて米長期債利回りが低下した局面で150.08円まで下げたものの150円台を維持した。2月28日早朝にかけては米長期債利回りが上昇したのを見て150.58円まで戻し、その後は150.50円を挟んだ小動きとなっている。
2月27日夜の米耐久財受注が市場予想を大幅に下回り、コンファレンスボードの2月消費者信頼感指数も予想外に悪化したものの市場の反応は限定的だった。2月28日の米10-12月期GDP改定値、29日の米1月PCE(個人消費支出)デフレーターの発表を控えてドル円も持ち合いの範囲内での騰落に留まり方向感を探る展開となっている。

【米耐久財受注とCB消費者信頼感は予想外に悪化】

2月27日に米連邦住宅金融庁(FHFA)が発表した12月住宅価格指数は前月比0.1%上昇となり11月の0.4%(当初の0.3%から上方修正)から低下して市場予想の0.3%上昇を下回った。前年同月比は6.6%上昇で11月の6.7%を下回ったが、11月は2022年12月以降最大の伸び率で12月もそれに近い水準に留まった。10-12月期の四半期ベースでは前期比1.5%上昇となり7‐9月期の2.1%から低下した。
ケースシラー住宅価格指数は12月の前月比が0.3%低下となり11月の0.2%低下から減速し、前年同月比は6.1%上昇で11月の5.4%上昇を上回った。

米商務省による1月の耐久財受注額は前月比6.1%減となり市場予想の4.5%減を下回る悪化で、12月の0.3%減からマイナスを続けて2020年4月以来最低となった。設備投資の先行指標である航空機を除く非国防資本財受注は0.1%増で予想と一致した。
米コンファレンス・ボードによる2月消費者景気信頼感指数は106.7となり1月の110.9から低下して4か月振りの悪化となり、市場予想の115.0を大幅に下回った。現況指数は1月の154.9から147.2へ、期待指数は81.5から79.8へ低下した。

【米10年債利回りは続伸、ダウは続落】

2月27日の米長期債利回りは10年債と30年債が連騰したものの2年債利回りは低下した。
長期金利指標の10年債利回りは前日比0.2%上昇の4.30%となり2月26日の0.03%上昇から小幅な連騰となった。一時4.26%まで低下していたが28日早朝にかけて上昇した。
30年債利回りは前日比0.03%上昇の4.43%となり2月26日の0.03%上昇から小幅続伸した。
2年債利回りは前日比0.04%低下の4.69%となった。2月23日に4.76%をつけて1月12日の4.12%以降の高値とした後は上昇一服している。

いずれも2月29日の米1月PCE発表待ちの様相であり、米国の利下げ開始時期がさらに先送りされるのか、6月利下げ開始を正当化したり5月利下げ開始の期待度が再び高まるのかを見定めたいところだ。

一方でNYダウは前日比96.82ドル安と下落、26日の62.30ドル安からの続落となり2月23日の史上最高値更新後は利益確定売りに圧されている印象だ。ナスダック総合指数は23日から26日へ続落していたが27日は59.05ポイント高と反発し、終値として16000ポイント台を回復した。

【60分足、サイクル・一目均衡表分析】

【60分足、サイクル・一目均衡表分析】

ドル円は2月27日未明高値150.83円を目先のピークとして下落に転じたが、27日夜安値150.08円から戻している。2月21日未明安値から5日目となる27日夜安値で目先の底を付けて戻しに入る可能性があるため、27日夜安値を割り込まないうちは29日夜から3月5日未明にかけての間への上昇余地ありとするが、28日夜安値を割り込む場合は3月1日夜から5日夜にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では、2月27日夜の下落時に遅行スパンが悪化して先行スパンからも転落したが、その後の反騰により遅行スパンは好転しやすい位置に来ている。先行スパンを上抜き返せないうちは遅行スパンが一時的に好転してもその後に悪化するところから下げ再開とするが、先行スパンを上抜き返すところからは反騰継続とみて遅行スパン好転中の高値試し優先とする。

60分足の相対力指数は2月27日夕刻に30ポイントを割り込んだものの夜の安値更新時は指数のボトムが切り上がる小規模な強気逆行を見せて50ポイント台へ戻しているので、60ポイント台中盤への上昇を想定するが、45ポイント割れからは下げ再開を警戒して30ポイント台への低下を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、2月27日夜安値150.08円を下値支持線、2月27日未明高値150.83円を上値抵抗線とする。
(2)2月27日夜安値を割り込まないうちは一段高余地ありとし、150.83円超えからは151円前後への上昇を想定する。151円前後では戻り売りにつかまりやすいとみるが150.30円以上を維持しての推移なら29日も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)150.08円割れからは2月21日未明安値149.68円と2月15日夜安値149.55円を試す下落を想定する。149.70円以下は反騰注意とするが、150.08円を割り込んでの推移なら29日も安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の予定】

2/28(水)
10:00 (NZ) ニュージーランド中銀 政策金利 (現行 5.50%、予想 5.50%)
14:00 (日) 12月 景気一致指数CI・改定値 (速報 116.2)
14:00 (日) 12月 景気先行指数CI・改定値 (速報 110.0)
19:00 (欧) 2月 消費者信頼感・確定値 (速報 -15.5、予想 -15.5)
19:00 (欧) 2月 経済信頼感 (1月 96.2、予想 96.7)

22:30 (米) 1月 卸売在庫 前月比 (12月 0.4%、予想 0.2%)
22:30 (米) 10-12月期 GDP・改定値 前期比年率 (速報 3.3%、予想 3.3%)
22:30 (米) 10-12月期 GDP個人消費・改定値 前期比年率 (速報 2.8%、予想 2.7%)
22:30 (米) 10-12月期コアPCE・改定値 前期比年率 (速報 2.0% 、予想 2.0%)
24:30 (米) EIA間石油在庫統計
26:00 (米) ボスティック・アトランタ連銀総裁、座談会
26:15 (米) コリンズ・ボストン連銀総裁、座談会
26:45 (米) ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁、講演

2/29(木)
08:50 (日) 1月 小売業販売額 前年同月比 (12月 2.1%、予想 2.0%)
08:50 (日) 1月 鉱工業生産・速報値 前月比 (12月 1.4%、予想 -7.0%)
08:50 (日) 1月 鉱工業生産・速報値 前年同月比 (12月 -1.0%、予想 -1.8%)
09:00 (NZ) 2月 ANZ企業信頼感 (1月 36.6)
09:30 (豪) 1月 小売売上高 前月比 (12月 -2.7%、予想 1.6%)
09:30 (豪) 10-12月期 民間設備投資 前期比 (7‐9月 0.6%、予想 0.4%)
10:30 (日) 高田日銀審議委員、滋賀県で講演、14:00 会見
14:00 (日) 1月 新設住宅着工戸数 前年同月比 (12月 -4.0%、予想 -7.8%)
17:55 (独) 2月 失業者数 前月比 (1月 -0.20万人、予想 0.50万人)
17:55 (独) 2月 失業率 (1月 5.8%、予想 5.8%)

22:00 (独) 2月 CPI(消費者物価指数)・速報値 前月比 (1月 0.2%、予想 0.5%)
22:00 (独) 2月 CPI(消費者物価指数)・速報値 前年同月比 (1月 2.9%、予想 2.6%)
22:30 (米) 1月 個人所得 前月比 (12月 0.3%、予想 0.5%)
22:30 (米) 1月 PCE(個人消費支出) 前月比 (12月 0.7%、予想 0.2%)
22:30 (米) 1月 PCEデフレーター 前年同月比 (12月 2.6%、予想 2.4%)
22:30 (米) 1月 コアPCEデフレーター 前月比 (12月 0.2%、予想 0.4%)
22:30 (米) 1月 コアPCEデフレーター 前年同月比 (12月 2.9%、予想 2.8%)
22:30 (米) 新規失業保険申請件数 (前週 20.1万件、予想 21.0万人)
22:30 (米) 失業保険継続受給者数 (週間 186.2万人)

23:45 (米) 2月 シカゴ購買部協会景況指数 (1月 46.0、予想 47.9)
24:00 (米) 1月 住宅販売保留指数 前月比 (12月 8.3%、予想 1.0%)
24:00 (米) 1月 住宅販売保留指数 前年同月比 (12月 -1.0%)
24:50 (米) ボスティック・アトランタ連銀総裁、座談会
25:00 (米) グールズビー・シカゴ連銀総裁、イベント参加
27:15 (米) メスター・クリーブランド連銀総裁、講演


注:ポイント要約は編集部

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