ドル円、本邦CPIの上昇を受けて一時下落するも、海外勢参入後に持ち直す展開(2/28朝)

27日(火)のドル円相場は高値圏から反落。

ドル円、本邦CPIの上昇を受けて一時下落するも、海外勢参入後に持ち直す展開(2/28朝)

ドル円、本邦CPIの上昇を受けて一時下落するも、海外勢参入後に持ち直す展開

〇ドル円、米1月耐久財受注速報値等の不冴えに、米国勢参入後150.08まで下落
〇その後は米住宅価格指数、リッチモンド連銀製造業指数の好調に150円台半ばまで戻す
〇ユーロドル、1.08台半ばで方向感に欠ける動き
〇ドル円、150円前後での下値の堅さが再確認、テクニカルのドル買い地合い続く
〇ファンダメンタルズも日米金利差の拡大傾向がドル円をサポート
〇米1月PCEデフレーター発表を明日に控え、方向感を見出しづらい時間帯が続きそう
〇本日の予想レンジ:150.00ー151.00

海外時間のレビュー

27日(火)のドル円相場は高値圏から反落。前日海外時間に、約2週間ぶり高値150.85まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)2/13に記録した年初来高値150.88を背にした戻り売り圧力や、(2)本邦1月消費者物価指数(結果+2.2%、予想+1.9%)の市場予想を上回る結果、(3)本邦1月消費者物価指数・除生鮮食品(結果+2.0%、予想+1.9%)の市場予想を上回る結果、(4)本邦1月消費者物価指数・除生鮮食品およびエネルギー(結果+3.5%、予想+3.3%)の市場予想を上回る結果、(5)上記2、3、4を背景とした日銀によるマイナス金利の早期解除観測再燃、(6)円金利上昇に伴う円買い圧力(本邦2年債利回りは2011年以来となる0.17%へ急上昇)、(7)米1月耐久財受注速報値(結果▲6.1%、予想▲5.0%)の市場予想を下回る結果が重石となり、米国勢参入後に、安値150.08まで下落しました。

もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、(8)心理的節目150.00を背にした押し目買い圧力や、(9)米12月S&Pケースシラー住宅価格指数(結果+6.13%、予想+6.00%)の市場予想を上回る結果、(10)米2月リッチモンド連銀製造業指数(結果▲5、予想▲9)の市場予想を上回る結果、(11)米金利上昇に伴うドル買い圧力が支えとなり、本稿執筆時点(日本時間2/28午前2時50分現在)では、150.45前後まで持ち直す動きとなっております。

27日(火)のユーロドル相場は狭いレンジ内で方向感に欠ける展開。(1)ドイツ3月GFK消費者信頼感(結果▲29.0、予想▲29.0、前回▲29.7)の前月比改善や、(2)米金利低下に伴うドル売り圧力、(3)欧州株の堅調推移が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値1.0866まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(4)オプション市場のマグネット効果(NYカットに向けて1.0840や1.0850等の巨大オプションに吸い寄せられる動き)や、(5)ドイツ債利回り低下に伴うユーロ売り圧力が重石となり、米国時間早朝にかけて、安値1.0833まで反落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、米国時間午後にかけて持ち直し、本稿執筆時点(日本時間2/28午前2時50分現在)では、1.0855前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は本邦CPIの予想外の上昇をトリガーに一時150.08まで下落する場面も見られましたが、心理的節目150.00付近では押し目買い意欲も根強く、結局150円台半ばへ切り返す動きとなりました。150円前後での下値の堅さが再確認されたことや、日足ローソク足で強い買いシグナル(一目均衡表三役好転+強気のパーフェクトオーダー+ダウ理論の上昇トレンド)が成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは「極めて強い」と判断できます。

一方、ファンダメンタルズ的に見ると、予想外のCPI上振れを受けて、日銀によるマイナス金利の早期解除観測が再燃しつつありますが、同時に米FRBによる利下げ開始時期の後ずれ観測も高まっているため(上半期中に利下げが行われる確率は49.5%まで急低下)、日米金利差の観点では、縮小どころかむしろ拡大傾向が続いています。この為、日米金利差に着目した円キャリートレードは当面の間続く公算が大きく、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。

尚、本日は米MBA住宅ローン申請指数(21:00)や、米10ー12月期GDP統計改定値(22:30)、アトランタ連銀ボスティック総裁講演(02:00)、ボストン連銀コリンズ総裁講演(02:15)、ニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁講演(02:45)などが予定されておりますが、翌日(2/29)に今週のメインイベントとして注目されている米1月PCEデフレーターが控えているため(様子見ムードが強まり易く、ポジションを傾けづらい相場環境となっているため)、アジア時間・欧米時間を通して、方向感を見出しづらい時間帯が続きそうです。

本日の予想レンジ:150.00ー151.00

注:ポイント要約は編集部

ドル円、本邦CPIの上昇を受けて一時下落するも、海外勢参入後に持ち直す展開

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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