イベント前にポジション調整の動き
OPEC減産合意後も原油先物価格は上昇を続け、ISM製造業指数等の指標も好調。米十年物国債の金利は一時2.49%をつけるなど、昨晩の海外市場ではドルの支援材料が多かったにもかかわらずドル円は反落。
焦点は雇用統計と週末のイタリアの憲法改正のための国民投票に移り、本日の東京時間も様子見気分の強い展開となりました。
ドル円は午前中に一時113.58まで下落、調整色を強めましたがその後は114円台を挟む取引です。円安一服を受け日経平均株価も反落、一時下げ幅は200円を超え、終値は162円安の18,351円でした。
イタリアの国民投票は上院の権限を制限し、議員定数を減らすことにより現在同一の上下両院の権限をほぼ下院に集中する、議論の簡素化、審議の短期化を狙ったもので、それ自体は一国の国内政治の問題に過ぎないといえます。
しかし、レンツィ首相が否決されれば辞任するとの意向を示したために、否決された場合の政治空白によるイタリアの問題銀行の対応への遅れと金融市場へのリスクの波及が心配される事態となっています。
レンツィ首相が自由貿易と反ポピュリストの象徴的な立ち位置にいることが最近の国際的政治情勢の不安定さとあいまって市場の不安を増幅しているように見えます。
ただ、国民投票で否認され、首相が辞任したとしても、イタリアの銀行が破綻し金融危機にいたるまでにはさすがにいくつものプロセスが残されていることから、実際の金融市場への影響は限定的なものと考えます。
今年は世論調査がまったく当てにならない年ですが、二週間のブラックアウト前の世論調査では改憲反対派が優勢だったと伝えられています。
22:30の雇用統計は非農業部門雇用者数の予想が+18万人、失業率は横ばいの+4.9%、よほど悪い数字が出ない限りは今月14-15日のFOMCでの利上げが先送りになるとは考えにくく、昨日来のドル安、株安は一時的な調整に終わる可能性が高いと思われます。
序盤の欧州株価指数先物はほぼ全面安の様相です。
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.21
東京市場のドルは154円台後半で推移、今晩も要人発言で上下に動く可能性アリ(24/11/21)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、時間外の米10年債利回りも上げ一服となったことでドルは一時154円台を付ける場面も見られた。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.21
ドル円 地政学リスクくすぶるも再びレンジの様相に(11/21夕)
東京市場は一転してドルが弱含み。とくに終盤下げ足を速めている。
-
日本円(JPY)の記事
Edited by:編集人K
2016.12.05
リスクイベント終了で「相場再開」(2016年12月5日)
週明けの東京市場ではイタリアの憲法改正にかかわる国民投票が早々に決着、8時30分前にはレンツォ首相が敗北宣言と辞意を表明、
-
日本円(JPY)の記事
Edited by:編集人K
2016.12.01
OPEC減産合意でリスクオンの円安株高(16年12月1日)
風が吹けば桶屋が儲かるような話ではありますが、昨晩のOPEC会合で加盟国にロシアも加わっての原油生産量を調整、
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。