イベント前にポジション調整の動き(2016年12月2日)

OPEC減産合意後も原油先物価格は上昇を続け、ISM製造業指数等の指標も好調。米十年物国債の金利は一時2.49%をつけるなど、

イベント前にポジション調整の動き(2016年12月2日)

イベント前にポジション調整の動き

OPEC減産合意後も原油先物価格は上昇を続け、ISM製造業指数等の指標も好調。米十年物国債の金利は一時2.49%をつけるなど、昨晩の海外市場ではドルの支援材料が多かったにもかかわらずドル円は反落。
焦点は雇用統計と週末のイタリアの憲法改正のための国民投票に移り、本日の東京時間も様子見気分の強い展開となりました。

ドル円は午前中に一時113.58まで下落、調整色を強めましたがその後は114円台を挟む取引です。円安一服を受け日経平均株価も反落、一時下げ幅は200円を超え、終値は162円安の18,351円でした。

イタリアの国民投票は上院の権限を制限し、議員定数を減らすことにより現在同一の上下両院の権限をほぼ下院に集中する、議論の簡素化、審議の短期化を狙ったもので、それ自体は一国の国内政治の問題に過ぎないといえます。
しかし、レンツィ首相が否決されれば辞任するとの意向を示したために、否決された場合の政治空白によるイタリアの問題銀行の対応への遅れと金融市場へのリスクの波及が心配される事態となっています。
レンツィ首相が自由貿易と反ポピュリストの象徴的な立ち位置にいることが最近の国際的政治情勢の不安定さとあいまって市場の不安を増幅しているように見えます。
ただ、国民投票で否認され、首相が辞任したとしても、イタリアの銀行が破綻し金融危機にいたるまでにはさすがにいくつものプロセスが残されていることから、実際の金融市場への影響は限定的なものと考えます。
今年は世論調査がまったく当てにならない年ですが、二週間のブラックアウト前の世論調査では改憲反対派が優勢だったと伝えられています。

22:30の雇用統計は非農業部門雇用者数の予想が+18万人、失業率は横ばいの+4.9%、よほど悪い数字が出ない限りは今月14-15日のFOMCでの利上げが先送りになるとは考えにくく、昨日来のドル安、株安は一時的な調整に終わる可能性が高いと思われます。
序盤の欧州株価指数先物はほぼ全面安の様相です。

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