NZ雇用統計よりも豪中銀会合の結果を見極める展開に
【今週のNZドル】
今週のNZドルは、消費者物価指数(CPI)の鈍化で早期の利下げ観測が強まり売られた豪ドルにつられる展開となった。
NZドルは目立った売買材料に乏しいなか、1月31日の豪第4四半期CPIの上昇率が前年比4.1%と市場予想同4.3%を下回ったことから、オーストラリア準備銀行(豪中銀、RBA)による利下げ観測が強まり豪ドルは下落。
また、米1月ADP雇用統計などが市場予想を下回ったため、米国も早期の利下げ観測が強まったことでドル売りが加速。NZドルはこうした動きにもつられて、90円70銭水準から1月4日以来の90円台割れ。89円26銭まで下落し、100日移動平均線水準で下げ止まった。ミニ三角保合いを下放れていることから、下を意識しやすい形状となっている。
NZドル・円(東京時間:1月29日―2月2日(終値は9時台終値を参照))※Investing.comの日足を参照
始値:90円63銭
高値:90円75銭
安値:89円26銭
終値:89円94銭
【来週の重要指標】
※時間は東京時間
2月7日
☆6時45分、第4四半期雇用統計(前年比)、前回:2.4%、市場予想:2.0%
☆6時45分、第4四半期雇用統計(前期比)、前回:−0.2%、市場予想:0.2%
☆6時45分、第4四半期失業率、前回:3.9%、市場予想:4.3%
※予定は変更することがございます。
【来週の見通し】
来週のNZドルは、テクニカル的には戻りを試す展開を期待したいところだが、全てはお隣の豪ドル次第といった状況だ。
NZドル独自の売買材料は2月7日の第4四半期雇用統計ぐらいだが、6日はRBA会合が開催されることから、早期の利下げを検討といったRBA会合声明及びブロックRBA総裁の発言があれば、豪ドルは一段安となる可能性がある。
豪ドルとシンクロした動きを見せているNZドルはこの流れに抗うことはできない様子だ。一段安となった場合、7日の雇用統計の内容次第で多少反発する可能性はあるが、動きは限定的か。
テクニカルでは100日移動平均線の攻防を迎えている。ミニ三角保合いを下放れたことで下を意識しやすい状況ではあるが、100日移動平均線水準で長い下影(下ヒゲ)を残している。この水準が意識されれば、相対的に豪ドルよりも強い地合いと言えよう。
もっとも日足の一目均衡表の雲下限89円15銭も迫っていることから、100日移動平均線と雲下限割れという状況になれば、もう一段安を覚悟する必要があろう。豪ドル同様、NZドルも短期的には正念場を迎えつつある。
なお、2024年一回目のニュージーランド準備銀行(NZ中銀)の政策金利(現在、5.5%と約15年ぶりの高水準)発表は2月28日に行われる。日米欧など先進国の中銀会合のスケジュールでは最も遅いことから、各国中銀の結果を整理するには十分な時間がある。つまりRBA会合の結果を熟慮する時間はたっぷりあるということだ。
NZドル円日足
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