トルコ円見通し 今夜のトルコ中銀利上げ幅と今後の姿勢に注目(24/1/25)

トルコリラ円の1月24日は概ね4.90円から4.85円の取引レンジ、25日早朝の終値は4.88円で前日終値の4.89円からは0.01円の円高リラ安だった。

トルコ円見通し 今夜のトルコ中銀利上げ幅と今後の姿勢に注目(24/1/25)

今夜のトルコ中銀利上げ幅と今後の姿勢に注目

〇トルコ円、日銀会合後の乱高下を挟みながら4.91まで戻し、1/24早朝に4.95を付け年初来高値更新
〇対ドル、1/24は概ね30.36から29.86の取引レンジ、終値ベースの最安値更新
〇今夜のトルコ中銀政策発表、政策金利45.0%(2.5%の追加利上げ)がコンセンサス
〇予想通りの利上げ幅に留まる場合、市場はさらなる追加利上げ催促でリラ売りの勢い増すか
〇今夜はECB理事会、米GDP速報、明日は米PCE発表等もあり、為替市場全般の波乱に注意
〇4.90を下回るうちは一段安余地ありとし、4.85割れからは4.82前後への下落を想定
〇4.90超えからは4.92前後への上昇を想定するが、4.92以上は反落注意とする

【概況】

トルコリラ円の1月24日は概ね4.90円から4.85円の取引レンジ、25日早朝の終値は4.88円で前日終値の4.89円からは0.01円の円高リラ安だった。
トルコリラ円はドル高リラ安が長期化していることに圧迫されているものの、昨年末からはドル円の騰落を追いかけている。
ドル円は1月23日の日銀金融政策決定会合と植田総裁会見を挟んで乱高下し、23日午後安値146.99円から24日未明に148.69円まで戻したものの1月19日の年初来高値148.80円には届かず、24日は中国の景気対策期待によるドル安元高と英PMI改善によるポンド高ドル安を見ながら下落に転じて24日深夜には146.65円を付けて23日午後安値を割り込んだ。しかし1月の米PMIが予想以上に改善されたことで25日早朝には147.60円台へ戻し、25日午前も高値を若干切り上げて148円台回復を試している。

トルコリラ円は日銀会合後の乱高下を挟みながら24日未明には4.91円まで戻し、24日早朝の一時的高値で4.95円を付けて年初来高値を更新したが、24日の日中はドル円の下落に圧されて深夜に4.85円へ下落、その後は戻しているものの4.90円には届かずにいる。
今夜はトルコ中銀金融政策員会(2.5%利上げ予想)、ECB理事会(政策金利据え置き予想)のほか、米10-12月期GDP速報があり、明日は米12月PCE統計の発表と続くため、トルコリラ円はトルコ中銀の利上げに対する市場反応に加え、為替市場全般が大きく動きやすい局面にあるため波乱に注意したい。

【ドル/トルコリラは終値ベースの最安値更新】

ドル/トルコリラの1月24日は概ね30.36リラから29.86リラの取引レンジ、25日早朝の終値は30.23リラで前日終値の30.22リラからは0.01リラのドル高リラ安だった。
1月25日のトルコ中銀政策金利発表を控えて大幅利上げ催促的なリラ売りが続いており、1月23日には30.40リラを付けて1月12日に付けた30.34リラを超えて7営業日ぶりに取引時間中の史上最安値を更新した。24日は新たな安値更新には至らなかったものの、日足終値ベースでは1月22日終値30.22リラを超えて最安値を更新している。

【今夜20時、トルコ中銀の追加利上げ動向を見定める】

本日のトルコ中銀金融政策委員会では2.5%の追加利上げで政策金利を45.0%とするとの予想で衆目が一致している。
トルコ中銀は昨年5月末のエルドアン大統領三選後に任命されたエルカン総裁体制となり、昨年6月から12月までの7会合連続の利上げにより政策金利の週間レポレートは就任前の8.5%から42.5%まで引き上げられてきた。しかし、11月会合からはインフレ抑制のための今回の利上げサイクルが終了期に近付いているとの認識を示し、昨年8月に7.5%の大幅利上げを決定した後は9月から11月まで3会合連続で5.0%利上げとし、12月会合では2.5%利上げへ減速した。

1月19日に公開されたトルコ中銀の月次ビジネス・サーベイにおいてはエコノミストらの政策金利予想は3か月後で45.0%、1年後で36.54%とされており、45%まで引き上げられたところで利上げも終了となるのではないかとみられているようだ。中銀としてはインフレの鈍化が始まれば利下げ期に入りたいところだが、12月トルコCPI上昇率は全体の前年比が64.77%、コア指数で70.6%と高進しており、インフレが顕著に鈍化傾向を示さないことには中銀も45%を超えてさらに利上げせざるを得ないのではないかと思われる。
今回の利上げが市場予想を上回る5.0%なら強気サプライスとしてドル安リラ高反応を招く可能性があるものの、2.5%利上げに留まるなら市場はさらなる追加利上げを催促してリラ売りが勢いを増す可能性があると思われる。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、1月18日未明と19日午後の両高値をダブルトップとした弱気サイクル入りとしていたが、23日午後安値から24日早朝へ一段高したために24日午前時点では23日午後安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして24日午後から26日午後にかけての間への上昇を想定した。しかし24日早朝高値から反落していたためにすでにサイクルトップを付けた可能性があるとして4.86円割れからは弱気サイクル入りとした。
1月24日深夜にかけての下落時に4.86円を割り込んだため、24日早朝高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとして26日午後から30日午後にかけての間への下落を想定する。強気転換には4.90円超えから4.92円へ迫る上昇が必要と思われる。

60分足の一目均衡表では24日深夜への下落で遅行スパンが悪化して先行スパンからも転落した。その後の反発で遅行スパンは好転しやすい位置にあるため、先行スパンを上抜き返せないうちは遅行スパンが一時的に好転してもその後に悪化するところから下げ再開とし、先行スパンを上抜き返すところからは反騰継続の可能性ありとみて遅行スパン好転中の高値試し優先とする。

60分足の相対力指数は24日深夜に30ポイントを割り込んでからいったん50ポイント超えるところまで戻したので、50ポイントを上回るうちは反騰継続の可能性ありとするが、60ポイント前後では戻り売りにつかまりやすいとみる。40ポイント割れからは下落再開とみて30ポイント以下への低下を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.85円を下値支持線、4.90円を上値抵抗線とする。
(2)4.90円を下回るうちは一段安余地ありとし、4.85円割れからは4.82円前後への下落を想定する。4.82円以下は反騰注意とするが、4.88円を割り込んでの推移なら26日も安値試しへ向かいやすいとみる。
(3)4.90円超えからは4.92円前後への上昇を想定するが、4.92円以上は反落注意とし、その後に4.88円を割り込むところから下げ再開とみる。ただし、4.90円を上回っての推移が続く場合は26日も高値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

1月25日
 16:00 1月 製造業信頼感指数 (12月 99.1)
 16:00 1月 設備稼働率 (12月 77.5%)
 20:00 トルコ中銀 政策金利 (現行 42.5%、予想 45.0%)
 20:30 週次 外貨準備高 1月19日時点 グロス (1月12日時点 919.9億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 1月19日時点 ネット (1月12日時点 295.0億ドル)
1月30日
 16:00 1月 経済信頼感指数 (12月 96.4)
1月31日
 16:00 12月 貿易収支 (11月 -59.2億ドル)
 16:00 10-12月 海外観光収入 (7−9月 202.3億ドル)
 17:00 12月 海外観光客数 前年同月比 (11月 -1.0%)


注:ポイント要約は編集部

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