トルコリラ円見通し ドル高リラ安は継続、目先は日銀会合後のドル円動向次第(24/1/23)

トルコリラ円の1月22日は概ね4.91円から4.88円の取引レンジ、23日早朝の終値は4.89円で先週末終値の4.90円からは0.01円の円高リラ安だった。

トルコリラ円見通し ドル高リラ安は継続、目先は日銀会合後のドル円動向次第(24/1/23)

トルコリラ円見通し ドル高リラ安は継続、目先は日銀会合後のドル円動向次第

〇トルコリラ円、1/19の上昇局面では1/18未明高値4.93と同値に留まり、その後はやや軟調推移
〇対ドル、1/22は概ね30.26から30.02の取引レンジ、終値ベースでは4営業日連続で史上最安値更新
〇1/25開催のトルコ中銀MPC、市場の事前予想では2.5%の追加利上げで一致
〇4.91を下回るうちは下向きとし、4.88割れからは4.86、4.84を順次試して行く下落を想定する
〇4.91超えからは4.93試しとし、4.93超えからは4.95前後への上昇を想定する

【概況】

トルコリラ円の1月22日は概ね4.91円から4.88円の取引レンジ、23日早朝の終値は4.89円で先週末終値の4.90円からは0.01円の円高リラ安だった。
トルコリラ円はドル高リラ安に圧迫されつつも、短期的にはドル円の騰落率が勝ることでドル円を追いかける展開となり、ドル円が昨年末から上昇してきた流れを追いかけてきた。
ドル円は日銀のマイナス金利解除が先延ばしされて米国の早期利下げ期待が後退して米長期債利回りが上昇したことにより12月28日安値140.24円から1月19日高値148.80円まで上昇してきたが、1月23日の日銀会合を控えて上昇一服となり、147円台中盤は買われるものの高値切り上げヘ進めずに148円を挟んだ揉み合いに入っている。

トルコリラ円はドル円を追いかけて12月29日安値4.70円(ベンダーによっては1月3日の4.74円)を起点として上昇期に入り、1月18日未明に4.93円まで高値を伸ばしたが、1月19日にドル円が一段高した際の上昇では1月18日未明高値と同値に留まり、その後はやや軟調な推移となっている。
本日の日銀会合結果を受けてドル円が150円を目指す上昇期に入ればトルコリラ円も4.93円の上値抵抗線を突破して5円を目指す上昇期に入る可能性があるものの、逆に円高反応を招く場合は4.80円台前半へ失速し、1月25日のトルコ中銀による追加利上げが不十分としてリラ安が勢いを増して米GDPやPCE統計をきっかけにドル円が下落する場合には年末からの戻り一巡による下落期入りという印象が強まりかねないところと注意したい。

【ドル/トルコリラは終値ベースでの史上最安値を連日更新】

ドル/トルコリラの1月22日は概ね30.26リラから30.02リラの取引レンジ、23日早朝の終値は30.22リラで先週末終値の30.20リラからは0.02リラのドル高リラ安だった。
高インフレが続く中でトルコ中銀は積極的に連続利上げを行ってきたが、インフレが収まらずに利上げ不足として市場は追加利上げ催促のドル買いリラ売りを継続している。
昨年末からは米国の3月利下げ開始期待が後退したことで米長期債利回りが上昇してドル高が再燃していることもリラへの売り圧力となっている。
1月12日に1ドル30.34リラまで取引時間中の史上最安値を更新した後は新たな取引時間中の最安値更新を回避しているものの、日足の終値ベースでは17日の30.09リラ、18日の30.11リラ、19日の30.20リラから22日も4営業日連続で終値としての史上最安値を更新している。

【1月25日のトルコ中銀追加利上げは2.5%との予想】

今週は1月25日にトルコ中銀MPC(金融政策委員会)があり、市場の事前予想では2.5%の追加利上げで衆目が一致している。
トルコ中銀は昨年5月末のエルドアン大統領三選後に任命されたエルカン総裁体制となり、昨年6月から12月までの7会合連続の利上げにより政策金利の週間レポレートが就任前の8.5%から42.5%まで引き上げられてきた。11月会合からはインフレ抑制のための今回の利上げサイクルが終了期に近付いているとの認識を示しており、昨年8月に7.5%の大幅利上げを決定した後は9月から11月まで3会合連続で5.0%利上げとし、12月会合では2.5%利上げへ減速している。
しかし、1月3日発表の12月トルコCPI上昇率は全体の前年比が64.77%(11月61.98%)、コア指数で70.6%(11月69.9%)と高進が続いており、市場は追加利上げ催促のリラ売りを続けている。

1月19日に公開されたトルコ中銀の月次ビジネス・サーベイ(企業トップやエコノミストらへの調査)では、2024年末の為替レート予想中央値は1ドル39.9958リラ、CPI(消費者物価指数)の上昇率は年率42.04%へ減速し、政策金利は3か月後で45.0%、1年後で36.54%とされたが、期待通りにインフレ鈍化と利上げの終了ヘ進めるのか、現時点では難しいとの印象だ。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、1月18日夕刻に弱気転換目安とした4.89円を割り込んだため、19日午前時点では18日未明高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとしたが、1月19日午後の上昇で18日未明高値と同値としたため、22日午前時点では1月18日夕安値を割り込む場合はダブルトップ形成による下落期入りとするのを妥当とみて18日夕安値を直近のサイクルボトムとして底割れからは弱気サイクル入りとした。
1月22日夜への下落で18日夕安値を割り込んだため、ダブルトップ形成による弱気サイクル入りとして23日の日中から25日夕にかけての間への下落を想定する。
ただし、日銀会合後に円安反応となる場合は強気転換注意とし、1月19日午後高値超えからは強気サイクル入りとして24日午後から26日午後にかけての間への上昇を想定する。

60分足の一目均衡表では1月22日の下落で遅行スパンが悪化して先行スパンからも転落しているため遅行スパン悪化中は安値試し優先とする。先行スパンからの転落が続くうちは遅行スパンが一時的に好転してもその後に悪化するところから下げ再開とするが、先行スパンを上抜き返すところからは上昇再開の可能性ありとみて遅行スパン好転中の高値試し優先とする。

60分足の相対力指数は22日夜の下落時に30ポイント台前半へ下げてから50ポイント前後へ戻している。55ポイント以下での推移中は一段安余地ありとし、次に40ポイントを割り込むところからは20ポイント台への低下を伴う下落を想定する。55ポイント超えからは上昇再開の可能性ありとみて60ポイント台後半への上昇を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.88円を下値支持線、4.93円を上値抵抗線とする。
(2)4.91円を下回るうちは下向きとし、4.88円割れからは4.86円、4.84円を順次試して行く下落を想定する。4.85円以下は反騰注意とするが、4.88円を割り込んでの推移なら24日も安値試しへ向かいやすいとみる。
(3)4.91円超えからは4.93円試しとし、4.93円超えからは4.95円前後への上昇を想定する。4.95円以上は反落注意とするが、4.91円を超えての推移なら24日も高値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

1月23日
 16:00 1月 消費者信頼感指数 (12月 77.4)
1月25日
 16:00 1月 製造業信頼感指数 (12月 99.1)
 16:00 1月 設備稼働率 (12月 77.5%)
 20:00 トルコ中銀 政策金利 (現行 42.5%、予想 45.0%)
 20:30 週次 外貨準備高 1月19日時点 グロス (1月12日時点 919.9億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 1月19日時点 ネット (1月12日時点 295.0億ドル)
1月30日
 16:00 1月 経済信頼感指数 (12月 96.4)
1月31日
 16:00 12月 貿易収支 (11月 -59.2億ドル)
 16:00 10-12月 海外観光収入 (7−9月 202.3億ドル)
 17:00 12月 海外観光客数 前年同月比 (11月 -1.0%)



注:ポイント要約は編集部

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