トルコリラWeekly エルカン総裁が追加利上げに含みを残すと5.0円台も視野に(24/1/22)

先週のトルコリラは、米信用格付大手ムーディーズが、トルコのソブリン格付けに対する見通しを格上げ方向で見直す可能性があると発表したことから、底堅い動きが見られた。

トルコリラWeekly エルカン総裁が追加利上げに含みを残すと5.0円台も視野に(24/1/22)

エルカン総裁が追加利上げに含みを残すと5.0円台も視野に

【先週のトルコリラ】

先週のトルコリラは、米信用格付大手ムーディーズが、トルコのソブリン格付けに対する見通しを格上げ方向で見直す可能性があると発表したことから、底堅い動きが見られた。

1月12日、ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、トルコのソブリン格付け(長期発行体格付け)に対する見通し(アウトルック)を「安定的」から格上げ方向で見直す可能性がある「ポジティブ」に引き上げた。一方、格付はジャンク級の「B3」に据え置いた。

アウトルックの引き上げ理由について、ムーディーズは「インフレ率は短期的にさらに上昇する可能性が高いが、インフレの動向が変わり始めている兆候がある。これは、トルコ中銀の金融政策が信頼性と有効性を取り戻していることを示している」とし、インフレ抑制のための利上げサイクルへの転換を「伝統的な金融政策への回帰」と評価している。

また、ムーディーズは「金融引き締めは、トルコの大幅な対外不均衡の縮小やトルコ中銀の外貨準備の再構築の見通しを改善している」とした上で「どちらも外的ショックに対する国の脆弱性を軽減するだろう」とも指摘。
 
加えて、政策金利に関しては「金融政策の顕著な変更により、現在、非常に高いインフレ率をより持続可能な水準に引き下げる見通しが大幅に改善する」とした上で「23年6月以降、トルコ中銀は政策金利を42.5%まで34ポイント引き上げており、短期的にはさらに引き締める可能性がある」としている。

11日のエルカン・トルコ中銀総裁のプレゼンテーション後、対ドルで史上最安値を更新するなど厳しい推移となったトルコリラだが、この材料を受けて持ち直す格好に。明確な反発とまではいかないが、4.9円台で下げ渋る動きを見せた。

トルコ・円(東京時間:1月15日―1月19日)※Investing.comの日足を参照
始値:4.8184円
高値:4.9450円
安値:4.8091円
終値:4.9040円 

【今週の重要指標】※時間は東京時間

1月25日
16時00分、1月製造業景況感指数、前回:103.4
16時00分、1月設備稼働率、前回:77.5%
20時00分、トルコ中央銀行政策金利、前回:42.50%、市場予想:45.00%

※予定は変更することがございます。

【今週の見通し】

今週のトルコリラは、1月25日のトルコ中央銀行(トルコ中銀)の政策金利発表次第だが、明確な反発を見せる可能性がある。

米ムーディーズのポジティブなニュースで投資家のモメンタムが改善しつつあるなか、25日にトルコ中央銀行の政策金利発表を迎える。市場予想は政策金利を2.5%ポイント引き上げ45.0%とした後、金利引き上げの打ち止めを発表するとの見通しだ。

前回会合において、トルコ中銀は、インフレ率については、2024年5月に70−75%まで上昇するが、引き締めの効果で2024年末には36%程度に低下すると予想している。市場では24年後半から利下げに向かうと推測されているが、エルカン・トルコ中銀総裁がインフレ抑制のために、追加の利上げ余地を残した場合、市場はサプライズと受け止め、トルコリラが5.0円台を回復する可能性は十分あるだろう。

エルドアン大統領がどのように思っているのかわからないが、少なくても米ムーディーズは、エルカン・トルコ中銀総裁のここまでの手腕を評価していることから、エルカン・トルコ中銀総裁が思い切った発言をする可能性はありそうだ。

テクニカルでは、日足の一目均衡表で三役逆転が示現しているが、遅行スパンが実線をとらえる可能性もある。まだ雲下限に届くような水準ではないが、1月3日の史上最安値4.7396円をボトムにじりじりと下値を切り上げているように見えることから、反発への期待感はある。

切り下がっている50日移動平均線手前ではっきりとした陽線を残せていないことから、市場も疑心暗鬼といったところか。25日のトルコ中銀政策金利発表をきっかけに5.0円台を回復すれば、明確な反発に転じる可能性はろう。

エルカン総裁が追加利上げに含みを残すと5.0円台も視野に

トルコリラ円日足

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