トルコリラ円見通し 年初からの上昇トレンド維持だが4.93円に抵抗感(24/1/22)

1月19日は概ね4.93円から4.89円の取引レンジ、20日早朝の終値は4.90円で前日終値の4.91円からは0.01円の円高リラ安だった。

トルコリラ円見通し 年初からの上昇トレンド維持だが4.93円に抵抗感(24/1/22)

年初からの上昇トレンド維持だが4.93円に抵抗感

〇トルコ円、ドル円追いかけ昨年末から上昇期入り、ドル円の一段高を見て1/18未明4.93へ高値伸ばす
〇ドル高リラ安による圧迫感もあり一段高へ進めずも、4.90台序盤を中心とした揉み合いでしっかり
〇ドル円上昇が一巡し下落期に入る場合、再び史上最安値を試しに向かいかねない
〇1/23の日銀政策決定会合、1/25米GDP速報等によるドル円変動に要注意
〇1/25トルコ中銀の政策金利発表で積極的な追加利上げ姿勢みられない場合、リラ安が勢い付く可能性も
〇対ドル、1/19は概ね30.24から29.98の取引レンジ、終値ベースでは史上最安値を連日更新
〇トルコ中銀調査、2024年末見通しは1ドル=39.9958、暫くリラ安継続か
〇4.88を上回るうちは一段高余地ありとし、4.93超えからは4.95前後への上昇を想定
〇4.88割れからは下落期入りとして4.86前後への下落を想定

【概況】

トルコリラ円の1月19日は概ね4.93円から4.89円の取引レンジ、20日早朝の終値は4.90円で前日終値の4.91円からは0.01円の円高リラ安で、週間では1月12日終値4.81円から0.09円の円安リラ高だった。
ドル円は米国の3月利下げ開始期待度が低下する中で米長期債利回りの上昇を見て昨年末からの上昇を継続し、1月18日未明に148.52円へ上昇してから上げ渋っていたものの、1月19日午後には148.80円を付けて12月28日安値140.24円以降の高値を更新し、その後の148円割れも買われて148円台序盤を維持して週を終えた。
トルコリラ円はドル円の上昇を追いかけて12月29日安値4.70円を起点として上昇期に入り、ドル円の一段高を見て18日未明には4.93円へ高値を伸ばした。ドル高リラ安による圧迫感もあり19日午後にドル円が148.80円まで高値を伸ばしたところでは4.93円に留まって一段高へ進めなかったものの、その後も4.90円台序盤を中心とした揉み合いでしっかりした。

8月24日高値5.77円を起点として右肩下がりの展開が続いてきたが、12月29日安値で当面の底を付けて戻りを試している。ドル円の上昇が続くならば5円台回復へ向かう可能性も出てくると思われるが、ドル円の上昇が一巡して下落期に入る場合には円高とリラ安の両面から圧されて再び史上最安値を試しに向かいかねない。
今週は1月23日の日銀金融政策決定会合と植田総裁会見、1月25日の米GDP速報と1月26日の米12月PCE統計によりドル円が大きく動く可能性がある。1月25日にはトルコ中銀の政策金利発表があるが、インフレ抑制のための積極的な追加利上げ姿勢がみられないとリラ安がさらに勢い付く可能性もあると注意したい。

【ドル/トルコリラは終値ベースでの史上最安値を連日更新】

ドル/トルコリラの1月19日は概ね30.24リラから29.98リラの取引レンジ、20日早朝の終値は30.20リラで前日終値の30.11リラからは0.09リラのドル高リラ安だった。
昨年12月21日のトルコ中銀による2.5%追加利上げを不十分としてリラ安が勢いを増しているが、1月11日に30.34リラまで取引時間中の史上最安値を更新したその後は新たな取引時間中の最安値更新を回避しているものの、日足の終値ベースでは17日の30.09リラ、18日の30.11リラ、19日の30.20リラと史上最安値更新が続いた。週間では1月12日終値30.06リラから0.14リラのドル高リラ安で、週末終値ベースでは6週連続のドル高リラ安となった。

【トルコ中銀調査、2024年末見通しは1ドル=39.9958リラ】

1月19日にトルコ中銀が発表したビジネス・サーベイ(企業トップやエコノミストらへの調査)では、2024年末の為替レート予想中央値は1ドル39.9958リラ、CPI(消費者物価指数)の上昇率は年率42.04%、GDPは3.4%、政策金利の週間レポレートは3か月後で45.0%、1年後で36.54%とされた。
12月15日に発表された前回調査におけるCPIの上昇率は1年後で41.23%だったため今回は若干の上方修正だが、前回調査における政策金利予想は3か月後で43.76%、1年後で36.65%とされていたため今回調査では短期的には若干上方修正されたものの年後半には低下するとの見方が維持されている。

1月3日に発表された12月のCPIは前年比64.77%(11月は61.98%)、コアCPIは前年比70.6%(11月69.9%)であり、短期的にはまだ上昇するとしても2024年後半には鈍化してゆくとの見通しだが、実質マイナス金利状態が続いていることとリラ安の進行によりトルコ中銀は追加利上げにより週間レポレートを45%以上へ引き上げ、その後にインフレ鈍化を見定めながら利下げに入るというイメージだろう。
今回は初めて2024年末の為替レート予想が示されたわけだが、1ドル=40リラに迫ってゆくというのが企業トップやエコノミストのコンセンサスということになるのだろう。1月10日に大手金融機関のJPモルガンが2024年末見通しを従来の1ドル34リラから1ドル36リラへ下方修正したが、それ以上にリラ安は進行するとの見方であり、暫くはリラ安が続きそうだ。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、1月13日未明安値をサイクルボトムとして16日未明から18日朝にかけての間への上昇を想定していたが、1月18日夕刻に弱気転換目安とした4.89円を割り込んだため、19日午前時点では18日未明高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとし、ボトム形成期を18日の日中から20日未明にかけての間とした。
1月19日午後の上昇で18日未明高値と同値としたため、1月18日夕安値を割り込む場合はダブルトップ形成による下落期入りとするのを妥当とみて18日夕安値を直近のサイクルボトムとする。底割れ回避の打ちは1月22日深夜から25日未明にかけての間への上昇余地ありとし、18日夕安値割れからは弱気サイクル入りとして23日午後から25日夕にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では1月18日未明高値から一段高へ進めずに揉み合いとなっているため遅行スパンは実線と交錯し、先行スパンからも転落しつつある。1月18日未明高値超えからはダブルトップ破りの上昇期入りとみて遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、18日夕安値割れからはダブルトップ形成からの下落期入りとして遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は18日夕刻の40ポイント割れから戻した後はジリ安の推移で週末時点では50ポイントを割り込んでいる。次に60ポイントを超えるところからは上昇再開として70ポイント台を目指す上昇を想定するが、40ポイント割れからは下落期入りとして30ポイント以下への低下へ進むとみる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.88円を下値支持線、4.93円を上値抵抗線とする。
(2)4.88円を上回るうちは一段高余地ありとし、4.93円超えからは4.95円前後への上昇を想定する。4.95円以上は反落注意とするが、4.90円を上回っての推移なら23日も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)4.88円割れからは下落期入りとして4.86円前後への下落を想定する。4.86円以下は反騰注意とするが、4.88円を下回っての推移なら週明けも安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

1月23日
 16:00 1月 消費者信頼感指数 (12月 77.4)
1月25日
 16:00 1月 製造業信頼感指数 (12月 99.1)
 16:00 1月 設備稼働率 (12月 77.5%)
 20:00 トルコ中銀 政策金利 (現行 42.5%)
 20:30 週次 外貨準備高 1月19日時点 グロス (1月12日時点 919.9億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 1月19日時点 ネット (1月12日時点 295.0億ドル)
1月30日
 16:00 1月 経済信頼感指数 (12月 96.4)
1月31日
 16:00 12月 貿易収支 (11月 -59.2億ドル)
 16:00 10-12月 海外観光収入 (7−9月 202.3億ドル)
 17:00 12月 海外観光客数 前年同月比 (11月 -1.0%)


注:ポイント要約は編集部

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