南アランド週報:『来週は南アCPIと南ア中銀会合に注目。ハト派姿勢が示されれば反落の恐れも』(1/20朝)

南アランドの対円相場は昨年12/28に記録した安値7.55円をボトムに切り返すと、今週末にかけて、約1ヵ月ぶり高値となる7.85円まで持ち直しました

南アランド週報:『来週は南アCPIと南ア中銀会合に注目。ハト派姿勢が示されれば反落の恐れも』(1/20朝)

『来週は南アCPIと南ア中銀会合に注目。ハト派姿勢が示されれば反落の恐れも』

〇今週の南ア円、週央にかけて、週間安値7.72まで下落
〇米早期利下げ観測後退、金プラチナ価格の冴えない動き、南ア株軟調等が背景
〇売り一巡後は南ア指標の好調、ドル円での円安進行に7.85まで反発、終盤7.78前後に値を崩す
〇テクニカルには上方から一目均衡表の厚い「雲」垂れ下がり、上値余地乏しい
〇ファンダメンタルズも南ア経済・政局の先行き不透明感、中銀利下げ観測等が重石
〇引き続き、南アランド円相場の下落をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):7.60ー7.95

今週のレビュー(1/15−1/19)

今週の南アフリカランド円相場(ZARJPY)は、週初7.78円で寄り付いた後、(1)米FRBによる早期利下げ観測の後退(米金利上昇→米ドル買い→南アフリカから米国への資金流出圧力)や、(2)金・プラチナ価格の冴えない動き(南アフリカの交易条件悪化懸念)、(3)南ア株の軟調推移、(4)中東情勢を巡る地政学的リスク(イエメンの武装組織フーシ派による対艦弾道ミサイルが米国の所有するコンテナ船に直撃)、(5)中国第4四半期GDP(結果+5.2%、予想+5.3%)の市場予想を下回る結果が重石となり、週央にかけて、週間安値7.72円まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(6)南ア11月小売売上高(結果▲0.9%、予想▲1.1%)の市場予想を上回る結果や、(7)南ア11月鉱業生産(結果6.8%、予想3.0%)の市場予想を上回る結果、(8)ドル円相場の堅調推移(ドル円上昇→南アランド円連れ高)が支援材料となり、週末にかけて、週間高値7.85円まで反発しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、引けにかけて反落し、本稿執筆時点(日本時間1/20午前2時15分現在)では、7.78円前後まで値を崩す動きとなっております。

来週の見通し(1/22−1/26)

南アランドの対円相場は昨年12/28に記録した安値7.55円をボトムに切り返すと、今週末にかけて、約1ヵ月ぶり高値となる7.85円まで持ち直しましたが、アップサイドより一目均衡表の分厚い雲が垂れ下がってきていることや、対ドル相場が約3カ月ぶり安値圏で推移していること(対円相場の上昇は円安の影響が主因であり、決して南アランドが買われているわけでは無い点に留意が必要)などを踏まえると、テクニカル的に見て、上値余地は乏しい(一巡後の反落リスクに要警戒)と判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)南ア経済の先行き不透明感(国営電力会社エスコムによる計画停電が南ア経済にとっての構造的な下押し要因)や、(2)南ア中銀による早期利下げ観測、(3)南アフリカの政局不透明感(今年開催予定の南ア総選挙で下院が過半数割れする潜在リスク)、(4)南アフリカの主要産品である金・プラチナ価格の冴えない動き(米金利上昇→金・プラチナ価格下落→南アフリカの交易条件悪化)など、南アランド円相場の下落を連想させる材料が増えつつあります。

こうした中、来週は上記2を見極める目的で1/24に予定されている南ア12月消費者物価指数(CPI)や、1/25に予定されている南ア中銀金融政策決定会合(SARB)に注目が集まります。前回11月分のCPIは前年比+5.5%と前月から大幅に鈍化し、SARBが目標として掲げる3ー6%のインフレターゲットレンジに6ヵ月連続で収まりました。来週予定されている12月分のCPIが市場予想を下回る場合には、翌日に発表されるSARBにて、利下げの地均し(クガニャゴ総裁より「インフレの上振れリスクが減退しつつある」などインフレ警戒トーンを和らげるハト派的なコメント発信)が行われる可能性もあるため、当方では引き続き、南アランド円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします。

来週の予想レンジ(ZARJPY):7.60ー7.95

注:ポイント要約は編集部

『来週は南アCPIと南ア中銀会合に注目。ハト派姿勢が示されれば反落の恐れも』

南アランド円日足

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