トルコリラ円見通し ドル円の続伸を追い一段高、連騰後の修正安にも注意(24/1/18)

トルコリラ円の1月17日は概ね4.93円から4.88円の取引レンジ、18日早朝の終値は4.91円で前日終値の4.88円からは0.03円の円安リラ高だった。

トルコリラ円見通し ドル円の続伸を追い一段高、連騰後の修正安にも注意(24/1/18)

ドル円の続伸を追い一段高、連騰後の修正安にも注意

〇トルコ円、ドル円追いかけ昨年12/29安値起点に上昇期入り、1/18未明に4.93を付けこの間の高値更新
〇日米金利差の再拡大でドル円が149円台を目指す場合、トルコ円も5円台回復へ向かう可能性あり
〇ドル円が上昇一巡で下落に転じ始める場合、トルコ円は史上最安値更新への再挑戦へ進む可能性も
〇対ドル、1/17は概ね30.14から29.91の取引レンジ、終値ベースで史上最安値更新
〇4.89を上回るうちは一段高余地ありとし、4.93超えからは4.95前後への上昇を想定
〇4.89割れからは下落期入りと仮定して4.86前後への下落を想定

【概況】

トルコリラ円の1月17日は概ね4.93円から4.88円の取引レンジ、18日早朝の終値は4.91円で前日終値の4.88円からは0.03円の円安リラ高だった。
昨年末からドル円の上昇を追いかけているが、ドル円は米国の3月利下げ開始期待度が低下し、米長期債利回りの上昇が続いて為替市場全般がドル高となる中、日銀のマイナス金利解除が先送りされるとの見通しも重なり昨年12月28日安値140.24円を起点とした上昇を継続し、1月16日のウォラーFRB理事による利下げを急がないと強調した発言により17日未明に147円台へ到達し、17日の米小売売上高等の経済指標が総じて予想を上回る堅調さを示したことで18日未明には148.52円まで高値を伸ばした。

トルコリラ円もドル円を追いかけて12月29日安値4.70円を起点として上昇期に入り、1月5日夜に4.89円を付けた後は1月11日午前と11日夜の上昇時には4.88円に留まって1月5日夜高値とダブルトップ型を形成して反落したが、16日未明に4.87円まで戻したことによりダブルトップ型から三角持ち合い型へと様相を変え、1月17日未明にドル円が147円台へ乗せたところで4.92円を付けて三角持ち合いから上放れした。1月17日も小反落を買われて確りし、18日未明には4.93円を付けてこの間の高値を更新した。

【ドル/トルコリラは終値ベースで史上最安値更新】

ドル/トルコリラの1月17日は概ね30.14リラから29.91リラの取引レンジ、18日早朝の終値は30.09リラで前日終値の30.02リラからは0.07リラのドル高リラ安だった。
昨年8月24日のトルコ中銀による7.5%利上げをきっかけとした一時的なドル売りリラ買いで付けた高値25.02リラを起点としてドル高リラ安の再開に入り、9月22日に史上最安値を更新してから連日のように最安値更新を繰り返してきた。
12月21日のトルコ中銀による2.5%追加利上げを不十分としてリラ安が勢いを増し、1月11日は1ドル30.01リラを付けて初めて30リラ台に到達し、1月12日に30.34リラまで取引時間中の史上最安値を更新した後は最安値更新を回避しているものの、日足の終値としては1月12日の30.06リラ、1月15日の30.07リラに続き17日の30.09リラへと史上最安値を更新している。

【円安がどこまで継続するか】

トルコリラ円としてはドル高リラ安の進行がやまないことに上値を抑えられているため、ドル円の上昇を追いかけつつも他のクロス円のような勢いを示せずにいるところだが、1月15日から17日にかけての3連騰で高値を伸ばしてきたこで5円台回復への期待も高まりつつある。
米国の早期利下げ期待が後退していることと、日銀のマイナス金利解除が先延ばしされるとの見方がドル高円安の背景であり、米国の利下げ開始が6月会合辺りとなる場合はドル高がまだしばらく続く可能性があり、米長期債利回りの反騰による日米金利差の再拡大でドル円が149円台を目指して行く可能性もあり、その際にはトルコリラ円も5円台回復へ向かう可能性があると思われる。

しかし、昨年12月の米FOMCが2024年3回利下げ想定を示した状況は変わらず、利下げ時期が前後しても米国が利下げ期に入るとすれば、年末からのドル円の反騰にも自ずと限界が来るという見方もできる。ドル円が上昇一巡で下落に転じ始める場合には、ドル/トルコリラにおけるリラ安の終息が見えない状況にあるため、円高とリラ安の両面からトルコリラ円への売り圧力が高まり、史上最安値更新への再挑戦へ進む可能性も出てくると注意したい。特に3連騰後は修正安も入りやすいところだ。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、1月15日夜に強気転換目安とした4.84円を超えて16日未明へ続伸したため、16日午前時点では13日未明安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとし、トップ形成期を16日未明から18日朝にかけての間とした。
1月18日未明へ一段高したところからやや下げているためすでにサイクルトップを付けた可能性があると注意し、4.89円以上を維持するうちは一段高余地ありとするが、4.89円割れからは弱気サイクル入りとして18日の日中から20日未明への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では1月15日夕刻に遅行スパンが好転して先行スパンも上抜き、その後も両スパンそろっての好転を維持しているので遅行スパン好転中は高値試し優先とするが、高値更新へ進めないと遅行スパンは悪化しやすくなると注意し、遅行スパン悪化からは安値試し優先とする。その際は先行スパンからの転落を回避して遅行スパンが好転すれば年末以降の上昇継続とするが、先行スパンから転落する場合はその後の下落期が長引く可能性が高まると注意する。

60分足の相対力指数は1月17日未明から18日未明への一段高に際して指数のピークが切り下がる弱気逆行がみられるため65ポイント超えからは上昇継続とするが、50ポイント割れから続落の場合は下落期入りとして30ポイント前後への低下を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.89円を下値支持線、4.93円を上値抵抗線とする。
(2)4.89円を上回るうちは一段高余地ありとし、4.93円超えからは4.95円前後への上昇を想定する。4.95円以上は反落注意とするが、4.89円を上回っての推移なら19日も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)4.89円割れからは下落期入りと仮定して4.86円前後への下落を想定する。4.86円以下は反騰注意とするが、4.89円を下回っての推移なら19日も安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

1月18日
 20:30 週次 外貨準備高 1月12日時点 グロス (1月5日時点 919.7億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 1月12日時点 ネット (1月5日時点 322.6億ドル)
1月19日
 23:30 12月 中央政府債務残高 (11月 6兆5730億リラ)
1月23日
 16:00 1月 消費者信頼感指数 (12月 77.4)
1月25日
 16:00 1月 製造業信頼感指数 (12月 99.1)
 16:00 1月 設備稼働率 (12月 77.5%)
 20:00 トルコ中銀 政策金利 (現行 42.5%)


注:ポイント要約は編集部

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