今週ももみあいで動きは期待できず
〇先週のユーロドル、週間レンジはわずか89pips、2022年12月以来の狭い値幅に留まる
〇能登半島地震後のドル円の動きがクロス円に与える影響が続き、ユーロドルの方向性は出にくい
〇今週も週を通して100pips程度のレンジ相場になる可能性が高い
〇ドル円の上値が重たくなってきたことから、ユーロ円も目先の高値を見て調整局面入りか
〇今週は1.0900レベルをサポートに、1.1000レベルをレジスタンスとする流れを見る
今週の週間見通しと予想レンジ
先週のユーロドルは1日のレンジが49〜70pipsとなり週間レンジもわずか89pipsと2022年12月以来の狭い値幅に留まりました。年初以降、ドル円での動きが大きく、それに引っ張られてユーロ円も動くため、ユーロドルのドルとしての動きが相殺されるため、方向感がはっきりしない流れが続いています。
それでも先週の米国CPIとPPIの結果後の動きを見てもわかる通り、本流は緩和への転換がテーマになり続けるであろうことから、ECBもいつから利下げが始まり、年内どの程度の下げ幅となるのかの思惑が本来であればユーロでもメインテーマであるのですが、年始の能登半島地震後のドル円の動きがクロス円に与える影響が続いている状況下では、なかなかユーロドルの方向性は出て来ないということになります。
実際に先週のレンジは1月第1週のレンジ内かつ、半分程度の値幅になってしまっていますので、新たな材料待ちという状況に陥ってしまっています。
今週はラガルドECB総裁をはじめECB関係者の発言が予定されていますが、経済指標は改定値であったり重要度が低いものであったりと、あまり材料視されそうもありませんので、発言内容が想定内のものとなると今週もあまり動きは期待できないでしょう。
ECB理事会は25日、FOMCは31日とECB理事会でも来週木曜と10日あることを考えると、仮に今週ECB関係者の発言が多少タカ派、ハト派のどちらかに振れたとしても、3月以降のECB理事会で利下げに動くことが確実視されている以上方向性が出るとも思えません。今週も週を通して100pips程度のレンジ相場になる可能性が高いと見ています。
テクニカルには日足チャートをご覧ください。
サポートラインは11月安値からの上昇トレンドを継続していて、米国雇用統計時の安値(ドル高値)もサポートライン上で下げ止まっていることは先週も見た通りです。ただ今週はこのサポートラインも1.0930レベルまで上がってきますので、このサポートで下げ止まると考えるよりは雇用統計後の安値、あるいは1.0900レベルを考えた方が妥当でしょう。
いっぽうでレジスタンスはこのサポートと平行に引いたレジスタンスを考えることが出来ますが、こちらは1.10台半ばにあり、距離が離れすぎている感があります。1.10の大台が12月高値と雇用統計後安値との半値戻しとも重なり、大台をレジスタンスと見てよさそうです。
今週は1.0900レベルをサポートに、1.1000レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。
今週のコラム
今週もユーロ円の日足チャートを見ておきましょう。
ドル円の底堅さから一時160円の大台超えを見たユーロ円ですが、ドル円もようやく上値が重たくなってきたこともあって、ユーロ円も目先の高値を見て調整局面入りになってきたと言えます。
調整の目途としては年初来安値と高値の38.2%押しが158.22となっていますので、今週は同水準をサポート兼ターゲットにやや上値が重たい週になってくるのではないでしょうか。もし同水準をあっさりと下抜けるような動きになった場合は、半値押し157.62が次のサポートです。
今週の予定
今週注目される経済指標と予定はドル円週報に示してあるものと共通です。ドル円週報の「今週の予定」をご参照下さい。なお、その中でユーロの値動きに特に影響が出ると考えられる予定は以下のものです。重要な予定として注意しておきましょう。特に重要度の高いイベントに☆印を付けました。
1月15日(月)
19:00 ユーロ圏11月鉱工業生産、貿易収支
23:15 オーストリア中銀総裁講演 ☆
1月16日(火)
16:00 ドイツ12月CPI
16:00 英国12月失業率
16:15 フランス中銀総裁講演 ☆
19:00 ドイツ1月ZEW景況感
19:00 ユーロ圏1月ZEW景況感
1月17日(水)
16:00 英国12月CPI
19:00 ユーロ圏12月CPI
21:15 オランダ中銀総裁講演 ☆
24:15 ラガルドECB総裁講演 ☆
1月18日(木)
09:01 英国12月住宅価格
19:00 ユーロ圏11月建設支出
24:15 ラガルドECB総裁講演
1月19日(金)
16:00 ドイツ12月PPI
16:00 英国12月小売売上高
前週のユーロレンジ
(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。
為替の高値・安値は東京午前9時ーNY午後5時のインターバンクレート。
先週の概況
1月8日(月)
週明けの月曜は東京市場が休場、ユーロドルはNY市場までは1.09台半ばでの小動き、NY市場に入り1.0979レベルまで上昇後に、やや押して引けとなりました。
1月9日(火)
ユーロドルはドル円と同方向で一日を振り返るとユーロ売り・ドル買いの動きでした。しかし、終日レンジは56pipsと狭く、前週からの動意に乏しい状況に変化は出ませんでした。
1月10日(水)
ユーロドルはドル円とともにユーロ円も大幅に上昇し、159.95レベルの高値をつけた動きの影響が強く1.0973レベルまで上昇し高値引けとなりました。ユーロドルの値幅が50pipsに留まるいっぽうで、ユーロ円は安値から2円を超える上昇を演じました。
1月11日(木)
ユーロドルはNY市場までは小動き、CPI後にユーロ売り、その後買い戻しという展開でした。FRB関係者の発言としては、ハト派、タカ派双方の発言がありましたが、それほど大きな影響は見られず、市場参加者の利下げ思惑には変化が無いままでした。
1月12日(金)
ユーロドルは1.09台後半でNY市場まではほとんど動きが見られませんでした。NY市場に入りもみあいを下抜けし売りが先行したものの、弱いPPIによるドル売りの動きで買い戻される動きに。それでもユーロドルは終日のレンジが51pipsと最近は50pips前後の小動きで終わることが増えています。
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