NY休場もあり、基本は小動き見込み
〇本日のドル円、144.85-145.30といった50ポイントにとどかないレンジ取引に終始
〇月末の米FOMCなどをにらみつつ、短期的には143.43-146.41の約3円レンジで方向性見極める動きか
〇テクニカルには一目均衡表先行帯の雲が急下降中。日足が「雲」を超えていくことが出来るのか注視
〇ドル高円安方向は東京高値も含めた145円半ばが最初の抵抗か。抜ければ146円乗せ意識
〇ドル安円高方向、東京安値144.85-90巡る攻防に注目。割り込んでも底堅く大きく崩れるイメージ乏しい
〇欧米時間のドル円予想レンジは144.90-145.90
<< 東京市場の動き >>
週明け東京市場は一進一退。NYの休場が影響したのか、積極的な動意は乏しく明確な方向性もうかがえなかった。
週末は、台湾で総統選が実施され、中国の統一圧力に屈しない姿勢を示す与党、民主進歩党の頼清徳副総統が勝利を収めた。一方、14日午後には北朝鮮が再び日本海へ弾道ミサイルを発射しており物議を醸していたようだ。
そうした状況下、ドル/円は144.90円レベルで寄り付いたものの、積極的な動意に欠ける。144.85-145.30円といった50ポイントにとどかないレンジ取引に終始した。ちなみに、日経平均株価は本日も大幅に続伸。クローズベースで6営業日連続の上昇となったが、為替市場の反応はいまひとつだった。16時現在では145.20-25円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「台湾情勢」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、前述したように週末に実施された台湾で総統選が実施され、与党・民主進歩党の頼清徳副総統が勝利。現在の蔡総統路線の継続が確実となり、日本や米国、英国など西側諸国を中心とした祝意が相次いでいた。しかし、中国はそれらにことごとく反発。中国外務省からは「台湾が中国の一部という事実は変わらない」といった声明まで発表されている。なお、総統選で勝利した頼副総統は早くも、台北市の民進党本部で日本の対台湾窓口機関、日本台湾交流協会の大橋会長と会談したと伝えられるほか、米下院議長は「5月の頼氏の総統就任後に議員団を台湾に派遣する」との考えを明らかにしていた。
対して後者は、14日午後には北朝鮮が再び日本海へ弾道ミサイルを発射。そののち、日本の排他的経済水域(EEZ)の外側に落下したとする政府からの発表が確認されるなか、朝鮮中央通信は「北朝鮮が極超音速中長距離弾道ミサイルを14日に試射し、成功させた」と報じていた。一方、それとは別にラブロフ外相の招待を受け、15-17日の日程で崔外相がロシアを訪問すると一部で伝えられている。北朝鮮とロシアの関係強化をさらに進める具体策などが話し合われる見通しだという。
<< 欧米市場の見通し >>
先週末のドル/円は、前11日に示現した高値146.41円を超えられず。そして本日も145円挟みの展開でドルの上値は重そうだ。基本的な流れは引き続きドル高方向にバイアスが掛かるものの、先の146.41円で目先の高値を付けた感もある。月末の米FOMCなど次の材料をにらみつつ、短期的には143.43-146.41円という約3円レンジか。しばらくは方向性を見極める動きをたどりそうだ。
日米などの金利情勢が依然として注目材料ながら、1月の日銀修正観測は後退している。対して米国は、先週発表された消費者物価と生産者物価が対照的な結果となり、好悪は混在しているものの、「早期利下げ期待」は以前ほど強くない印象だ。やはり、日米金利差という観点から言えば、引き続きドルが買われやすいか。一方、19日に一部予算が期限切れを迎えることで、米政府機関の閉鎖などが懸念されていたが、回避するつなぎ予算案が公表され、閉鎖の可能性は後退した。こちらも、敢えて言えばドル買い安心感を与えることになる。
テクニカルに見た場合、ドル/円相場は短期的な高値と安値をともに付けた感がある。すなわち143.43円と146.41円で、しばらくは両者に挟まれた約3円のレンジ取引か。
しかし、興味深いのは一目均衡表で、現在先行帯の雲が急下降中。そして今後さらに低下する見込みだ。取り敢えず上限が146円台、下限は145円台への低下が予想されている。一連の動きのなかで日足が「雲」を超えていくことが出来るのか注視しておきたい。
本日は「キング牧師生誕記念日」でNYが休場なることもあり、米経済指標の発表は予定されておらず、米企業の決算発表も小休止だ。ただ、19日までの日程でいわゆる「ダボス会議」が始まる予定。民間を含めた各国要人の参加が予定されるだけに、発言には一応要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは144.90-145.90円。ドル高・円安方向は東京高値も含めた145円半ばが最初の抵抗か。抜ければ146円乗せが意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、東京安値144.85-90円をめぐる攻防に注目。ただ割り込んでも底堅そうで、大きく崩れるイメージは乏しい。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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