『底堅い動きが継続するも上値余地は限定的か。来週は中国の経済指標に注目』
〇今週の南ア円、製造業PMI等南ア指標の好調に、週後半にかけ週間高値7.85まで上昇
〇買い一巡後は米金利上昇や金・プラチナ価格の不冴えに7.77まで値を崩す
〇テクニカルには上方から一目均衡表の厚い「雲」垂れ下がり、上値余地乏しいか
〇ファンダメンタルズも南ア経済・政局の先行き不透明感、金・プラチナ価格の下落等が重石
〇引き続き、南アランド円相場の下落をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):7.65ー7.90
今週のレビュー(1/8−1/12)
今週の南アフリカランド円相場(ZARJPY)は、週初7.74円で寄り付いた後、早々に週間安値7.67円まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(1)南ア12月製造業PMI(結果50.9、前回48.2)の力強い結果(好不況の分岐点となる50を回復)や、(2)南ア12月Naamsa自動車販売(結果▲3.3%、前回▲9.8%)の前月比改善、(3)南ア11月製造業生産(結果+1.9%、予想+1.5%)の市場予想を上回る結果が支援材料となり、週後半にかけて、週間高値7.85円まで上昇しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、(4)米12月消費者物価指数および同コア指数の市場予想を上回る結果や、(5)上記4を背景とした米FRBによる早期利下げ観測の後退(南アフリカから米国への資金流出懸念再燃)、(6)金・プラチナ価格の冴えない動き(南アフリカの交易条件悪化懸念)が重石となり、本稿執筆時点(日本時間1/13午前2時00分現在)では、7.77円前後まで値を崩す動きとなっております。
来週の見通し(1/15−1/19)
南アランドの対円相場は昨年12/28に記録した安値7.55円をボトムに反発に転じると、今週後半にかけて一時7.85円まで上昇しました。但し、アップサイドより一目均衡表の分厚い雲が垂れ下がってきていることを踏まえると、テクニカル的に見て、上値余地は乏しい(一巡後の反落リスクに要警戒)と判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)南ア経済の先行き不透明感(今週発表された南ア経済指標は軒並み良好な結果となったが、市場では依然として南ア経済のリセッション懸念が残存。国営電力会社エスコムによる計画停電も南ア経済の下押し要因)や、(2)南ア中銀の早期利下げ観測(南ア中銀が本年3月に予定されている会合で利下げに踏み切るとの思惑)、(3)南アフリカの政局不透明感(今年前半に予定されている南ア総選挙での下院・過半数割れリスク)、(4)金・プラチナ価格の下落基調継続(金・プラチナ共に約1カ月ぶり安値圏へと急落中→南アフリカの交易条件悪化懸念)など、南アランド円相場の下落を連想させる材料が増えつつあります。
来週1/16に予定されている中国の主要経済指標(中国第4四半期GDP、中国12月小売売上高、中国12月固定資産投資、中国12月鉱工業生産)が市場予想を下回る場合には、「中国経済の先行き不安再燃→中国と経済的な結び付きの強い南ア経済の先行き不安台頭」の経路で、南アランドに強い下押し圧力が加わる恐れも出てくるため、当方では引き続き、南アランド円相場の一巡後の下落をメインシナリオとして予想いたします。尚、来週は上記以外にも、1/17に予定されている南ア11月小売売上高にも注目が集まりそうです。
来週の予想レンジ(ZARJPY):7.65ー7.90
注:ポイント要約は編集部
南アフリカランド円日足
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