円の動向次第だが、7.6円水準が下値メドか
【年末年始の南アフリカ・ランド】
年末年始のランドは、年末に昨年8月以来の水準まで下落する場面は見られたが、1月1日の能登半島地震を受けて円が全面安となったことから持ち直す展開となった。
12月スタンダード銀行PMIが49.0と、好不況の分岐点である50を割り込んだことなどからランドは下落。一時、12月7日安値や10月安値を下回ったことから、下値模索が警戒される状況となった。
ただ、1月1日の能登半島地震発生を受けて、1月の日銀金融政策決定会合での「金融政策の正常化」実施の可能性が後退。「円キャリートレード」が意識されて円が主要通貨に対して全面安の展開となったことから、ランドも買戻しが入り7.7円台を回復した。
ランド・円(東京時間:12月25日―1月5日)※Investing.comの日足を参照
始値:7.7208円
高値:7.7668円
安値:7.5595円
終値:7.7377円
【今週の重要指標】※時間は東京時間
1月11日
20時00分、11月製造業生産指数(前月比)、前回:−0.2%、市場予想:0.7%
20時00分、11月製造業生産指数(前年比)、前回: 2.1%、市場予想:1.5%
1月12日
17時00分、1月ブルームバーグ経済調査
※予定は変更することがございます。
【今週の見通し】
今週のランドは、方向感に乏しいなか、年始以降の円安推移が下支えとなるか注目だ。今週の経済指標の発表が少ないことから、南アフリカ経済の見通しを材料視した売買よりも円を中心とした相場展開を想定する。
先週末のドルは強い米雇用統計などを受けて、146円台手前まで買われた後、米供給管理協会(ISM)の非製造業総合景況指数でサービス業の減速が示されると143円台まで下落するなど荒い値動きとなった。
11日には重要な経済指標である米消費者物価指数が発表されることから、ドル・円の動向には注意したい。足元、円全面安は一服していることから、ドル売り・円買いの流れが強まれば、材料に乏しいランドは連れ安となろう。
テクニカルでは、日足の一目均衡表の雲下限手前で失速しており、三役逆転が継続。トレンドは引き続き弱い状況と言えよう。今後は、50日移動平均線(MA)が上値抵抗ラインとして意識されるそうだが、一目均衡表の雲下限はじりじりと下落する。円全面安が継続し7.8円台まで戻せば、自然体で雲に突入する可能性はある。
また、年末の下落も短いながらも下影(下ヒゲ)を残したほか、10月、12月の安値とほぼ同じ水準で下げ止まったことから、7.5円水準が下値支持ラインとして意識されよう。明確に反発基調が強まる展開とは言えないことから方向感には乏しいものの、2−3週間の調整後、反発となる可能性はある。7.6円前後で拾うイメージを想定、我慢のしどころか。
南アランド円日足
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