売買材料難だが、豪ドルとの比較では上値軽いか?
【年末年始のNZドル】
年末年始のNZドルは、豪ドル同様、USドル・円に引っ張られた格好となったが、12月6日の戻り高値に迫るなど、豪ドルとの比較ではやや強い動きを見せた。
年末年始の休暇入りで参加者が少ないことも影響して、NZドルは材料難からUSドル・円に連動した推移となった。年末は、米10年債利回りが低下し日米金利差が縮小したことからUSドル売り・円買いの流れが強まり、NZドルも89 円台を割り込む場面が見られた。
ただ、1月1日の能登半島地震発生を受けて、1月の日銀金融政策決定会合での「金融政策の正常化」実施の可能性が後退。「円キャリートレード」再活発化への思惑から円が主要通貨に対して全面安となったことで、NZドルは買い戻される展開に。12月20日と27日の戻り高値90円40銭水準を上回る動きを見せた。
NZドル・円(東京時間:12月25日―1月5日)※Investing.comの日足を参照
始値:89.62円
高値:90.71円
安値:88.62円
終値:90.23円
【今週の重要指標】※時間は東京時間
1月11日
6時45分、11月住宅建設許可(前月比)、前回:8.7%
※予定は変更することがございます。
【今週の見通し】
今週のNZドルも目立った経済指標の発表が予定されていないことから、円の動向次第の展開となりそうだ。
オーストラリアの11月消費者物価指数(CPI)は1月10日、米国は11日だが、ニュージーランドは単月のCPI発表は行っておらず、10−12月期CPIが24日に発表される。ちなみにオーストラリアは単月と四半期両方行っており、31日に10−12月期CPIが発表される。
そして、2024年一回目のニュージーランド準備銀行(NZ中銀)が開催する金融政策理事会(現在、5.5%と約15年ぶりの高水準)は、2月28日と日米欧の主だった中銀会合のスケジュールでは最も遅い。
つまり、「円キャリートレードの再燃」を見極めてから、日米欧の中銀の政策金利の方向性とニュージーランドの10−12月期CPI、隣国オーストラリアの10―12月期CPIを見極めてから、2月末のNZ中銀の金利動向を占う、という段取りとなる。
この間、NZドルは、よほどの経済指標の振れが無い限り、豪ドル、そして、USドルにほぼ連動した展開となろう。
ただ、テクニカル面では、豪ドルと異なり、12月下旬の戻り高値を上回っていることから、豪ドルと比べると上値は多少軽いと考える。目立ったニュージーランドの買い材料が無かったとしても、「円キャリートレード再燃」という思惑だけで、12月戻り高値91円50銭水準を上抜く可能性はあろう。
ちなみに、長い月足チャートで豪ドルと見比べても、2022年9月高値水準で上値が重くなった豪ドルよりも、2015年4月以来の水準まで上昇しているNZドルの方が長期トレンドでも分があると考える。
NZドル円日足
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