トルコリラ円見通し ドル円の上昇で1月5日夜高値に迫る、ダブルトップ気配も(24/01/11)

トルコリラ円の1月10日は概ね4.88円から4.80円の取引レンジ、11日早朝の終値は4.86円で前日終値の4.82円からは0.04円の円安リラ高だった。

トルコリラ円見通し ドル円の上昇で1月5日夜高値に迫る、ダブルトップ気配も(24/01/11)

ドル円の上昇で1月5日夜高値に迫る、ダブルトップ気配も

〇トルコ円、ドル円再上昇を受け 1/11未明に4.88まで高値伸ばす、11日午前序盤は4.85割れまで反落
〇ドル高リラ安継続がトルコ円を圧迫するも、目先はドル円騰落率が勝りドル円追いかける展開
〇今夜の米CPI通過で円の独歩安継続か、円高再開か、試される
〇ドル円トルコ円とも1/5夜高値に迫り、ダブル天井形成して戻り一巡か一段高へ進むか重要な局面
〇対ドル、1/10は概ね29.97から29.76の取引レンジ、取引時間中の史上最安値を3日連続更新
〇1/10発表のトルコ11月鉱工業生産は低調、失業率悪化
〇4.83を上回るうちは一段高余地ありとし、4.89超えからは4.90、4.92を順次試す上昇を想定
〇4.83割れからは下落期入りとみて4.81、4.79を順次試す下落を想定

【概況】

トルコリラ円の1月10日は概ね4.88円から4.80円の取引レンジ、11日早朝の終値は4.86円で前日終値の4.82円からは0.04円の円安リラ高だった。
8月24日高値5.77円を起点として右肩下がりの展開を続けて12月29日には4.70円まで史上最安値を更新してきたが、年明けからはドル円の反騰を見て切り返しに入り、1月5日夜の米雇用統計発表後にドル円が一段高した局面で4.89円まで高値を伸ばした。ドル円の反落により9日午前には4.79円まで下げたものの、ドル円が再上昇に入り1月11日未明にかけての上昇で1月5日夜高値に迫ったことでトルコリラ円も1月11日未明には4.88円まで高値を伸ばして1月5日夜高値に迫った。
1月11日午前序盤は1月5日高値超えへ進むには時期尚早として4.85円割れまで反落しており、上昇一服による足場固めの様相だ。

【今夜の米CPI通過で円の独歩安継続か、円高再開か、試される】

1月10日はドルがユーロやポンドに対して下落する一方で、クロス円全般が大幅上昇しており、円の独歩安の様相も強まっている。1月1日の能登半島大地震の影響で日銀の金融緩和が続くとの見方が強まったが、今週も東京CPI低下や全世帯消費支出及び勤労統計での現金給与の伸びが悪化していることで日銀のマイナス金利解除が遠のいているとの見方が円安を助長している。
トルコリラ円はドル高リラ安の継続で1ドル30リラに迫っていることが大きな圧迫要因ではあるが、目先の動きとしてはドル円の騰落率が勝っているためにドル円の後を追いかける展開となっている。今夜の米12月CPIの内容次第ではドル円の一段高も反落もあり得るところのため、トルコリラ円も上下に大きく振れる可能性のあるところと注意する。
ドル円もトルコリラ円も1月5日夜高値に迫ったが、ここでダブル天井を形成して戻り一巡とするのか、ダブル天井破りで一段高へ進むのか、重要な局面だ。

【ドル/トルコリラは取引時間中の史上最安値を3日連続で更新】

ドル/トルコリラの1月10日は概ね29.97リラから29.76リラの取引レンジ、11日早朝の終値は29.95リラで前日終値の29.87リラからは0.08リラのドル高リラ安だった。
終値ベースでは1月8日まで9営業日連続で史上最安値を更新し、9日はわずかにマイナスだったものの10日は再び最安値更新とした。取引時間中の史上最安値は8日安値29.92リラから9日安値29.95リラへ更新し、10日も29.97リラへ更新して1ドル30リラに迫ったが、30リラ手前での利益確定によるドル売りリラ買いも見られて1月11日午前は一時29.62リラまで下げてから29.85リラ近辺で推移している。

【トルコ鉱工業生産は低調】

1月10日夕刻に発表されたトルコの11月鉱工業生産は前月比1.4%低下となり10月の0.4%低下から悪化し、前年同月比は0.2%増で10月の1.3%増から伸びが鈍化した。前年同月比は昨年7月の7.6%増をピークとして低下傾向にあり、前月比は昨年7月から5か月連続でマイナスとなっている。
11月の失業率は9.0%で10月の8.6%から悪化した。2022年12月の10.2%から改善傾向で推移してきたが、5か月振りの悪化であり、トルコ経済の低調さを再認識させた。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、1月5日夜へ一段高した後の急落から9日未明へ安値を切り下げたために5日夜高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとし、ボトム形成期を9日未明から11日午前にかけての間としていたが、9日午前安値から10日未明へ反騰したために10日午前時点では9日午前安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとし、トップ形成期は10日未明から12日夜にかけての間とした。
1月11日未明へ続伸してから反落しているため1月5日夜高値とダブルトップを形成した可能性がある。4.83円を上回るうちは11日の日中から12日夜にかけての間への上昇余地ありとするが、4.83円割れからは弱気サイクル入りとして12日午前から16日午前にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では1月10日午前に遅行スパンが好転して夜には先行スパンを上抜いたが、その後も両スパンそろっての好転を維持しているので遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、ダブルトップ形成に終わる可能性もあると注意し、遅行スパン悪化からは下落期入りとみて安値試し優先とし、先行スパンから転落する場合は下げ足が速まる可能性があると注意する。

60分足の相対力指数は1月11日朝に80ポイントに迫ったもののその後に反落しているので50ポイントを一時的に割り込んでも切り返すうちは上昇余地ありとするが、相場が高値を更新する際に指数のピークが切り下がる弱気逆行がみられる場合は反落警戒とし、50ポイント割れから続落に入る場合は下落期入りとして30ポイント以下への低下を伴う下落を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.83円を下値支持線、4.89円を上値抵抗線とする。
(2)4.83円を上回るうちは一段高余地ありとし、4.89円超えからは4.90円、4.92円を順次試す上昇を想定する。4.90円以上は反落警戒圏とみるが、4.86円以上での推移か直前高値から0.05円を超える反落が発生しないうちは12日も高値試しへ向かう可能性があるとみる。
(3)4.83円割れからは下落期入りとみて4.81円、4.79円を順次試す下落を想定する。4.80円以下は買われやすいとみるが、4.83円を下回るか直前安値から0.05円を超える反騰がみられないうちは12日も安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

1月11日
 20:30 週次 外貨準備高 1月5日時点 グロス (12月29日時点 928.3億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 1月5日時点 ネット (12月29日時点 349.5億ドル)
1月12日
 16:00 11月 経常収支 (10月 1.86億ドル、予想 -17.0億ドル)
 16:00 11月 小売売上高 前月比 (10月 2.0%)
 16:00 11月 小売売上高 前年同月比 (10月 13.7%)
1月15日
 16:00  1月 トルコ中銀ビジネス・サーベイ(日時未定、1/15の週中)
 17:00 12月 財政収支 (11月 756.3億リラ)

トルコ中銀金融政策委員会予定
 1月25日、2月22日、3月21日


注:ポイント要約は編集部

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