10日のCPI注目だが、1月下旬までは狭いレンジ相場入りか
【年末年始の豪ドル】
年末年始の豪ドルは、12月19日につけた戻り高値97円61銭に頭を押さえられたものの、日足の一目均衡表の雲下限をサポートに底堅い動きとなった。
年末年始で参加者が少ないことも影響して、豪ドルはUSドル・円に連動した推移となった。年末は、米10年債利回りが低下し日米金利差が縮小したことからUSドル売り・円買いの流れが強まり、豪ドルも96円台を割り込む場面が見られた。
ただ、1月1日の能登半島地震発生を受けて、1月の日銀金融政策決定会合での「金融政策の正常化」実施の可能性が後退。「円キャリートレード」再活発化への思惑から円が主要通貨に対して全面安となったことで、豪ドルは買い戻される展開に。上値は重いながらも97円台で推移した。
豪ドル・円(東京時間:12月25日―1月5日)※Investing.comの日足を参照
始値:96.79円
高値:97.61円
安値:95.82円
終値:97.09円
【今週の重要指標】※時間は東京時間
1月9日
9時30分、11月小売売上高(前月比)、前回:−0.2%、市場予想:1.2%
9時30分、11月住宅建設許可件数(前月比)、前回:7.5%、市場予想:−2.0%
1月10日
9時30分、11月消費者物価指数(前年比)、前回:4.9%、市場予想:4.5%
1月11日
9時30分、11月貿易収支、前回:71.29億豪ドル、市場予想:75.0億豪ドル
※予定は変更することがございます。
【今週の見通し】
今週の豪ドルは、10日の11月消費者物価指数(CPI)の結果に注目だが、基本的には円の動向次第といったところか。
11月のCPIは対前年比4.5%上昇が見込まれており、10月の同4.9%、9月の同5.6%からは大幅に鈍化する見通しだ。10月のCPIは、ガソリン価格や家賃、旅行関連費用が主に値下がりしたことから、早期の追加利上げ観測は大きく後退している。
12月19日、オーストラリア準備銀行(豪中銀)は、12月5日に開いた理事会の議事要旨を公表。これによると、理事会は2会合連続の利上げを検討したが、インフレ動向に明るい兆しが見られることを踏まえ、今後のデータを見極めるために政策金利の据え置き(4.35%)を決定した、とある。
豪中銀が目標としているCPI上昇率は2−3%であるため、足元のCPIとはまだ乖離があるものの、その乖離幅は毎月、縮小している。
仮に11月CPIの鈍化が確認できても、10−12月のCPI発表を1月31日に控えていることから、2月の豪中銀理事会での方向性は固まらない。また、確認すべきデータはCPI以外にも雇用情勢や賃金など様々であることも、方向性が固まらない要因と考える。
こうした状況を考慮すると、オーストラリアの経済指標発表で多少豪ドルが上下に振れても、小さな動きに留まると考える。やはり、年始に動いた円、特にドル・円の方向性につられる展開となろう。
テクニカル面では、日足の一目均衡表の雲下限や100日移動平均線(MA)が足元の下値支持ラインとなっている。一方、雲上限ではやや上値の重さも見られる。下値はしっかりだが、97円61銭水準を明確に上抜けられないと、狭いレンジでのもみ合い相場入りを意識か。
円全面安といった地合いとならなければ、12月4日以来の98円台を試す展開は難しい。1月31日の10−12月CPI発表まで待つ必要がありそうだ。
なお、2024年一回目の豪中銀理事会は2月6日に開催される。今年は、1月22−23日の日銀金融政策決定会合を皮切りに、同25日に欧州中央銀行(ECB)理事会、1月30−31日に米連邦公開市場委員会(FOMC)、2月1日にイングランド中央銀行(BOE)金融政策委員会が開催されることから、豪中銀は各中銀の方向性を確認する余裕がある。
豪ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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