手がかり材料難だが、98円の上値抵抗ライン突破を試す展開に
【今週の豪ドル】
今週の豪ドルは、CPIに対する動きは限定的で主に97円台での堅調推移となった。
10日に発表された豪・11月消費者物価指数は前年比+4.3%で市場予想の+4.6%を下回ったほか、10月の同+4.9%比では大幅に鈍化した。9月の同+5.6%から2カ月連続で大幅に鈍化したことから、オーストラリア中央銀行(豪中銀)による早期の追加利上げ観測は後退した。
また、コアインフレ率の指標として注目されるCPIの中銀トリム平均値は前年比+4.6%とこちらも、10月の同+5.3%から大きく鈍化した。ただ、CPIに対する豪ドルの動きは限定的で、為替市場の関心は、ドルおよびユーロに向かったままとなった。
豪ドルは10日のCPI発表前に96円13銭まで下落した後は、じりじりと上昇。一時98円台回復を試す場面を迎えるなどしっかりの展開となった。
豪ドル・円(東京時間:1月8日―1月12日(終値は9時台終値を参照))※Investing.comの日足を参照
始値:97円21銭
高値:97円80銭
安値:96円13銭
終値:97円27銭
【来週の重要指標】※時間は東京時間
1月16日
9時30分、12月メルボルンインスティテュートインフレ(前月比)、前回:0.3%
9時30分、12月メルボルンインスティテュートインフレ(前月年):前回:4.4%
1月16日
8時30分、1月ウェストパック消費者信頼感(前月比)、前回:2.7%
8時30分、1月ウェストパック消費者信頼指数、前回:82.1%
1月18日
9時30分、12月雇用者数変化、前回:+61500人、市場予想:+15000人
9時30分、12月失業率、前回:3.9%、市場予想:3.9%
9時30分、12月参加率、前回:67.2%、市場予想:67.2%
※予定は変更することがございます。
【来週の見通し】
来週の豪ドルは、インフレと雇用の経済指標が発表されるものの、今週のCPI後の豪ドルの動向から、影響は限定的か。引き続きUSドルの動向に引っ張られる展開を想定する。
豪ドルが、自国経済指標などを要因として方向性を示すのは、1月31日に発表される10−12月のCPI発表まで待つ必要はある。
こうした状況を考慮すると、オーストラリアの経済指標発表で多少豪ドルが上下に振れても、方向感には乏しく小さな動きに留まるだろう。USドルの動向に振らされる地合いが続くと想定する。
テクニカル面では、96円80銭水準で推移している50日移動平均線(MA)が足元の下値支持ラインとなっている。日足の一目均衡表では、雲上限が切り下がったこともあり自然体で雲上抜けに成功。遅行スパンも来週には実線を上抜ける可能性が高いことから、トレンドは良好と言えよう。
昨年高値98円65銭(11月15日)を起点とした上値抵抗ラインが98円辺りに存在することから、目先のターゲットはこの水準か。この水準を上抜くと昨年高値奪還が意識されると考えるが、オーストラリア発のニュースでは積極的な豪ドルは手控えられよう。USドルの強い動きを頼りたいところだ。
なお、2024年一回目の豪中銀理事会は2月6日に開催される。今年は、1月22−23日の日銀金融政策決定会合を皮切りに、同25日に欧州中央銀行(ECB)理事会、1月30−31日に米連邦公開市場委員会(FOMC)、2月1日にイングランド中央銀行(BOE)金融政策委員会が開催されることから、豪中銀は各中銀の方向性を確認する余裕がある。
豪ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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