基本こう着だが、唯一の手掛かり材料は株価指数か
【先週の南アフリカ・ランド】
先週のランドは、外部環境を材料に買われる場面も見られたが、株式市場も方向感に乏しかったことから、週末にかけて下落。「往って来い」の状況となった。
この週唯一の経済指標である10月の景気先行指数が112.0と9月の111.7を少し上回ったことや、米連邦準備制度理事会(FRB)による2024年の3回程度の利下げ発表に対する資金流入期待などを材料にランドは上昇。12月4日以来となる7.88円台まで買われた。
ただ、南アフリカの主要株価指数であるヨハネスブルグ主要40の上げは限定的で週を通してもみ合う格好となったことから、ランドも買い一服。19日の日銀金融政策決定会合後、買われていたドルも落ち着いた動きとなったことなどから、ランドも連れ安となった。
ランド・円(東京時間:12月18日―12月22日)※Investing.comの日足を参照
始値:7.7467円
高値:7.8891円
安値:7.6522円
終値:7.6908円
【今週の重要指標】※時間は東京時間
12月29日
15時00分、11月の財政収支、前回:6.08%
21時00分、11月の貿易収支、前回:−127.0億ランド
※予定は変更することがございます。
【今週の見通し】
今週のランドは、29日の経済指標の発表以外、イベントが観測されていないことから、年末年始らしい静かな地合いとなりそうだ。
11月の財政収支および同月の貿易収支の発表以外、1月上旬まで経済指標の発表は予定されていない。先週の「往って来い」を見る限り、年末年始の休暇入りしている市場参加者が多く、積極的な売買を手掛ける投資家は不在である。
テクニカルでは、日足の一目均衡表の雲下限手前で失速しており、三役逆転のままのためトレンドは弱い。今後は、100日移動平均線(MA)が位置する7.84円水準や雲下限の7.96円水準が上値抵抗ラインとして意識されよう。一方、先週末は7.6円台割れを回避したことから、この7.6円台水準や7.73円台で位置する9日MAなどが下値支持ラインとなろう。
参加者が減少する年末年始は、基本的にはこの狭いレンジで推移すると想定する。ただ、方向感に乏しいヨハネスブルク主要40が、12月1日の戻り高値70305を上回ってくれば、ランド買いが強まる可能性はある。目立った売買材料に乏しいことから、引き続き株価指数には注目と言えよう。また、1月第一週は、米国の雇用に関する経済指標の発表が相次ぐことから、ドルに連れ高、もしくは連れ安となる可能性も注意しておきたい。
なお、国営電力会社エスコムの経営不振に対する抜本的な改善が進まない限りは、国内の電力不足は解消されない。重要な電力問題が解消されない限り、南アフリカ経済の安定は難しく、ランドの重しとなる。一方、ほぼ100%輸入エネルギーで賄っている南アフリカにとって、原油価格の落着きはランドの下支え要因となっていることで、原油価格などエネルギー価格の動向も気にしておきたい。
南アランド円日足
関連記事
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
南アランド円週報:『約1カ月ぶり安値を更新するなど上値の重い展開が継続中』(11/23朝)
南アランドの対円相場は、11/7に記録した約4ヵ月ぶり高値8.86円をトップに反落に転じると、今週前半にかけて、一時8.44円まで下落しました。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
トルコリラ円週報:『トルコ中銀は政策金利の据え置きを決定。一巡後の反発に期待』(11/23朝)
トルコリラの対円相場は、9/16に記録した史上最安値4.10円をボトムに切り返すと、11/15にかけて、約3カ月半ぶり高値4.56円(8/1以来の高値圏)まで上昇しました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.01.06
南アランド週報:『南ア経済の先行き不安と米長期金利の反転上昇がランドの重石』(1/6朝)
南アランドの対円相場は昨年12/28に記録した安値7.55円をボトムに切り返すと、週後半にかけて一時7.74円まで反発しました。
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:照葉 栗太
2023.12.23
南アランド週報『海外要因主導で上下するも方向感見出せず。年末年始で閑散商いが続く見通し』(12/23朝)
南アランドの対円相場は自律反発主導で持ち直し、今週は一時7.88円まで反発する場面も見られました。
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。