南アランド週報『海外要因主導で上下するも方向感見出せず。年末年始で閑散商いが続く見通し』(12/23朝)

南アランドの対円相場は自律反発主導で持ち直し、今週は一時7.88円まで反発する場面も見られました。

南アランド週報『海外要因主導で上下するも方向感見出せず。年末年始で閑散商いが続く見通し』(12/23朝)

『海外要因主導で上下するも方向感見出せず。年末年始で閑散商いが続く見通し』

〇今週の南ア円、週央にかけ高値7.88まで急伸後週末は7.69まで値を崩す
〇南ア景気先行指数の好調、金プラチナ価格の堅調等が上昇要因となるも、円高進行が重石に
〇テクニカルには上方に複数のレジスタンスポイント並び、強い売りシグナルも実現、地合い弱い
〇ファンダメンタルズも南ア・中国経済の先行き不透明感、南ア早期利下げ観測等が重石
〇引き続き、南アランド円相場の下落をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):7.60ー7.80

今週のレビュー(12/18−12/22)

今週の南アフリカランド円相場(ZARJPY)は、週初7.74円で寄り付いた後、(1)日銀による金融緩和の修正観測(円キャリートレードの逆流懸念)を背景に、翌12/19にかけて、週間安値7.65円まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(2)南ア10月景気先行指数(結果112.0、前回111.7)の良好な結果や、(3)日銀金融政策決定会合のハト派的な結果、(4)上記3を背景とした円ロングの巻き戻し(政策修正期待の肩透かしでドル円相場が急反発→南アランド円連れ高)、(5)米FRBによる早期利下げ観測(Fed pivot)とそれに伴う米長期金利の急低下(米国から新興国への資金流入再開期待)、(6)金・プラチナ価格の堅調推移(南アフリカの交易条件改善期待)が支援材料となり、週央にかけて、週間高値7.88円まで急伸しました。

もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、(7)90日移動平均線を背にした戻り売り圧力や、(8)ドル円相場の冴えない動き(ドル円相場が日銀金融政策決定会合後に記録した戻り高値144.96から141円台後半へと全値押し→南アランド円連れ安)が重石となり、本稿執筆時点(日本時間12/23午前4時20分現在)では、7.69円前後まで値を崩す動きとなっております。

来週の見通し(12/25−12/29)

南アランドの対円相場は、11/16に記録した年初来高値8.33円をトップに反落に転じると、12/7に一時7.55円まで急落しましたが、その後は、自律反発主導で持ち直し、今週は一時7.88円まで反発する場面も見られました。但し、アップサイドに複数のレジスタンスポイントが並んでいることや、強い売りシグナルを示唆する「一目均衡表三役逆転」や「21日移動平均線と90日移動平均線のデッドクロス」が実現していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは弱い(上値余地は乏しい)と判断できます。事実、今週も90日移動平均線に続伸を阻まれる形で週末にかけて反落(7.88円→7.69円)に転じるなど、上値の重さが際立ちました。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)南アフリカ経済の先行き不透明感(南アフリカ経済の早期リセッション入り懸念)や、(2)中国経済の先行き不透明感(中国経済鈍化→中国と経済的な結びつきの強い南アフリカ経済も連れて鈍化)、(3)南ア中銀の早期利下げ観測(来年3月会合で南ア中銀が利下げに踏み切るとの思惑)、(4)南アフリカを巡る政局不透明感(来年予定されている総選挙で下院の過半数割れが実現するリスク)、(5)日銀による金融緩和の修正観測(日銀が来年の比較的早いタイミングでマイナス金利解除に踏み切るとの思惑→ドル円・クロス円に下押し圧力)など、南アランド円相場の弱気材料が揃っています。

以上を踏まえ、当方では引き続き、南アランド円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします。但し、来週は12/29に予定されている南ア11月貿易収支や南ア11月財政収支以外に目立った経済イベントが予定されておらず、また、年末・年始で市場参加者の減少も見込まれることから、週を通して、レンジ内での小動きが続きそうです(来週はレンジ内での横ばいを想定。再来週=年明け以降に下落トレンド再開の見通し)。

来週の予想レンジ(ZARJPY):7.60ー7.80

※尚、来週(12/30)は南アランド週報を休刊とさせていただきます。次号は1/6を予定しております。本年も一年間ありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。

『海外要因主導で上下するも方向感見出せず。年末年始で閑散商いが続く見通し』

南アランド円日足

注:ポイント要約は編集部

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