『下落後に持ち直すも上値は重い。一巡後の反落リスクに要警戒』
〇今週の南ア円、南ア指標の不冴えとドル円の大幅下落に週後半にかけ7.57まで下落
〇売り一巡後は南ア株の上昇、金・プラチナ価格の堅調等に一時7.81まで反発
〇南ア円、今週は自律反発主導で切り返し、持ち直す動きに
〇但し、テクニカルの地合いは弱く、ファンダメンタルズも南ア円下落要因多い
〇南アランド円相場の「一巡後の反落」をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):7.55ー7.85
今週のレビュー(12/11−12/15)
今週の南アフリカランド円相場(ZARJPY)は、週初7.63円で寄り付いた後、(1)南ア10月製造業生産(結果▲0.2%、予想+0.3%)の市場予想を下回る結果や、(2)南ア11月消費者物価指数(結果+5.5%、予想+5.6%、前回+5.9%)の市場予想を下回る結果、(3)上記2を背景とした南ア中銀の早期利下げ観測(来年3月に最初の利下げが実施されるとの思惑)、(4)南ア10月小売売上高(結果▲2.5%、予想+0.9%)の市場予想を下回る結果、(5)ドル円相場の大幅下落(日銀による金融緩和の修正観測+ハト派な米FOMCの組み合わせ→ドル円急落→南アランド円連れ安)が重石となり、週後半にかけて、週間安値7.57円まで下落しました。
しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(6)南ア株の大幅上昇(米FRBによる利下げ観測台頭→米国から新興国への資金流入再開)や、(7)金・プラチナ価格の堅調推移(南アフリカの交易条件改善期待)、(8)短期筋のショートカバーが支援材料となり、週末にかけて、週間高値7.81円まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間12/16午前2時00分現在)では、7.76円前後で推移しております。
来週の見通し(12/18−12/22)
南アランドの対円相場(ZARJPY)は、11/16に記録した年初来高値8.33円(昨年9/13以来、約1年2ヵ月ぶり高値圏)をトップに反落に転じると、12/7に一時7.55円(8/15以来、約3カ月半ぶり安値圏)まで急落しましたが、今週は自律反発主導で切り返し、現在は7.76円前後まで持ち直す動きとなっております。但し、日足ローソク足が主要テクニカルポイント(21日移動平均線、90日移動平均線、ボリンジャーミッドバンド、一目均衡表基準線、雲上下限)の下側で推移していることや、強い売りシグナルを示唆する「一目均衡表三役逆転」「ダウ理論の下落トレンド」が継続していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは「弱い」と判断できます(今週は200日移動平均線に下支えされる形で反発に転じたものの、上方より複数のレジスタンスポイントが垂れ下がってくること等を踏まえると、このまま上昇基調が続くシナリオは想定しづらい)。
また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)南アフリカ経済の先行き不透明感(慢性的な電力不足+物流インフラの機能不全→南アフリカのリセッション入り懸念)や、(2)中国経済の先行き不透明感(今週発表された中国11月小売売上高、中国11月固定資産投資は市場予想を下回る結果→中国と経済的な結びつきの強い南アフリカ経済の下押し要因)、(3)南アフリカ中銀の早期利下げ観測(来年3月頃に最初の利下げに踏み切るとの思惑)、(4)南アフリカを巡る政局不透明感(来年の総選挙で下院の過半数割れが生じるリスク)など、南アランド円相場の下落を連想させる材料が揃っています。
以上を踏まえ、当方では引き続き、南アランド円相場の「一巡後の反落」をメインシナリオとして予想いたします。
来週の予想レンジ(ZARJPY):7.55ー7.85
注:ポイント要約は編集部
南アフリカランド円日足
関連記事
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
南アランド円週報:『約1カ月ぶり安値を更新するなど上値の重い展開が継続中』(11/23朝)
南アランドの対円相場は、11/7に記録した約4ヵ月ぶり高値8.86円をトップに反落に転じると、今週前半にかけて、一時8.44円まで下落しました。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
トルコリラ円週報:『トルコ中銀は政策金利の据え置きを決定。一巡後の反発に期待』(11/23朝)
トルコリラの対円相場は、9/16に記録した史上最安値4.10円をボトムに切り返すと、11/15にかけて、約3カ月半ぶり高値4.56円(8/1以来の高値圏)まで上昇しました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:中島 光牙
2023.12.18
南アフリカランドWeekly 20MA突破には株高の材料が必要か(23/12/18)
先週のランドは、経済指標が相次いで市場予想を下回ったほか、ドル円相場の急落なども影響して、一時12月7日の安値7.5605円に迫る場面が見られた。
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:中島 光牙
2023.12.11
南アフリカランドWeekly 13日のCPIに注目、短期リバウンド狙えるか(23/12/11)
先週のランドは、週後半にかけて下げ幅を広げ、一時3カ月ぶりの水準となる7.56円台まで下落する弱い地合いとなった。
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。