南アランド週報:『下落後に持ち直すも上値は重い。一巡後の反落リスクに要警戒』(12/16朝)

南アランドの対円相場は、今週は自律反発主導で切り返し、現在は7.76円前後まで持ち直す動きとなっております。

南アランド週報:『下落後に持ち直すも上値は重い。一巡後の反落リスクに要警戒』(12/16朝)

『下落後に持ち直すも上値は重い。一巡後の反落リスクに要警戒』

〇今週の南ア円、南ア指標の不冴えとドル円の大幅下落に週後半にかけ7.57まで下落
〇売り一巡後は南ア株の上昇、金・プラチナ価格の堅調等に一時7.81まで反発
〇南ア円、今週は自律反発主導で切り返し、持ち直す動きに
〇但し、テクニカルの地合いは弱く、ファンダメンタルズも南ア円下落要因多い
〇南アランド円相場の「一巡後の反落」をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):7.55ー7.85

今週のレビュー(12/11−12/15)

今週の南アフリカランド円相場(ZARJPY)は、週初7.63円で寄り付いた後、(1)南ア10月製造業生産(結果▲0.2%、予想+0.3%)の市場予想を下回る結果や、(2)南ア11月消費者物価指数(結果+5.5%、予想+5.6%、前回+5.9%)の市場予想を下回る結果、(3)上記2を背景とした南ア中銀の早期利下げ観測(来年3月に最初の利下げが実施されるとの思惑)、(4)南ア10月小売売上高(結果▲2.5%、予想+0.9%)の市場予想を下回る結果、(5)ドル円相場の大幅下落(日銀による金融緩和の修正観測+ハト派な米FOMCの組み合わせ→ドル円急落→南アランド円連れ安)が重石となり、週後半にかけて、週間安値7.57円まで下落しました。

しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(6)南ア株の大幅上昇(米FRBによる利下げ観測台頭→米国から新興国への資金流入再開)や、(7)金・プラチナ価格の堅調推移(南アフリカの交易条件改善期待)、(8)短期筋のショートカバーが支援材料となり、週末にかけて、週間高値7.81円まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間12/16午前2時00分現在)では、7.76円前後で推移しております。

来週の見通し(12/18−12/22)

南アランドの対円相場(ZARJPY)は、11/16に記録した年初来高値8.33円(昨年9/13以来、約1年2ヵ月ぶり高値圏)をトップに反落に転じると、12/7に一時7.55円(8/15以来、約3カ月半ぶり安値圏)まで急落しましたが、今週は自律反発主導で切り返し、現在は7.76円前後まで持ち直す動きとなっております。但し、日足ローソク足が主要テクニカルポイント(21日移動平均線、90日移動平均線、ボリンジャーミッドバンド、一目均衡表基準線、雲上下限)の下側で推移していることや、強い売りシグナルを示唆する「一目均衡表三役逆転」「ダウ理論の下落トレンド」が継続していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは「弱い」と判断できます(今週は200日移動平均線に下支えされる形で反発に転じたものの、上方より複数のレジスタンスポイントが垂れ下がってくること等を踏まえると、このまま上昇基調が続くシナリオは想定しづらい)。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)南アフリカ経済の先行き不透明感(慢性的な電力不足+物流インフラの機能不全→南アフリカのリセッション入り懸念)や、(2)中国経済の先行き不透明感(今週発表された中国11月小売売上高、中国11月固定資産投資は市場予想を下回る結果→中国と経済的な結びつきの強い南アフリカ経済の下押し要因)、(3)南アフリカ中銀の早期利下げ観測(来年3月頃に最初の利下げに踏み切るとの思惑)、(4)南アフリカを巡る政局不透明感(来年の総選挙で下院の過半数割れが生じるリスク)など、南アランド円相場の下落を連想させる材料が揃っています。

以上を踏まえ、当方では引き続き、南アランド円相場の「一巡後の反落」をメインシナリオとして予想いたします。

来週の予想レンジ(ZARJPY):7.55ー7.85

注:ポイント要約は編集部

『下落後に持ち直すも上値は重い。一巡後の反落リスクに要警戒』

南アフリカランド円日足

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