トルコリラ円見通し ドル円の反落で失速、12月8日未明からの戻り一巡感(23/12/13)

トルコリラ円の12月12日は概ね5.05円から4.98円の取引レンジ、13日早朝の終値は5.01円で前日終値の5.03円からは0.02円の円高リラ安だった。

トルコリラ円見通し ドル円の反落で失速、12月8日未明からの戻り一巡感(23/12/13)

ドル円の反落で失速、12月8日未明からの戻り一巡感

〇トルコ円、ドル円が米CPI発表後に一時145円を割り込み失速気味推移に入ったため、4.98へ下落
〇ドル円はいったん戻したが146円に届かず、トルコ円も5.03まで戻してから失速、5.00割れを試す
〇FOMC通過してドル円が下落する場合には、史上最安値更新へ進みかねない局面と注意
〇対ドル、最安値近辺を維持した動き続き、ドル高リラ安の勢いが再び加速し始めた印象
〇5.03以下での推移中は下向きとし、12/12夜安値4.98割れからは4.95前後への下落を想定
〇5.03超えからは5.06試しとし、5.06超えからは5.08、5.10を順次試して行く上昇を想定する

【概況】

トルコリラ円の12月12日は概ね5.05円から4.98円の取引レンジ、13日早朝の終値は5.01円で前日終値の5.03円からは0.02円の円高リラ安だった。
トルコリラ円はドル円が12月7日午前から8日未明にかけて大幅下落した後のリバウンドを継続した流れを追いかけて12月8日未明安値4.90円から反騰入りとなりドル円の続伸を見ながら12日未明には5.06円まで高値を切り上げてきた。しかしドル円が12月12日未明で戻り一巡となり、12日夜の米CPI発表後に一時145円を割り込むなど失速気味の推移に入ったため、トルコリラ円も12日夜に4.98円へ下落した。
ドル円は145円割れからいったん戻したものの146円に届かず、トルコリラ円も5.03円まで戻してから失速しており、13日午前序盤には5.00円割れを試しつつある。

【14日早朝のFOMCからのドル円動向に左右される】

12月12日夜発表の米11月CPIは概ね予想と一致したが、全体の前年比が2か月連続で鈍化したものの前月比は全体とコア指数ともに10月から伸びが若干加速しており、コア指数の前年比も10月と変わらずの4.0%にとどまったため、FOMC(12月12-13日開催、14日早朝に声明発表、議長会見)では利上げ見送りが確実視されているものの、利下げ再開については先週までの3月会合での利下げ開始期待が薄まり5月以降へと先延ばしされるのではないかとの見方が優勢となってきている。
FOMCが利上げ余地を示して利上げ期間の長期化を強調する場合にはドル高円安へ進みやすく、利上げ打ち止め感と来年前半における利下げ開始を示唆するものとなればドル安円高へ進みやすくなる。
トルコリラ円としてはドル高リラ安基調が再び加速し始めている時期にあるため、FOMCを通過してドル円が下落する場合には史上最安値更新へ進みかねない局面と注意したい。

【対ドルでは最安値近辺での推移】

ドル/トルコリラの12月12日は概ね29.07リラから28.78リラの取引レンジ、13日早朝の終値は28.90リラで前日終値の28.94リラからは0.04リラのドル安リラ高だった。
12月4日に29.05リラへと史上最安値を更新した後は12月8日まで新たな安値更新を回避して8月末からのドル高リラ安の勢いがやや鈍った印象となったものの、12月11日には29.10リラへ史上最安値を更新し、終値ベースでも28.94リラを付けて12月4日終値28.93リラを超えて最安値更新となった。
12月12日は米11月CPI発表を挟んで為替市場全般がやや乱高下したもののトルコリラへの影響は鈍く、新たな最安値更新へ進まなかったものの最安値近辺を維持した動きを続けた。
12月4日の高安レンジで数日の持ち合いを形成していたところでも日々の高値が切り下がり、12月11日に最安値更新へ進んだことで、やや緩んでいたドル高リラ安の勢いが再び加速し始めた印象を与えている。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、12月8日未明への大幅下落で4日午前安値を割り込み4.90円まで下げたところからの反騰で4.99円まで戻したため、8日午前時点では8日未明安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして11日午前から13日午前にかけての間への上昇を想定した。
12月12日未明高値から失速気味となったために12日午前時点ではすでにサイクルトップを付けた可能性があるとして5.00円割れからは弱気サイクル入りとしたが、12日夜に5.00円割れへ下落したため、12日未明高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとする。ボトム形成期は13日午前から15日未明にかけての間と想定する。強気転換は12月12日未明高値5.06円超えからとし、その場合は15日未明から19日未明にかけての間への上昇を想定する。

60分足の一目均衡表では12月12日夜への下落で遅行スパンが悪化して先行スパンへ潜り込んでいるので遅行スパン悪化中は安値試し優先とし、先行スパンから転落する場合は下げ足が速まる可能性もあると注意する。ただし、先行スパンを上抜き返すところからは上昇再開の可能性ありとみて遅行スパン好転中の高値試し優先とする。

60分足の相対力指数は11日夕刻に70ポイントへ到達したが12日未明へ一段高した際には指数のピークが切り下がる弱気逆行がみられ、12日夜の下落で30ポイント台前半へ低下した。その後に50ポイントを超えてから再び失速気味のため、60ポイント超えからは上昇再開とするが、40ポイント割れからは20ポイント台への低下を伴う下落を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、12月12日夜安値4.98円を下値支持線、12月12日未明高値5.06円を上値抵抗線とする。
(2)5.03円以下での推移中は下向きとし、12日夜安値4.98円割れからは4.95円前後への下落を想定する。4.98円以下での推移なら14日も安値試しへ向かいやすいとみる。FOMC等をきっかけにドル円が急落する場合には4.93円以下へ下値目途を引き下げる。
(3)5.03円超えからは5.06円試しとし、5.06円超えからは5.08円、5.10円を順次試して行く上昇を想定する。5.10円以上は反落警戒とするが、5.06円を超えた後も5.04円以上での推移なら14日も高値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

12月13日
 16:00 10月 小売売上高 前月比 (9月 -0.7%)
 16:00 10月 小売売上高 前年同月比 (9月 13.8%)
12月14日
 20:30 週次 外貨準備高 12月8日時点 グロス (12月1日時点 932.3億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 12月8日時点 ネット (12月1日時点 347.8億ドル)
12月15日
 17:00 11月 財政収支 (10月 -954.6億リラ)
12月20日
 16:00 12月 消費者信頼感指数 (11月 75.5)
 13:30 11月 中央政府債務残 (10月 6兆2770億リラ)
12月21日
 20:00 トルコ中銀MPC(金融政策委員会) 政策金利 (現行 40.0%)



注:ポイント要約は編集部

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