トルコリラ円見通し FOMC後の円高に連れて急落、史上最安値を更新(23/12/14)

トルコリラ円の12月13日は概ね5.02円から4.91円の取引レンジ、14日早朝の終値は4.92円で前日終値の5.01円から0.09円の円高リラ安だった。

トルコリラ円見通し FOMC後の円高に連れて急落、史上最安値を更新(23/12/14)

FOMC後の円高に連れて急落、史上最安値を更新

〇トルコ円、FOMC会見後のドル円急落追いかけ12/14早朝に4.91へ急落、午前序盤には史上最安値更新
〇ドル円下落基調が収まらないうちはトルコ円も史上最安値更新を繰り返し試すと懸念される
〇対ドル、12/14午前序盤は29.05から28.93のレンジで推移、最安値更新のきっかけ伺う
〇12/13発表のトルコ10月小売売上高は前月比2.0%増、前年同月比は13.7%増
〇4.95以下での推移中は下向きとし、4.89割れからは4.87、4.85を順次試す下落を想定
〇4.95超えからは上向きとし、4.97超えからは5.00への上昇を想定

【概況】

トルコリラ円の12月13日は概ね5.02円から4.91円の取引レンジ、14日早朝の終値は4.92円で前日終値の5.01円から0.09円の円高リラ安だった。
12月14日早朝に米FOMCは政策金利を予想通り3会合連続で据え置いたが、参加者の政策金利予想が引き下げられて2024年は3回の利下げ想定となり、パウエルFRB議長が会見で利下げ開始時期について協議したと述べたことで米長期債利回りが大幅低下して為替市場はドル全面安となった。
ドル円はFOMC前の145円台序盤から143円割れへ急落し、14日午前序盤には142.06円を付けて12月8日早朝安値141.67円に迫った。
トルコリラ円はドル円の急落を追いかけて4.90円台から14日早朝に4.91円へ急落、14日午前序盤に4.90円へ続落したが、小数点下三桁では4.897円を付けて12月8日未明安値4.903円を割り込んで史上最安値を更新している。

【ドル円の下落規模は昨年10月21日からの下落時並み】

ドル円は11月13日高値で151.90円を付けて昨年10月21日高値151.94円へ迫ったところから下落に転じているが、12月8日未明の12月7日付け安値141.67円までの下げ幅は10.23円となり、今年3月8日から3月24日への下落時(下げ幅8.28円)と6月30日から7月14日への下落時(下げ幅7.82円)を超えており、下落規模と角度は昨年10月21日高値から今年1月16日安値127.22円まで大幅下落した時に近い印象がある。
トルコリラ円も昨年10月21日高値8.17円から今年1月16日安値6.74円までの間はドル円の下落を追いかけてほぼ同調した下落に見舞われている。8月末からのドル高リラ安が収まらない中で8月24日の戻り高値5.77円を起点として右肩下がりの展開を続けているが、11月13日からドル円が下落に転じていることで徐々に下落角度が厳しくなり始めており、ドル円の下落基調が収まらないうちはトルコリラ円もドル円を追いかけて史上最安値更新を繰り返し試して行くのではないかと懸念される。

【対ドルでは12月11日の最安値近辺を維持】

ドル/トルコリラの12月13日は概ね29.08リラから28.80リラの取引レンジ、14日早朝の終値は28.95リラで前日終値の28.90リラからは0.05リラのドル高リラ安だった。
米FOMCが来年3回の利下げ予想を示したことで米長期債利回りが低下してドル全面安の様相となったが、トルコリラへの影響はさほど見られなかった。
8月25日高値25.02リラを起点としたドル高リラ安が続いており、12月11日に取引時間中の史上最安値を29.10リラへ更新し、終値ベースでも11日終値28.94リラが最安値となり、12日と13日は新たな安値更新を回避しているものの最安値近辺に付けた状況は変わらない。
12月14日午前序盤は29.05リラから28.93リラのレンジで推移し、最安値更新のきっかけを伺っている印象だ。
12月13日に発表されたトルコの10月小売売上高は前月比2.0%増となり9月の0.6%減から回復したが、前年同月比は13.7%増で9月の14.2%増から若干低下した。市場の反応は薄かった。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、12月8日未明安値をサイクルボトムとした強気サイクル入りとして11日午前から13日午前にかけての間への上昇を想定してきたが、12月12日未明高値から失速気味となったために12日午前時点ではすでにサイクルトップを付けた可能性があるとして5.00円割れからは弱気サイクル入りとし、12日夜に5.00円を割り込んだために12日未明高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとして13日午前から15日未明にかけての間への下落を想定した。
12月14日午前に12月8日未明安値を割り込んでいるため引き続きボトム形成中として14日の日中から15日未明にかけての間への下落を想定するが、12月12日夜安値から下げ渋りを入れて一段安しているため、ボトム形成期が15日夜から19日夜にかけての間へ延びる可能性もあると注意する。現時点からの強気転換には4.97円を超える反騰が必要と思われる。

60分足の一目均衡表では12月12日夜の下落で遅行スパンが悪化して先行スパンへ潜り込んでいたが、13日夜に先行スパンから転落したため、遅行スパン悪化中は安値試し優先とする。遅行スパン好転からは戻りを試すとみるが、先行スパンを上抜き返せないうちは遅行スパンが一時的に好転してもその後に悪化するところから下げ再開とみる。

60分足の相対力指数は11日夕刻に70ポイントへ到達したが12日未明へ一段高した際には指数のピークが切り下がる弱気逆行がみられ、12日夜の下落で30ポイント台前半へ低下した。14日早朝への一段安で20ポイントを一時割り込んだが、40ポイント以下での推移中はさらに一段安へ進みやすいとみる。
相場が小反発後に一段安する際に指数のボトムが切り上がる強気逆行がみられる場合は反騰注意とし、50ポイントを超えからは反騰継続とみて60ポイント台への上昇を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.89円を下値支持線、4.95円を上値抵抗線とする。
(2)4.95円以下での推移中は下向きとし、4.89円割れからは4.87円、4.85円を順次試す下落を想定する。4.85円以下は反騰注意とするが、4.95円を下回っての推移なら15日も安値試しへ向かいやすいとみる。
(3)4.95円超えからは上向きとし、4.97円超えからは5.00円への上昇を想定する。5.00円前後は売られやすいとみるが、4.97円を超えた後も4.95円以上を維持しての推移なら15日も高値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

12月14日
 20:30 週次 外貨準備高 12月8日時点 グロス (12月1日時点 932.3億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 12月8日時点 ネット (12月1日時点 347.8億ドル)
12月15日
 17:00 11月 財政収支 (10月 -954.6億リラ)
12月20日
 16:00 12月 消費者信頼感指数 (11月 75.5)
 23:30 11月 中央政府債務残 (10月 6兆2770億リラ)
12月21日
 20:00 トルコ中銀MPC(金融政策委員会) 政策金利 (現行 40.0%)


注:ポイント要約は編集部

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