トルコ円見通し 史上最安値に接近してからドル円の反発で4日ぶりに戻すも勢い欠ける(23/11/22)

トルコリラ円の11月21日は概ね5.17円から5.11円の取引レンジ、22日早朝の終値は5.15円で前日終値の5.14円からは0.01円の円安リラ高だった。

トルコ円見通し 史上最安値に接近してからドル円の反発で4日ぶりに戻すも勢い欠ける(23/11/22)

史上最安値に接近してからドル円の反発で4日ぶりに戻すも勢いに欠ける

〇トルコ円、11/21夕5.11へ下落、7/18の史上最安値5.08迫るもドル円の戻りに合わせ5.17まで切り返す
〇対ドル、11/22午前28.81をつけて取引時間中の史上最安値更新
〇11/23開催のトルコ金融政策委員会、ロイターまとめの予想レンジは2.5%追加利上げが優勢
〇5.17超えからは5.20への上昇を想定するが、5.20前後は反落警戒とする
〇5.11割れからは5.08前後への下落を想定、5.08以下は反騰注意

【概況】

トルコリラ円の11月21日は概ね5.17円から5.11円の取引レンジ、22日早朝の終値は5.15円で前日終値の5.14円からは0.01円の円安リラ高だった。
対ドルでトルコリラの史上最安値更新が続く中、11月13日夜からドル円が急落に転じたためにトルコリラ円は11月16日から20日にかけて3営業日続落となり、11月21日夕刻には5.11円(ベンダーによっては5.09円)へ下落して7月18日に付けた史上最安値5.08円に迫った。しかしドル円が147円割れ回避から148円台中盤へ反発したのを見てトルコリラ円も5.17円まで切り返し、終値ベースでは4営業日ぶりにプラス圏とした。

ドル円は11月13日夜に151.90円を付けて昨年10月21日高値151.94円に迫ったが、152円への挑戦がいったん仕切り直しとなり、ドル買い円売りポジションの解消で11月16日から20日まで3営業日続落した。米国のインフレ鈍化が顕著となり利上げ終了感が優勢となって米長期債利回りが低下してドル全面安となり、ユーロドルやポンドドルの一段高、人民元の上昇等がドル安感を強めたことが背景だった。
11月21日には夕刻に147.15円まで下げて11月13日夜高値からの下げ幅は4.75円に拡大したが、147円割れをひとまず回避して22日早朝には148.59円まで戻した。しかし22日午前序盤に148円を一時割り込む等、戻り売りの圧迫感も出始めている。150.0円台序盤や149円台序盤、148円台序盤でいずれも下げ渋りないし反発を入れてから一段安を繰り返しているため、ドル円の下落基調はまだ続きかねないところだ。

トルコリラ円はドル円の上昇期に合わせて11月6日午前安値5.21円から11月10日早朝高値5.32円まで上昇したが、ドル円が下落に転じたことで15日早朝安値5.23円、17日夜安値5.19円、20日夜安値5.15円と下落してきた。11月21日夕刻に5.11円まで下げた後はドル円の戻りに合わせて5.17円へ切り返したものの22日午前序盤には5.13円まで反落するなど上値の重さを引きずっている。
トルコリラ円は8月24日のトルコ中銀による7.5%利上げをきっかけに5.77円へ急伸したが、翌日から下落基調に入り、ドル円の反発時に戻すもののドル高リラ安が続く中で右肩下がりの展開で推移している。11月22日早朝高値も戻り高値切り下がりの範囲にあり、先安感がぬぐえないところだ。

【対ドルでは11月22日午前に取引時間中の史上最安値を更新】

ドル/トルコリラの11月21日は概ね28.80リラから28.52リラの取引レンジ、22日早朝の終値は28.77リラで前日終値の28.69リラからは0.08リラのドル高リラ安だった。
週間ベースでは先週まで12週連続のドル高リラ安、9週連続で取引時間中及び週末値ベースの史上最安値更新を続けてきたが、今週もその流れは続いており、11月21日は安値で28.80リラを付けて11月17日に付けた取引時間中の最安値28.80リラと並び、終値としても2営業日連続で最安値を更新した。
11月22日午前は28.81リラを付けて取引時間中の史上最安値を更新している。

【11月23日が小幅利上げならばリラ安抑止には不足感】

11月23日に開催されるトルコ中銀のMPC(金融政策委員会)における利上げ見通しについては、11月20日にロイター社がまとめた予想レンジは2.5%の追加利上げに留まるとの見方が優勢だった。
8月24日会合では市場予想が2.5%利上げだったところで予想の3倍となる7.5%利上げを決定したために当日に限りリラが急伸したが、それでもリラ安の流れは変わらなかった。
今回も2.5%利上げ予想を超えて5.0%利上げに踏み込めばリラ安に若干のブレーキがかかる可能性があるものの、市場心理としては年末に1ドル30リラへ向かうとの見方が濃厚であり、8月のように7.5%利上げをしないことには大きなリラ買いを呼び込まず、2.5%利上げに留まるか利上げを見送る場合にはリラ売りが勢い付くことも考えられる。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、11月17日に弱気転換目安とした5.23円を割り込んでから続落したために、20日朝時点では16日未明高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとして20日夜から22日夜にかけての間への下落を想定した。
21日夕刻へ一段安してからドル円の反騰に合わせて5.17円まで戻したため、21日夕安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとする。サイクルトップ形成期は21日未明から23日未明にかけての間と想定されるのですでに22日早朝高値でサイクルトップを付けた可能性があると注意し、21日夕安値5.11円割れを回避するうちは上昇余地ありとするが、5.11円割れからは新たな弱気サイクル入りとして24日夕から28日夕にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では11月22日早朝への反発で遅行スパンが実線に到達したが先行スパン下限には届かずに22日午前序盤に失速しているので強気転換しきれずにいる。
11月22日早朝高値5.17円超えからは反騰継続とみて遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、21日夕安値割れからは一段安入りとなり下落期が長期化するとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は11月22日早朝に60ポイントに迫ってからやや下げている。50ポイントを割り込んでも回復するうちは上昇余地ありとし、60ポイント超えからは70ポイントを目指すとみるが、45ポイント割れからは下落再開と仮定して20ポイント台への低下を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、5.11円を下値支持線、5.17円を上値抵抗線とする。
(2)5.17円超えからは5.20円への上昇を想定するが、5.20円前後は反落警戒とし、その後に5.13円を割り込むところからは下げ再開とみる。
(3)5.11円割れからは5.08円前後への下落を想定する。5.08円以下は反騰注意とするが、下げ足が速まる場合は5.05円試しへ下値目途を引き下げ、5.11円を割り込んでの推移なら23日も安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

11月22日
 16:00 11月 消費者信頼感指数 (10月 74.6)
11月23日
 20:00 トルコ中銀 政策金利 (現行 35.0%、予想 37.5%)
 20:30 週次 外貨準備高 11月17日時点 グロス (11月10日時点 846.4億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 11月17日時点 ネット (11月10日時点 254.5億ドル)
11月24日
 16:00 11月 製造業景況観 (10月 103.3)
 16:00 11月 設備稼働率 (10月 77.4%)
 17:00 10月 海外観光客数 前年同月比 (9月 5.67%)



注:ポイント要約は編集部

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