ドル円 147円割れ回避で148円台中盤へ戻すも11/13以降の下落基調範囲内か(23/11/22)

ドル円は11月13日深夜高値151.90円を起点とした下落基調を続けている。

ドル円 147円割れ回避で148円台中盤へ戻すも11/13以降の下落基調範囲内か(23/11/22)

147円割れ回避で148円台中盤へ戻すも11月13日以降の下落基調範囲内か

〇ドル円、11/21夕刻147.15へ下落するも147円割れは回避、売られ過ぎ警戒感から買い戻し優勢に
〇今夜、米新規失業保険申請件数、耐久財受注、ミシガン大消費者信頼感と期待インフレ率等が発表予定
〇11/23米国市場休場のため、市場反応が大きくなる可能性に注意
〇FOMC議事要旨はサプライズ感なし、ドル安には若干のブレーキ
〇米金利先物市場、来年3月会合での利下げ確率が3割弱、5月会合が5割弱へと上昇
〇148円以上での推移中は上昇余地ありとし、148.59超えからは149円前後試しを想定
〇147.70割れからは11/21夕安値147.15試しとし、147.15割れからは146円台序盤への下落を想定

【概況】

ドル円は11月21日夕刻に147.15円へ下落、11月13日深夜高値151.90円以降の安値を更新し、この間の下げ幅は5円に迫る4.75円に拡大した。しかし147円割れをひとまず回避すると売られ過ぎ警戒感から買い戻し優勢となり、22日早朝の米FOMC議事要旨公開直後には148.59円を付けて21日夕安値からの戻り幅を1.44円とした。
FOMC議事要旨ではインフレはまだ高すぎるとして追加利上げの可能性に含みを持たせたが、米10年債利回りの反応は鈍く低下傾向を続けたため、ドル円は149円に迫る勢いに欠けて22日午前序盤には148円を一時割り込んでいる。

11月13日深夜からの下げ幅に対する3分の1戻しラインは148.73円、半値戻しラインは149.52円にある。11月15日夜の米PPI発表直後に付けた安値150.05円から16日早朝高値151.42円まで1.37円の戻りを入れてから一段安に入って大幅続落した後であり、3分の1戻しをクリアしてさらに高値を伸ばせるのか試されるところだ。
今夜は米週間新規失業保険申請件数、米10月耐久財受注、ミシガン大11月消費者信頼感と期待インフレ率の発表がある。11月23日は米国市場休場のため、それらに対する市場反応もやや大きくなる可能性があると注意したい。

【米中古住宅販売は低調、FOMC議事要旨はサプライズ感なし】

NAR(全米不動産業者協会)による10月の中古住宅販売件数(年換算)は前月比4.1%減の379万戸となったが、5か月連続のマイナスで2010年8月以来の低水準となり市場予想の390万戸を下回った。前年同月比は14.6%減、販売価格中央値は39万1800ドルで前月比0.3%低下、前年同月比は3.4%上昇だった。住宅ローン金利が上昇したことで住宅市況が冷え込んでいることを示している。

FRB(米連邦準備制度理事会)は10月31−11月1日(11月2日未明に声明発表、議長会見)開催のFO
MC(連邦公開市場委員会)議事要旨を公開した。
当該FOMCでは政策金利は2会合連続で5.25〜5.50%で据え置かれたが、参加者は「インフレは鈍化しているものの依然として受け入れがたいほど高く、2%の目標を大幅に上回っている」とし、十分に景気抑制的な政策スタンスを「しばらく保つことが極めて重要」、指標でインフレ低下の進展が不十分なら「追加引き締めは適切となる」とした。
内容に特段のサプライズはなく市場としては織り込み済の問題として反応は鈍かったが、ドル安には若干のブレーキ役となった。米金利先物市場では今後のFOMCで利上げ見送りが続き、春以降は利下げ議論が浮上するとみており、来年3月会合での利下げ確率が3割弱、5月会合での利下げ確率が5割弱へと上昇してきている。

【米10年債債利回りは低下傾向続き、ダウは小安い】

11月21日に米長期債利回りは総じて低下した。
長期金利指標の10年債利回りは前日比0.03%低下の4.39%で終了した。10月23日の5.02%をピークとして米国の利上げ打ち止め感から低下傾向に入っており、21日は米国債入札低調で一時4.44%をつけてから失速し、11月17日に付けた4.38%を割り込まなかったものの日足ベースではこの間の最低となった。
30年債利回りは前日比0.02%低下の4.55%となり、一時は4.53%をつけて10月23日に付けたピークの5.18%以降の最低を更新した。
利上げ問題に敏感な2年債利回りは前日比0.03%低下の4.88%となり、10月19日の5.26%から11月17日の4.80%まで低下した後は下げ渋りの様相だが上昇再開感には至らない印象だ。
一方、NYダウは連騰一服で前日比62.75ドル安、ナスダック総合指数も84.55ポイント安と下落した。いずれも10月後半からの反騰で年初来高値に迫ったところにあるが、23日の休場を控えて利益確定売りに圧された印象だ。

【60分足 サイクル・一目均衡表分析】

【60分足 サイクル・一目均衡表分析】

ドル円は11月13日深夜高値151.90円を起点とした下落基調を続けている。11月15日夜安値でいったん目先の底を付けて戻してから一段安したために11月20日夜から22日夜にかけての間への下落を想定していたが、21日夕安値から22日早朝高値まで1.44円の反発となったため、21日夕安値で目先の底を付けたと思われる。22日午前序盤の失速で148円を再び試しているのですでに戻り一巡から下落期入りしている可能性もある。
底割れ回避のうちは22日の日中から23日夕にかけての間への上昇余地ありとするが、147.70円割れからは21日夕安値147.15円試しとし、底割れからは新たな下落期入りとして24日夕から28日夕にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では11月22日早朝への反発で遅行スパンは実線到達まで戻したもののその後は伸びずに悪化し、先行スパン下限に迫ったところから失速気味となっている。このため、遅行スパン悪化中は安値試し優先とし、先行スパンへ潜り込み始める場合は上昇継続の可能性ありとして先行スパン上限試しとし、先行スパンを上抜くところからは反騰が勢い付くとみて遅行スパン好転中の高値試し優先とする。

60分足の相対力指数は11月22日早朝への上昇時に60ポイントに迫ってから50ポイントまで失速している。55ポイント超えからは上昇再開とし、60ポイント超えからは70ポイント台を目指す可能性があるとみるが、45ポイント割れからは下落再開とみて20ポイント台への低下を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、147.70円を下値支持線、11月22日早朝高値148.59円を上値抵抗線とする。
(2)148円以上での推移か一時的に割り込んでも回復するうちは上昇余地ありとし、148.59円超えからは149円前後試しを想定する。149円以上は反落警戒とするが、148円台を維持しての推移なら23日も高値試しへ向かう可能性があるとみる。
(3)147.70円割れからは11月21日夕安値147.15円試しとし、147.15円割れからは146円台序盤への下落を想定する。146.25円以下は反騰注意とするが、147.70円以下での推移が続く場合は23日も安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の予定】

11/22(水)
17:35 (豪) ブロック豪中銀総裁、講演
22:30 (米) 新規失業保険申請件数 (前週 23.1万件、予想 22.6万件)
22:30 (米) 失業保険継続受給者数 (前週 186.5万人、予想 187.5万人)
22:30 (米) 10月 耐久財受注 前月比 (9月 4.6%、予想 -3.1%)
22:30 (米) 10月 耐久財受注・輸送用機器除く 前月比 (9月 0.4%、予想 0.1%)
24:00 (米) 11月 ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値 (速報 60.4、予想 60.6)
24:00 (欧) 11月 消費者信頼感・速報値 (10月 -17.9、予想 -17.6)
24:30 (米) EIA週間石油在庫統計

11/23(木)
休場 日本、米国
17:30 (独) 11月 製造業PMI・速報値 (10月 40.8、予想 41.1)
17:30 (独) 11月 サービス業PMI・速報値 (10月 48.2、予想 48.4)
18:00 (欧) 11月 製造業PMI・速報値 (10月 43.1、予想 43.3)
18:00 (欧) 11月 サービス業PMI・速報値 (10月 47.8、予想 48.0)
18:30 (英) 11月 製造業PMI・速報値 (10月 44.8、予想 45.0)
18:30 (英) 11月 サービス業PMI・速報値 (10月 49.5、予想 49.5)



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