ドル円、急落後に急反発。米感謝祭前のポジション調整は一巡か(11/22朝)

21日(火)のドル円相場は急落後に急反発。

ドル円、急落後に急反発。米感謝祭前のポジション調整は一巡か(11/22朝)

ドル円、急落後に急反発。米感謝祭前のポジション調整は一巡か

〇ドル円、株価の軟調、米金利低下、感謝祭前のポジション調整等に欧州時間に147.15まで急落
〇売り一巡後は90日線をバックに買い戻され、米国時間午後にかけ一時148.60まで急反発
〇ユーロドル、アジア時間に1.0966まで上昇後1.10を前に反落し、1.0900まで下落
〇ドル円、テクニカルには90日線に支えられ一部買いシグナルも継続、地合いは崩れていない
〇ファンダメンタルズも日米金融政策の方向性の違い、株価の堅調がドル円を支持
〇ドル高・円安トレンドの再開をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:147.75ー149.25

海外時間のレビュー

21日(火)のドル円相場は急落後に急反発。(1)日経平均株価の冴えない動き(リスク回避の円買い圧力)や、(2)米金利低下に伴うドル売り圧力(対主要通貨でのドル売り継続)、(3)米感謝祭を控えたポジション調整(円ショートの巻き戻し)、(4)テクニカル的な地合いの悪化(日足ローソク足が市場参加者に意識されていた一目均衡表雲上限を下方ブレイク)が重石となり、欧州時間朝方にかけて、約2カ月ぶり安値となる147.15(9/14以来の安値圏)まで急落しました。

しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(5)90日移動平均線を背にした押し目買い圧力や、(6)急ピッチな下落に対する反動買い(自律反発)、(7)米10年物インフレ連動債(TIPS)の低調な入札結果、(8)米FOMC議事要旨のタカ派的な結果(2会合連続で利上げを見送ったものの、インフレ高止まりへの警戒が続いていることを強調→利下げ条件や利下げ開始時期等にかかわる具体的な言及はなし)、(9)米長期金利の反転上昇が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値148.60まで急伸しました。

引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間11/22午前6時20分現在)では、148.40前後で推移しております。尚、昨日発表された米10月シカゴ連銀全米活動指数(結果▲0.49、予想0.00)、米10月中古住宅販売件数(結果379万件、予想390万件)はいずれも市場予想を下回る結果となりましたが、ドル売りでの反応は限られました。

21日(火)のユーロドル相場は上昇後に急反落。(1)米金利低下に伴うドル売り圧力や、(2)米感謝祭を控えたポジション調整(ユーロショートの逆流)が支援材料となり、アジア時間午後にかけて、高値1.0966(8/11以来、約3カ月半ぶり高値圏)まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(3)心理的節目1.1000を背にした戻り売り圧力や、(4)短期筋のストップSELL、(5)米10年物インフレ連動債(TIPS)の低調な入札結果、(5)米FOMC議事要旨のタカ派的な結果、(6)米金利上昇に伴うドル買い圧力、(7)ポルトガル中銀センテノ総裁による「インフレ率は上昇するよりも早く低下している」「ピーク金利に達した可能性が高い」とのハト派的な発言が重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.0900まで反落しました。

引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間11/22午前6時20分現在)では、1.0915前後で推移しております。尚、昨日はリトアニア中銀シムカス総裁による「ECBの利下げ開始時期について投資家は先走った見方をしている」とのタカ派的な発言や、ラガルドECB総裁による「インフレ勝利宣言を始める時期ではない」とのタカ派的な発言、シュナーベルECB専務理事による「長期的なインフレ期待は依然としてリスクを示唆」とのタカ派的な発言が見られましたが、ユーロ買いでの反応は限定的となりました。

本日の見通し

ドル円は一時147.15まで急落するも、引けにかけて148.60まで持ち直す動きとなりました。日足ローソク足が90日移動平均線に下支えされる形で急速に持ち直していることや、強い買いシグナルを示唆する「強気のパーフェクトオーダー」「ダウ理論の上昇トレンド」が成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合い(中長期上昇トレンド)は崩れていない(ここ数日間の急落はあくまで米感謝祭を控えたポジション調整が主因)と判断できます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる金融引き締め長期化観測(米FOMC議事要旨のタカ派的な内容→インフレ高止まりへの警戒感を強調→利下げ議論は時期尚早でFF金利の「より高く・より長く」シナリオが再浮上)や、(2)日銀による金融緩和の長期化観測(植田日銀総裁は「粘り強く金融緩和を続ける」方針を強調。先週発表された本邦第3四半期GDP速報値の悪化も金融緩和脱却を阻む一因)、(3)上記1、2を背景とした日米金融政策の方向性の違い(日米金利差に着目した円キャリートレードの再開期待)、(4)株式市場の堅調推移(伝統的金融市場のリスクオン継続)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。

米感謝祭前のポジション調整は一巡したと見られることから、当方では引き続き、ドル高・円安トレンドの再開をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は米MBA住宅ローン申請指数や、米10月耐久財受注速報値、米新規失業保険申請件数、米11月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値などが予定されています。

本日の予想レンジ:147.75ー149.25

注:ポイント要約は編集部

ドル円、急落後に急反発。米感謝祭前のポジション調整は一巡か

ドル円日足

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