東京市場のドルは147円台に突入、雲下限145円80銭水準が下値メドか
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、米10年債利回り低下や円キャリートレード解消などが影響して、10月3日以来となる147円台まで下落した。
昨晩の海外時間では、米10月の景気先行指数が市場予想を上回る悪化となったことから、4.48%台まで戻していた米10年債利回りが4.40%台まで低下。米長期金利低下に引っ張られ、ドルは売り優勢となり、20日の東京時間安値148円69銭をあっさり下回った。
東京時間でも、時間外の米10年債利回りが4.38%台まで下落するなど下げ止まらなかったことからドル売りが継続。ドルは、10月3日の乱高下以来となる147円台に突入した。今週は日米ともに祝日を控えていることから、円キャリートレードの解消が活発化しているとの指摘もあり、ドル安が加速したもよう。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:148円32銭
高値:148円41銭
安値:147円24銭
終値:147円78銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:162円31銭
高値:162円43銭
安値:161円45銭
終値:161円92銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:97円31銭
高値:97円42銭
安値:96円94銭
終値:97円08銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:185円49銭
高値:185円65銭
安値:184円58銭
終値:185円12銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:33453円15銭
高値:33460円32銭
安値:33254円73銭
終値:33354円14銭(前日比−33円89銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
19時15分、英、ベイリー英中銀総裁が財務委員会に出席
22時00分、欧、ハンガリー中銀政策金利、前回:12.25%、市場予想:11.5%
24時00分、米、中古住宅販売件数、前回:396.0万件、市場予想:391.0万件
25時00分、欧、ラガルドECB総裁がイベントにて講演
26時00分、欧、シュナーベルECB理事がイベントにて講演
26時35分、欧、センテノ・ポルトガル中銀総裁が金融政策について講演
28時00分、米、FOMC議事録
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円は、一目均衡表では、雲に突入しているほか、遅行スパンも実線を割り込むなどトレンドは悪化。148円50銭水準の雲上限を早いタイミングで回復できれば、下影(下ヒゲ)形成となるので短期リバウンドが期待できるところ。一方、ボリンジャーバンドでは、拡大する−2σを下方乖離している。20日移動平均線(MA)も明確に下向きとなったことから、いったんは雲下限が位置する145円80銭水準までのドル売りを覚悟したい。本日、下影を残せなかった場合は、今週145円台突入の地合いとなろう。
米国の追加利上げ期待がほぼ無くなっていることから、ドルインデックスは、9月頃の水準である103前半まで低下している。その時のドルは、対円で145円台後半から146円台水準だったことから、ドルインデックスを見る限り、ドルの下げ余地はまだある。この水準は雲下限も位置していることから、一定の下値メドとして見られよう。
足元、円キャリートレードの巻き戻しが発生しているとの観測だが、そもそもは14日の米消費者物価指数(CPI)に端を発した、米経済の弱さに伴う追加利上げ観測の後退が主要因である。
一方、コリンズ・ボストン連銀総裁やデイリー・サンフランシスコ連銀総裁など政府要人の発言からは、引き続き「タカ派」なコメントが散見される。つまり金融引き締めに積極的な意見が目立っているが、実体経済は弱くなっているという構図だ。仮にこの「タカ派」発言が「ややハト派」「ハト派」に転じた場合、ドル売りがより強まる可能性がある。
そういった意味で、今晩28時に公表される10月31日〜11月1日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録は注目だ。9月に続き2会合連続での利上げ休止を決定したFOMC会合だけあって市場の話題性も豊富だ。思わぬ「ハト派」発言が確認できた場合、ドルは下向きのバイアスを強めると考える。
下向きのトレンドが強まっていることから、今晩の海外時間は想定以上のドル売りを警戒しておきたい。上値メドは一目均衡表の雲上限水準の148円60銭、下値メドは一目均衡表の雲下限水準の145円80銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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