トルコ円見通し ドル円急落で5.20台序盤へ下落、8/24以降の下落継続感強まる(23/11/15)

トルコリラ円の11月14日は概ね5.30円から5.23円の取引レンジ、15日早朝の終値は5.25円で前日終値の5.30円から0.05円の円高リラ安だった。

トルコ円見通し ドル円急落で5.20台序盤へ下落、8/24以降の下落継続感強まる(23/11/15)

ドル円急落で5.20円台序盤へ下落、8月24日以降の下落継続感強まる

〇トルコ円、米CPI発表後にドル円急落で直前の5.30から11/15早朝5.23まで、大幅下落
〇米長期債利回りが大幅低下して為替市場はドル全面安となるも、トルコリラは先安感固く反応鈍い
〇対ドル、取引時間中及び終値ベースで史上最安値更新
〇ドルが買い拾われドル円が再び上昇し円安再開感が強まれば、トルコリラ円にも大きな支えに
〇今夜発表の米小売売上高やPPI、NY連銀景況指数等の内容次第で、ドル円やトルコ円の一段安も警戒
〇5.27を下回るうちは一段安警戒、5.23割れからは5.20前後への下落を想定
〇5.27前後は戻り売りにつかまりやすいとみる。5.27超えからは5.29試しとする

【概況】

トルコリラ円の11月14日は概ね5.30円から5.23円の取引レンジ、15日早朝の終値は5.25円で前日終値の5.30円から0.05円の円高リラ安だった。
10月の米CPI上昇率は全体の前月比が0.0%で9月の0.4%から大幅に鈍化して2022年7月以来の低い伸び率となり前年同月比は3.2%で9月の3.7%から大幅に鈍化した。このため米FRBは追加利上げをせずに来年5月には利下げを再開するのではないかとの見方が強まり米長期債利回りが大幅低下して為替市場はドル全面安となった。
ドル円は11月13日夜に151.90円を付けて年初来高値を更新したが、直後に151.20円まで一時的に急落するなど152円および昨年10月21日高値151.94円に迫った状況での高値警戒感も強まっていたが、米CPIの鈍化をきっかけとして151円を割り込んでから売り注文の連鎖反応で15日早朝安値150.13円まで大幅続落した。

トルコリラ円はドル円が11月6日から13日まで6連騰してきた流れを追いかけて11月6日午前安値5.21円から11月10日早朝高値5.32円へ上昇し、11月10日午後に5.25円まで反落したところも買い戻されて11月13日午前高値は5.32円止まりで一段高へ進めずに14日の日中は軟調な推移だった。米CPI発表後にドル円が急落したためトルコリラ円は直前の5.30円から15日早朝の5.23円まで大幅下落となり11月6日からの上昇幅の大半を解消した。

【対ドルでは取引時間中及び終値ベースで史上最安値を更新】

ドル/トルコリラの11月14日は概ね28.76リラから28.40リラの取引レンジ、15日早朝の終値は28.62リラで前日終値の28.56リラからは0.06リラのドル高リラ安だった。
11月14日夜の米CPI上昇率が市場予想を下回る低下となったことで米長期債利回りが大幅低下して為替市場はドル全面安となり、ユーロやポンド等のメジャー通貨が急伸したほか、豪ドルや南アランドなどの資源通貨も急伸したが、トルコリラは自身の先安感が固く反応は鈍かった。
11月15日早朝には28.76リラを付けて11月10日の28.73リラを超えて取引時間中の史上最安値を更新し、終値ベースでも13日からの続伸となり3営業日連続で史上最安値を更新した。

【8月24日以降の右肩下がりの展開続く】

トルコリラ円は11月10日早朝と11月13日午前に5.32円を付けてダブルトップ型としていたが、11月15日早朝への下落で11月10日午後の一時的な急落時に付けた安値5.25円を割り込んだためにダブルトップ型が完成している。
11月1日未明にドル円が急伸した際に付けた高値5.36円を超えずに下落したことにより、8月24日にトルコ中銀が7.5%利上げを決定したことによる急伸で付けた高値5.77円を起点とした右肩下がりの展開が継続している印象を強めている。

ドル円は10月26日高値150.77円から10月30日深夜安値148.80円までの下落幅1.97円や、11月1日未明高値151.71円から11月3日夜安値149.20円までの下げ幅2.51円から切り返しており、11月13日夜高値151.90円から11月15日早朝安値150.13円までの下げ幅1.77円に対してもそれらと同様に買い拾われて上昇を再開する可能性があり、円安再開感が強まればトルコリラ円にも大きな支えとなるが、152円へのトライが失敗したとの市場心理が重石となるようだと買い戻し一巡からもう一段安へと進みかねない。
今夜は米小売売上高やPPI(生産者物価指数)、NY連銀景況指数等の発表もあり、内容次第ではドル円の一段安もあり得ると注意し、その際はトルコリラ円も一段安を強いられるのではないかと警戒したい。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、11月10日午後安値を直近のサイクルボトムとして強気サイクル入りしたと思われるものの、11月10日早朝と13日午後の両高値をダブルトップとして下落期に入る可能性もあるとし、11月14日午前時点では5.27円割れからは弱気サイクル入りとした。
11月15日早朝への大幅下落により5.27円を割り込んだため、ダブルトップ形成からの弱気サイクル入りとして15日午後から17日午後にかけての間への下落を想定する。強気転換には5.27円を超える反騰が必要と思われる。

60分足の一目均衡表では11月14日夜からの急落で遅行スパンが悪化して先行スパンからも大幅に転落したため遅行スパン悪化中は安値試し優先とする。遅行スパン好転からは戻りを試すとみるが、その際は先行スパン下限が上値抵抗線となりやすいと注意し、先行スパンを下回る状況で遅行スパンが再び悪化するところからは下げ再開とする。

60分足の相対力指数は11月15日早朝への下落で20ポイント台へ低下してからも30ポイント近辺までの戻りにとどまっているのでまだ一段安余地ありとみるが、40ポイント超えからは反騰の可能性ありとみて50ポイント超えを試す上昇を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、5.23円を下値支持線、5.27円を上値抵抗線とする。
(2)5.27円を下回るうちは一段安警戒とし、5.23円割れからは5.20円前後への下落を想定する。5.20円以下は反騰注意とするが、5.27円以下での推移なら16日も安値試しへ向かいやすいとみる。
(3)5.27円前後は戻り売りにつかまりやすいとみる。5.27円超えからは5.29円試しとするが、その後に5.26円を割り込むところからは下げ再開とみる。

【当面の主な予定】

11月15日
 17:00 10月 財政収支 (9月 -1292億リラ)
11月16日
 20:30 週次 外貨準備高 11月10日時点 グロス (11月3日時点 839.4億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 11月10日時点 ネット (11月3日時点 247.4億ドル)
11月17日
 16:00 11月 トルコ中銀ビジネスサーベイ(年末CPI等の予想)
11月20日
 23:30 10月 中央政府債務 (9月 6兆700億リラ)
11月22日
 16:00 11月 消費者信頼感指数 (10月 74.6)
11月23日
 20:00 トルコ中銀 政策金利 (現行 35.0%)


注:ポイント要約は編集部

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