ユーロ チャンネル内で下降トレンドを継続中(週報10月第3週)

先週のユーロドルは前週末にハマスによるイスラエル大規模空爆があり情勢が緊迫化、場所的に近いという地政学的リスクによるユーロ売りから始まりました。

ユーロ チャンネル内で下降トレンドを継続中(週報10月第3週)

チャンネル内で下降トレンドを継続中

〇先週のユーロドル、複数の米地区連銀総裁ハト派発言でドル売りユーロ買い、週後半1.06台半ばへ上昇
〇その後は強い米CPI受けドル買い戻し、週末は地政学リスク警戒したユーロ売りで週間安値を更新し引け
〇テクニカルにはチャンネル内での下降トレンド継続、10月安値1.0447レベルがターゲット
〇今週多く予定されるECB関係者の講演、インフレに警戒感残しつつ利上げに慎重な発言になるか
〇今週は先週同様に安値のやや手前1.0470レベルをサポート、1.0590レベルをレジスタンスとする

今週の週間見通しと予想レンジ

先週のユーロドルは前週末にハマスによるイスラエル大規模空爆があり、イスラエルも反撃したことから一気にイスラエル情勢が緊迫化、場所的に近いという地政学的リスクによるユーロ売りから始まりました。月曜早朝市場では前週末の引け1.05台後半からギャップダウンして始まりましたが、月曜の押しは1.05台前半までで積極的な値動きに繋がるほどではありませんでした。

翌日には複数の米地区連銀総裁が年内の利上げに慎重な姿勢を示したことからドル売り・ユーロ買いの動きとなり火曜には週初のギャップを埋めて一段高、木曜には1.06台半ばまで上昇、そして強い米国CPIを受けてのドル買い戻し(ユーロ売り)、週末は改めて地政学的なリスクを警戒したユーロ売りにより週間安値を更新して引けることとなりました。

今週はECB関係者の講演が続きますが、欧州の景気悪化を見込んでいるECBが更なる利上げに動くとは考え難く、おそらくはインフレに警戒感を残しつつも利上げには慎重という発言になることは間違いないでしょう。もしタカ派な発言が出たとしてもユーロ買いに動くのは一時的で、景気への悪影響を懸念したユーロ売りになる可能性が高いと言えそうです。

そして、ここ2か月ほどは最も参考になるのが日足チャートです。いつもの日足チャートをご覧ください。

チャンネル内で下降トレンドを継続中

7月高値からの平行下降チャンネル(青)の中で先週は上限を目指し、上限に到達したと思ったら反落と見事なチャンネル内での下降トレンド継続を見せています。現在は下げる動きとなっていて、10月安値の1.0447レベルをターゲットにしていると考えてよさそうです。上値はチャンネル上側のラインが今週は1.06水準から1.05台後半を下降中となりますので、1.05台後半が戻りの限界点となります。

このチャンネルを明確に抜けるまでは下降チャンネル内での動きを考えることとなりますので、今週は先週同様に安値のやや手前となる1.0470レベルをサポートに、1.0590レベルをレジスタンスとします。

今週のコラム

今週はユーロ円の日足チャートを見てみます。

チャンネル内で下降トレンドを継続中 2枚目の画像

ユーロ円もドル円で円が急騰した10月3日に大きく下げる動きとなりましたが、その後はそれまでのレンジへと戻しています。ピンクの2本の水平線は9月のレンジである156.58と158.64に引いてありますが、どうもこのレンジ内での動きが居心地は良さそうです。

特に上値158.64レベルは何度トライしても反落していて、先週のユーロ円も同じ動きを見せました。現在は下値に向かいやすい地合いと考えられ、下のラインと重なる156円台半ばをターゲットとする動きになって行きそうです。

今週の予定

今週注目される経済指標と予定はドル円週報に示してあるものと共通です。ドル円週報の「今週の予定」をご参照下さい。なお、その中でユーロの値動きに特に影響が出ると考えられる予定は以下のものです。重要な予定として注意しておきましょう。特に重要度の高いイベントに☆印を付けました。

10月16日(月)
16:00 フランス中銀総裁講演 ☆
18:00 ユーロ圏8月貿易収支
**:** ユーロ圏財務相会合

10月17日(火)
15:00 英国9月失業率
18:00 ドイツ10月ZEW景況感
18:00 ユーロ圏10月ZEW景況感
26:00 デギンドスECB副総裁講演 ☆

10月18日(水)
15:00 英国9月CPI ☆
18:00 ユーロ圏9月CPI
18:00 ユーロ圏8月建設支出

10月19日(木)
15:45 フランス10月企業景況感

10月20日(金)
08:01 英国10月消費者信頼感
15:00 ドイツ9月PPI ☆
15:00 英国9月小売売上高

前週のユーロレンジ

前週のユーロレンジ

(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。
為替の高値・安値は東京午前9時ーNY午後5時のインターバンクレート。

先週の概況

10月9日(月)
 ユーロドルはイスラエル情勢が緊迫化していることを受けギャップダウンして始まり、雇用統計後に前週高値を更新した動きの調整も加わり、欧州市場序盤には1.0520レベルの安値をつけました。しかしNY市場ではドル売りの動きが強まったことから引けにかけては東京朝方の水準へと戻して引けました。

10月10日(火)
 ユーロドルは上下しながらも買いが継続しました。フランス中銀総裁による利上げ打ち止め発言もありましたが、米国からも地区連銀総裁による利上げ打ち止め発言も出たため、結果としてはNY市場での米金利低下に引っ張られ、ユーロドルは1.0620レベルまで上昇。引けにかけては若干押しての引けとなりました。

10月11日(水)
 ユーロドルは高値圏で神経質な値動きとなっていたものの、どちらかと言えば底固い動きが目立ちNY前場には1.0635レベルの高値をつけました。しかし値幅は狭く終日のレンジは54pipsに留まりました。

10月12日(木)
 ユーロドルはNY市場までは小動きでしたが、欧州市場では1.0640レベルと前日高値をわずかに更新、その後米国CPIを受けたドル買いの動きからユーロドルは1.0526レベルまで下げ安値圏での引けとなりました。

10月13日(金)
 ユーロドルは東京市場では米金利低下に引っ張られてのドル売り(ユーロ買い)が先行しましたが、海外市場に移ってからはイスラエル情勢を悪材料としたユーロ売りが出て1.0496レベルまで下押し後、若干戻して引けました。

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