東京市場のドルは149円台半ばでの小動き、中東情勢警戒で売買は手控え
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、緊張感高まる中東情勢をにらみ、積極的な売買は手控えられ、149円台半ばでの小動きとなった。
先週末の海外時間では、10月のミシガン大学消費者信頼感指数が63.0と9月の68.1、市場予想の67.2ともに下回ったことで、10年債利回りが4.59%台まで低下。ただ、中東情勢の緊張感が日に日に増していることなどから、ドルの下げ幅は限定的となり、149円台半ばでのもみ合いとなった。
東京時間も、パレスチナ自治区ガザへのイスラエル軍の地上侵攻を巡る緊張感の高まりが、積極的な売買を手控える要因となった。19日にパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長講演を控えていることも様子見ムードを強める材料に。なお、株式市場では日経平均が700円超の大幅安となる場面も見られたが、影響は限定的となった。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:149円59銭
高値:149円63銭
安値:149円38銭
終値:149円46銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:157円39銭
高値:157円42銭
安値:157円19銭
終値:157円35銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:94円32銭
高値:94円56銭
安値:94円22銭
終値:94円50銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:181円76銭
高値:181円82銭
安値:181円55銭
終値:181円81銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:31983円04銭
高値:31999円79銭
安値:31564円31銭
終値:31659円03銭(前日比−656円96銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
21時30分、米、ニューヨーク連銀製造業景気指数、前回:1.9、市場予想:−5.8
21時00分、米、イエレン米財務長官がユーロ圏財務相会合で演説
23時30分、米、ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁が米経済見通しについて講演
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円は、一目均衡表の雲上限を上放れているほか、遅行スパンも実線を上回っていることから目先のトレンドは強いが、3日の乱高下以降、20日MAがサポートラインとして機能しているが、心理的な節目である150円も目先の上値抵抗ラインとなりつつあり、狭いレンジ推移となっている。
ドルは引き続き149円台の狭いレンジ推移となっている。10日のヒストリカルボラティリティ(HV)は5.92と、7月につけた4.1より上で推移しているが、30日HVは5.80と2022年3月以来の低水準である。かなり膠着感が強まった地合いと言えよう。
ドルの膠着要因の根本は、高い米10年債利回りと、150円水準での政府・日銀による為替介入懸念の攻防が挙げられる。そして、先週頭から、こうした要因に中東情勢の緊張感も加わった。情報のスピード化や密接な経済のつながりなどを考慮すると、世界地図は年々小さくなっていることから、「遠くの戦争は買い」といった相場格言は忘れたほうがいい。大昔の格言に従うと火傷をしてしまう怖い時代だ。
市場は、イスラエル軍とイスラム組織ハマスとの大規模な地上戦突入を恐れている。仮に地上戦勃発となった場合、大国イランが関与する可能性が高い。直接参戦する可能性もあれば、レバノンの親イラン民兵組織ヒズボラを通じて関与するケースと様々な想定が飛び交っている。バイデン米大統領が数日以内にイスラエルを訪問するとの話も浮上していることから、この数日は中東情勢を睨み身動きが取れない相場展開となりそうだ。イラン参戦となれば、中東の混乱は長期化する公算が大きくなり、リスク回避の地合いも長くなる。原油、金、為替、株式、債券など様々な市場にネガティブな影響が及ぶと考える。
今晩の海外時間は目立った経済指標の発表が予定されていないことから、中東情勢緊張化に伴い狭いレンジ推移となろう。上値メドは149円80銭、下値メドは149円20銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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