トルコリラ週報:『狭いレンジ内で方向感に欠ける展開。来週もドル円との連動相場が継続か』(10/14朝)

トルコリラの対円相場はレンジ内(5.30ー5.50)での冴えない動きが続いています。

トルコリラ週報:『狭いレンジ内で方向感に欠ける展開。来週もドル円との連動相場が継続か』(10/14朝)

『狭いレンジ内で方向感に欠ける展開。来週もドル円との連動相場が継続か』

〇今週のトルコ円、レンジ内(5.30ー5.50)での冴えない動き続く
〇主要テクニカルポイントの下で推移、売りシグナルも継続、テクニカルの地合い弱い
〇ファンダメンタルズはトルコ政府・中銀による正常化路線と経済回復期待等がサポート
〇引き続き、トルコリラ円相場の上昇をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(TRYJPY):5.25ー5.55

今週のレビュー(10/9−10/13)

今週のトルコリラ円相場(TRYJPY)は、週初5.39円で寄り付いた後、(1)中東情勢を巡る地政学的リスクの高まり(パレスチナ自治区のガザを実効支配するハマスとイスラエルとの衝突)や、(2)上記1を背景とした伝統的金融市場のリスク回避ムード(リスク回避の円買い圧力→ドル円下落→トルコリラ円連れ安)が重石となり、週明け早々に、週間安値5.28円まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(3)トルコ8月失業率(結果9.2%、前回9.4%)の前回比改善や、(4)質への逃避の米債買い圧力(中東情勢を巡る地政学的リスク→質への逃避の米債買い圧力→米長期金利低下→株高・リスクアセット上昇→市場心理改善)、(5)ドル円相場の持ち直し(ドル円上昇→トルコリラ円連れ高)が支援材料となり、週央にかけて、一時5.41円まで反発しました。

もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、(6)トルコ8月鉱工業生産(結果+3.1%、予想+5.0%)の市場予想を下回る結果や、(7)トルコ8月経常収支(結果6.2億ドル赤字、予想5.5億ドル赤字)の赤字幅の予想比拡大が重石となり、本稿執筆時点(日本時間10/14午前4時20分現在)では、5.37円前後で推移しております。

来週の見通し(10/16−10/20)

トルコリラの対円相場はレンジ内(5.30ー5.50)での冴えない動きが続いています。日足ローソク足が主要テクニカルポイント(21日線、90日線、200日線、ボリンジャーミッドバンド、一目均衡表転換線、基準線、雲上下限)の下側で推移していることや、強い売りシグナルを示唆する「一目均衡表三役逆転」「弱気のパーフェクトオーダー」が成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは弱いと判断できます。

但し、ファンダメンタルズ的に見ると、(1)トルコ政府・トルコ中銀による正常化路線への180度転換(シムシェキ財務相、エルカン総裁は失われた信用を取り戻すべく、就任早々より経済政策・金融政策の正常化を推進→大手格付け会社によるトルコ格付け見通しの上方修正→外国人投資家マネーの回帰期待)や、(2)トルコ中銀による金融引き締め長期化観測(トルコ中銀はエルドアン氏再選以降、わずか4ヵ月で政策金利を8.5%から30.0%へ大幅利上げ→エルドアン大統領もトルコ中銀の利上げスタンスを容認→実質金利のマイナス幅縮小に伴うトルコリラ買い)、(3)上記2を背景とした日本とトルコの金融政策格差(対トルコリラでの円キャリートレード)、(4)トルコ経済の回復期待(直近で発表されたトルコ経済指標は総じて堅調)など、トルコリラ円相場の好材料が揃っています。

『狭いレンジ内で方向感に欠ける展開。来週もドル円との連動相場が継続か』

以上を踏まえ、当方では引き続き、トルコリラ円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします。尚、来週はトルコ9月財政収支以外に目立った経済イベントが予定されていないため、週を通してドル円相場を追いかける展開(ドル円相場に連動した動き)となりそうです。

来週の予想レンジ(TRYJPY):5.25ー5.55

注:ポイント要約は編集部

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