チャンネル内で安値更新の流れを繰り返し中
〇先週のユーロドル、10/3週間安値1.0448レベルをつけてじり高推移、週末1.0600レベルの高値つける
〇テクニカルには7月高値からの平行下降チャンネルの中で下限で下げ止まり、上限に向け調整の上昇局面
〇ドルインデックスの日足チャート、平行上昇チャンネルの中で着実にドル高の動きが続く
〇下抜ける動きが出てくるまではドル買い継続、サポートラインを下抜ける場合、短期ドル売りも
〇今週は先週安値のやや手前1.0470レベルをサポート、1.0640レベルをレジスタンスのレンジを見る
今週の週間見通しと予想レンジ
先週のユーロドルはドル円とは異なり週初に下げ、ドル円での介入と見られる下げでユーロ円にも売りが入ったことから火曜NY市場で週間安値1.0448レベルをつけました。その後金曜まではじり高、米国雇用統計で非農業部門雇用者数が予想よりも大幅に多かったことを受け一時的に下げる場面も見られましたが、週末クローズを前に1.0600レベルと週間高値をつけ、高値圏での引けとなりました。
先週はドル円の150円トライとその後の急落に注目が集まり、ユーロドルは目立った動きは無かったのですが、後で見るテクニカルな観点からは下げるべきポイントまで下げた後に反転上昇した動きとなり、どちらかと言えばテクニカルな動きが目立った一週間であったと思います。そして今週はECB関係者の講演や理事会の議事録公表など重要なイベントもありますが、2週目はそれほどインパクトの強い経済指標があるわけでも無く、引き続きテクニカルな動きを継続しやすい週となりそうです。
早速ですが、テクニカルにはいつもの日足チャートをご覧ください。
7月高値からの平行下降チャンネル(青)の中で先週も順調に下げ続け、火曜にチャンネル下限で下げ止まってチャンネルの上限に向けての調整の上昇局面にあることがわかります。中期的には安値を更新する流れですし、上昇に転じるにはチャンネル上限のレジスタンスを明確に上抜けていく必要があります。このレジスタンスラインは週初に1.06台半ば、週末に1.06水準というのが今週の位置関係です。
また安値についてはチャンネル上側のラインに近づいてからの下げを考えると、新安値更新は今週ではなく来週以降となりそうなパターンとなっています。こうしたテクニカルな観点から、今週は先週安値のやや手前1.0470レベルをサポートに、レジスタンスを意識して1.0640レベルをレジスタンスと先週の見方と同じレンジを見ておくこととします。
今週のコラム
先週はドルインデックスの週足チャートを見て、ドルインデックスはダマシの下げの後の上昇極圏にあるということを見ましたので、今週は日足チャートで見てみることにしましょう。
ドルインデックスの57.6%がユーロとなっていることから、ほぼユーロドルのチャートの上下を入れ替えたチャートに近いのですが、やはりきれいな平行上昇チャンネルの中で着実にドル高の動きが続いていることがわかります。
先週末の米国雇用統計の強い数字が引き締めの長期化、そしてドル高という動きにつながるであろうことを考えると、しばらくはこのドル上昇トレンドは変わりそうもありません。テクニカルにはチャンネルを下抜ける動きで出てくるまではドル買いの動きを継続せざるを得ない状況と言えるでしょう。ただ、ドルインデックスでは既にサポートラインに接する水準にいますので、今週このチャンネルを下抜ける動きが出てくる場合には、短期ドル売りを考えることが良さそうです。
今週の予定
今週注目される経済指標と予定はドル円週報に示してあるものと共通です。ドル円週報の「今週の予定」をご参照下さい。なお、その中でユーロの値動きに特に影響が出ると考えられる予定は以下のものです。重要な予定として注意しておきましょう。特に重要度の高いイベントに☆印を付けました。
10月9日(月)
15:00 ドイツ8月鉱工業生産
17:00 デギンドスECB副総裁講演 ☆
17:15 ポルトガル中銀総裁講演
21:00 スペイン中銀総裁講演
10月10日(火)
08:01 英国9月小売売上高
10月11日(水)
15:00 ドイツ9月CPI
27:00 FOMC議事録公表 ☆
10月12日(木)
08:01 英国9月住宅価格
15:00 英国8月鉱工業生産、貿易収支
20:30 ECB理事会議事要旨公表 ☆
10月13日(金)
15:45 フランス9月CPI
17:00 英中銀総裁講演 ☆
18:00 ユーロ圏8月鉱工業生産
前週のユーロレンジ
(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。
為替の高値・安値は東京午前9時ーNY午後5時のインターバンクレート。
先週の概況
10月2日(月)
ユーロドルは米金利上昇の動きに素直にユーロ売りで反応し、年初来安値も下回ったことから1.0477レベルまで下押しし安値引けとなりました。ユーロ円もユーロドルでの下げが大きかったことから157.00レベルまで下押しし同じく安値引けとなりました。
10月3日(火)
ドル円はNY市場で150円台乗せ後の急落を演じましたが、ユーロドルはドル円の動きをよそに欧州市場で若干の上下を見た程度で一日のレンジも46pipsにとどまりました。ユーロ円はユーロドルが動かない中でドル円の上昇と急落の影響を受け、157円台前半から154円台前半へと急落後に156円前後に戻しての引けとなりました。
10月4日(水)
ユーロドルは東京市場では動意薄、安値をトライしきれず欧州市場に入ってきたこともあって米金利が低下する動きとともにドル売り(ユーロ買い)の動きとなりました。NY朝方には1.0532レベルまで上昇後、やや押して引けました。
10月5日(木)
ユーロドルはドル円同様に東京市場ではドル売り(ユーロ買い)後のドル買い(ユーロ売り)となり、海外市場ではドル安(ユーロ高)の動きとなりました。ユーロ円はドル円とユーロドルの若干の動きのズレによる上下はありましたが、ほぼ横ばいで方向感の無いままに一日を終えました。
10月6日(金)
ユーロドルは東京市場ではドル買いの動きからユーロ売り、欧州市場ではドル円とともにユーロ円の買いも見られたことからユーロ買いが強まりました。雇用統計直後はドル買いの動きから1.0482レベルの安値をつけましたが、米金利が下落に転じる動きでユーロに買いが入り、ストップオーダーも引っ掛けながら1.0600レベルと週間高値をつけ、そのまま高値圏での引けとなりました。
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