『約1カ月半ぶり安値圏へと大幅下落。ファンダメンタルズの弱さがランドの重石』
〇今週の南ア円、週後半にかけ安値7.58(8/16以来、約1ヵ月半ぶり安値圏)へと急落
〇南ア指標の不冴え、米金融引き締め長期化観測、金・プラチナ価格の大幅下落が重石に
〇南ア円、主要テクニカルポイント下抜け、売りシグナルも成立、テクニカルの地合い弱い
〇ファンダメンタルズも南ア、中国の経済の先行き不透明感等が重石に
〇引き続き、南アランド円相場の続落をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):7.55ー7.85
今週のレビュー(10/2−10/6)
今週の南アフリカランド円相場(ZARJPY)は、週初7.89円で寄り付いた後、早々に週間高値7.93円まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(1)前週末金曜日に記録した約1カ月ぶり高値7.95円を背にした戻り売り圧力や、(2)南ア9月製造業PMI(結果45.4、予想49.5)の市場予想を大幅に下回る結果、(3)南ア9月Naamsa自動車販売(結果▲4.1%、前回▲3.1%)の冴えない結果、(4)米FRBによる金融引き締め長期化観測(南アフリカから米国への資金流出圧力→南アランドの対ドル相場は6/2以来の安値圏へ急落→南アランド円連れ安)、(5)金・プラチナ価格の大幅下落(南アフリカの交易条件悪化懸念)、(6)南ア9月スタンダード銀行PMI(結果49.9、前回51.0)の冴えない結果(好不況の分かれ目となる50割れ)、(7)南ア株の軟調推移(昨年11/11以来の安値圏)が重石となり、週後半にかけて、週間安値7.58円(8/16以来、約1ヵ月半ぶり安値圏)へと急落しました。引けにかけて持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間10/7午前2時40分現在)では、7.74円前後で推移しております。
来週の見通し(10/9−10/13)
南アランドの対円相場は、9/29に記録した約1カ月ぶり高値7.95円をトップに反落に転じると、今週後半にかけて、約1カ月半ぶり安値となる7.58円(8/16以来の安値圏)へと急落しました。日足ローソク足が主要テクニカルポイント(21日線、90日線、ボリンジャーミッドバンド、一目均衡表転換線、基準線、雲上下限)を軒並み下抜けしたことや、強い売りシグナルを示唆する三役逆転が成立したこと、ダウ理論の上昇トレンドが崩壊したこと等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは弱いと判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)南アフリカ経済の先行き不透明感(国営電力会社エスコムによる電力制限が南アフリカ経済の中長期的な懸念要因→南ア9月製造業PMIは好不況の分岐点となる50を8カ月連続で割り込む展開。南ア9月スタンダード銀行PMIも好不況の分かれ目となる50割れ)や、(2)中国経済の先行き不透明感(今週発表された中国9月財新製造業PMI、非製造業PMIは共に市場予想を下回る結果)、
(3)米FRBによる金融引き締め長期化観測(南アフリカから米国への資金流出圧力)、(4)上記3を背景とした金・プラチナ価格の冴えない動き(米長期金利上昇→米ドル急伸→米ドルと逆相関性の強い金・プラチナ価格急落→南アフリカの交易条件悪化懸念)など、南アランド円相場の下落を連想させる悪材料が揃っています。最後の砦として意識されている200日移動平均線(7.52円)を割り込むことが出来れば、8/9安値7.51円や、7/7安値7.46円も射程圏内に入ってくるため、当方では引き続き、南アランド円相場の続落をメインシナリオとして予想いたします。尚、来週は10/12に発表される南ア8月製造業生産以外に目立った経済イベントが予定されていないため、米長期金利を睨みながらの神経質な値動きが続きそうです。
来週の予想レンジ(ZARJPY):7.55ー7.85
注:ポイント要約は編集部
南ア円日足
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