トルコリラ円見通し 8月24日急伸幅の大半を解消するも週末は反騰(23/9/4)

トルコリラ円の9月1日は概ね5.48円から5.41円の取引レンジ、9月2日早朝の終値は5.46円で前日終値の5.44円からは0.02円の円安リラ高だった。

トルコリラ円見通し 8月24日急伸幅の大半を解消するも週末は反騰(23/9/4)

8月24日急伸幅の大半を解消するも週末は反騰

〇トルコ円、超大幅利上げを受けた急伸後失速、8/29夜以降はドル円下落も重なり右肩下がりの展開
〇9/1米雇用統計発表から為替市場は乱高下、トルコ円、ドル円の動きを追いかける
〇9/4午前序盤はドル安リラ高を反映し、8/31夜高値を超えて右肩下がりから抜けだす
〇対ドル、9/1は概ね26.74から26.49の取引レンジ、しばらくは8/24のレンジ内で方向感探る展開続くか
〇9/4夕刻のトルコ8月CPI(消費者物価指数)発表に要注目
〇5.45を上回るうちは上昇余地ありとし、5.55超えからは5.60前後への上昇を想定
〇5.45割れからは下落期入りとみて9月1日夜安値5.41試しを想定

トルコリラ円の9月1日は概ね5.48円から5.41円の取引レンジ、9月2日早朝の終値は5.46円で前日終値の5.44円からは0.02円の円安リラ高だった。週間では8月25日終値5.51円から0.05円の円高リラ安だった。
8月24日にトルコ中銀が市場予想の3倍となる超大幅利上げを決定したことで直前の5.34円近辺から5.77円へ急伸したが、8月25日は急騰一巡によるリラ安のぶり返しで失速し、8月29日夜以降はドル円の下落も重なったために戻り高値を切り下げては安値も切り下がる右肩下がりの展開に入った。
9月1日は米雇用統計発表から為替市場が乱高下となり、ドル円は発表直後に144.44円へ急落してから2日未明高値146.29円へ急伸し、トルコリラ円もドル円の急落場面で直前の5.43円から5.41円へ急落してからドル円の急反騰を見て2日未明に5.48円へ急伸、その後も5.47円以上を維持した。

9月4日午前序盤はドル/トルコリラにおけるドル安リラ高を反映して一時的な急伸を含めて8月31日夜高値を超えて右肩下がりから抜けだしている。
ドル円の反騰が継続できればトルコリラ円もドル円を追いかけながら8月24日急伸後の修正安が落ち着いて上昇再開のきっかけをつかむ可能性があるが、ドル円の方向性が定まらないうちはドル/トルコリラにおけるリラ安に圧されかねないところと思われる。しばらくは方向性を探る展開が続きそうだ。

【対ドルでは急騰後の揺れ返しがやや落ち着く】

ドル/トルコリラの9月1日は概ね26.74リラから26.49リラの取引レンジ、9月2日早朝の終値は26.63リラで前日終値の26.65リラからは0.02リラのドル安リラ高だった。週間では8月25日終値の26.55リラから0.08リラのドル高リラ安だった。
8月24日のトルコ中銀による超大幅利上げをサプライズとして直前の27リラ近辺から25.02リラへ急伸したが、リラ買いが一巡した後は高金利と7月からの増税ラッシュによる今後への悪影響を意識して揺れ返しのリラ安に入り、8月31日には安値で26.80リラまで安値を切り下げた。8月24日の急騰時のレンジ内に収まっているものの、超大幅利上げに続くリラ買いへの二の矢、三の矢となる強気材料にかけているため、まだしばらくは8月24日の高安レンジ内で方向感を探る展開を続けるのではないかと思われる。
9月4日午前は一時26.49リラを付けるなどドル安リラ高で開始している。

【9月4日夕刻、トルコ8月CPIに注目】

9月1日に発表されたイスタンブールの8月RPI(小売物価指数)の上昇率は前月比8.8%で7月の9.84%から若干鈍化したもののかなりの高水準にとどまり前年比は74.17%となった。小売物価で前月比の上昇が目立ったのは運輸と通信で32.29%、食品で9.77%、家庭用品で8.94%だった。
イスタンブールの8月WPI(卸売物価指数)の上昇率は6.65%で前年比は66.18%。前月比で上昇が目立ったのは鉱物で9.44%、燃料・エネルギーが8.28%、食品が8.23%等だった。
9月4日にトルコ8月CPI(消費者物価指数)発表がある。市場の事前予想では前月比が7月の9.49%に対して7.00%へ若干の鈍化(予想レンジは5.30%から8.40%)、前年比が7月の47.83%から55.90%へ上昇(予想レンジは53.40%から57.90%)となっている。

エネルギーや食品を除いたコアCPIは7月の前月比が9.6%、前年比が56.1%で全体のCPIを上回っており、高インフレが一向に収まっていないことを示したが、8月についてもさらに上昇すると思われる。
トルコは7月から付加価値税やガソリン税などの増税ラッシュがあり、製造業及び非製造業でのコストアップが続いている。リラ安による通貨インフレも影響が大きい。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、トルコ中銀の超大幅利上げによる急伸一巡で下落期に入ったとして28日午前時点では24日夜高値をサイクルトップとして29日午前から31日午前にかけての間への下落を想定してきた。
9月1日午前時点では8月31日夜高値をサイクルトップとした新たな弱気サイクル入りとしたが、31日夜高値を上抜く場合は直前安値をボトムとした強気サイクル入りとした。
9月1日夜の米雇用統計発表後に一段安してから31日夜高値に迫り、9月4日午前には超えたため、9月1日夜安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとし、30日午後高値を基準として9月4日の日中から6日午後にかけての間への上昇を想定する。ただし、5.45円割れからは戻り一巡による弱気サイクル入りとして6日夜から8日夜にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では9月1日夜安値からの反騰により遅行スパンが好転し、9月4日午前には先行スパンを上抜いたため、遅行スパン好転中の高値試し優先とする。ただし、先行スパンから転落する場合は下落再開を疑い遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は9月1日夜の急落時に30ポイントまで低下してその後の反騰で60ポイントに迫り、4日午前には70ポイントまで戻した。50ポイント以上を維持するうちは70ポイント台後半を試す上昇の可能性ありとするが、50ポイント割れからは下落期入りとして30ポイント以下を目指す下落を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、5.45円を下値支持線、5.55円を上値抵抗線とする。
(2)変動幅が大きいため、5.45円を上回るうちは上昇余地ありとし、5.55円超えからは5.60円前後への上昇を想定する。5.60円以上は反落注意とするが、5.57円を上回っての推移なら5日の日中も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)5.45円割れからは下落期入りとみて9月1日夜安値5.41円試しを想定する。5.42円以下は反騰注意とするが、5.44円以下での推移なら5日の日中も安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

9月4日
 16:00 8月 CPI(消費者物価指数) 前月比 (7月 9.49%、予想 7.0%)
 16:00 8月 CPI(消費者物価指数) 前年同月比 (7月 47.83%、予想 55.9%)
 16:00 8月 コアCPI 前月比 (7月 9.6%)
 16:00 8月 コアCPI 前年同月比 (7月 56.1%)
 16:00 8月 PPI(生産者物価指数) 前月比 (7月 8.23%)
 16:00 8月 PPI(生産者物価指数) 前年同月比 (7月 44.5%)

9月7日
 20:00 週次 外貨準備高 9月1日時点 グロス (8月25日時点 759.6億ドル)
 20:00 週次 外貨準備高 9月1日時点 ネット (8月25日時点 143.4億ドル)
 23:30 8月 財務省現金残 7月 (192.96億リラ)
9月11日
 16:00 7月 鉱工業生産 前月比 (6月 1.6%)
 16:00 7月 鉱工業生産 前年同月比 (6月 0.6%)
 16:00 7月 失業率 (6月 9.6%) 
 16:00 7月 経常収支 (6月 6.74億ドル)


注:ポイント要約は編集部

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