南アランド週報:『チャイナリスクの後退と実質金利の上昇が南アランドの支援材料』(9/2朝)

南アランドの対円相場は、週後半にかけて一時7.67円まで下げ幅を広げましたが、週末にかけては一転して持ち直す動きとなりました

南アランド週報:『チャイナリスクの後退と実質金利の上昇が南アランドの支援材料』(9/2朝)

『チャイナリスクの後退と実質金利の上昇が南アランドの支援材料』

〇今週の南ア円、株高背景のリスク選好回復、円安進行等に週初7.95まで上昇
〇その後は南ア指標の悪化、円急落等に7.67まで急落、7.76前後に持ち直して越週
〇テクニカルには21日線にサポートされ反発、買いシグナルも点灯、地合い強い
〇ファンダメンタルズも中国リスクや米金融引き締め長期化観測の後退がサポート
〇南アランド円相場の見通しをベアからブルへと変更
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):7.65ー7.95

今週のレビュー(8/28−9/1)

今週の南アフリカランド円相場(ZARJPY)は、週初7.86円で寄り付いた後、(1)世界的な株高を背景としたリスク選好の新興国通貨買いや、(2)中国財務省による資本市場活性化措置および中国国家発展改革委員会によるマクロ政策調整強化に伴うチャイナリスクの後退期待(人民元相場や中国株の持ち直し→中国と経済的な結びつきの強い南アランドに上昇圧力)、(3)対主要通貨での円売り圧力(ドル円が年初来高値147.38まで急上昇→南アランド円連れ高)が支援材料となり、翌8/29にかけて、週間高値7.95円(8/1以来の高値圏)まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(4)南ア7月財政収支(結果1438億ZAR赤字、予想1155億ZAR赤字、前回367億ZAR黒字)の赤字転落や、(5)対主要通貨での円買い圧力(ドル円が8/29に記録した年初来高値147.38から急反落→南アランド円連れ安)が重石となり、週後半にかけて、週間安値7.67円まで急落しました。

もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、(6)南ア7月生産者物価指数(結果+2.7%、予想+3.0%)の市場予想を下回る結果(南アランドの実質金利上昇)や、(7)南ア8月製造業PMI(結果49.7、予想47.6)の市場予想を上回る結果、(8)金・プラチナ価格の堅調推移(米長期金利急低下→米ドル急落→米ドルと逆相関性の強い金・プラチナ価格急上昇→南アフリカの交易条件改善期待)、(9)ドル円相場の急反発(南アランド円連れ高)が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間9/2午前0時30分現在)では、7.76円前後まで持ち直す動きとなっております。

来週の見通し(9/4−9/8)

南アランドの対円相場は、週後半にかけて一時7.67円まで下げ幅を広げましたが、週末にかけては一転して持ち直す動きとなりました。日足ローソク足が21日移動平均線に確りサポートされて反発に転じていることや、強い買いシグナルを示唆する「強気のパーフェクトオーダー」が点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)中国政府・当局による景気下支え策の発表(チャイナリスクの後退期待)や、(2)冴えない米雇用関連指標(米JOLTS雇用動態調査、米ADP雇用統計、米失業率、米平均時給)を背景とした米FRBによる金融引き締め長期化観測の後退、(3)上記1、2を背景とした南アフリカから米国への資金流出圧力の後退、(4)金・プラチナ価格の堅調推移(南アフリカの交易条件改善期待)、(5)南アフリカのインフレ鈍化期待とそれに伴う南アランドの実質金利上昇など、南アランド円相場のアップサイドリスクを連想させる材料が増えつつあります。

以上を踏まえ、当方では南アランド円相場の見通しをベアからブルへと変更いたします(目先は8/29に記録した約1カ月ぶり高値7.95円や、心理的節目8.00円を試すシナリオを想定)。尚、来週は南ア第2四半期GDP、南ア第3四半期BER企業信頼感、南ア第3四半期BER消費者信頼感、南ア第2四半期経常収支に注目が集まります。

来週の予想レンジ(ZARJPY):7.65ー7.95

注:ポイント要約は編集部

『チャイナリスクの後退と実質金利の上昇が南アランドの支援材料』

南アフリカランド円日足

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る