南アランド週報:『チャイナリスクの顕在化と米金利上昇が南アランドのネガティブ要因』(8/19朝)

南アランドの対円相場は、今週は幾分持ち直し、本稿執筆時点では7.65円前後で推移しております。

南アランド週報:『チャイナリスクの顕在化と米金利上昇が南アランドのネガティブ要因』(8/19朝)

『チャイナリスクの顕在化と米金利上昇が南アランドのネガティブ要因』

〇今週の南ア円、中国経済先行き不透明感等に週央にかけ7.55まで下落
〇売り一巡後は南ア指標改善、中国のサプライズ利下げ、ドル円上昇等に一時7.68まで上昇
〇南ア円、下位足で売りシグナルが点灯、テクニカルの上値余地乏しい
〇ファンダメンタルズも中国の経済の先行き不透明感、米金利上昇等が引き続き重石に
〇引き続き、南アランド円相場の下落をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):7.50ー7.80

今週のレビュー(8/14−8/18)

今週の南アフリカランド円相場(ZARJPY)は、週初7.65円で寄り付いた後、(1)中国経済の先行き不透明感や、(2)米金利上昇に伴うドル買い圧力、(3)上記2を背景とした南アフリカから米国への資金流出圧力が重石となり、翌8/15にかけて、週間安値7.55円まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(4)南ア4ー6月期失業率(結果32.6%、予想32.8%)の予想比改善や、(5)中国人民銀行によるサプライズ利下げ(←訂正 ×利上げ)(中国当局が金融緩和で景気を下支えする姿勢を明確化)、(6)南ア7月SACCI景況感指数(結果107.3、前回106.9)の良好な結果、(7)対主要通貨での円売り圧力(ドル円上昇→南アランド円連れ高)が支援材料となり、週後半にかけて、週間高値7.68円まで上昇しました。

もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、(8)中国不動産大手の中国恒大集団による米連邦破産法15条の適用申請や、(9)世界的な株安に端を発したリスクオフ到来、(10)南アフリカ株の大幅下落(3/20以来の安値圏)、(11)金・プラチナ価格の軟調推移(南アフリカの交易条件悪化懸念)が重石となり、本稿執筆時点(日本時間8/19午前3時15分現在)では、7.65円前後で推移しております。尚、今週発表された南ア6月小売売上高(結果+0.2%、予想+0.6%)は市場予想を下回る結果となりましたが、市場の反応は限定的となりました。

来週の見通し(8/21−8/25)

南アランドの対円相場は、7/31に記録した年初来高値8.07円(昨年11/30以来の高値圏)をトップに反落に転じると、8/9に約1ヵ月ぶり安値7.51円まで急落しましたが、今週は幾分持ち直し、本稿執筆時点では7.65円前後で推移しております。但し、4時間足などの下位足で強い売りシグナルが点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、上値余地は乏しい(一巡後の反落リスクに要警戒)と判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)中国経済の先行き不透明感(チャイナショック到来の恐れ→中国と経済的な結びつきの強い南アフリカ経済の下押し要因)や、(2)米FRBによる金融引き締め長期化観測(タカ派な米FOMC議事要旨→米長期金利上昇→新興国から米国への資金流出圧力)、(3)金・プラチナ価格の軟調推移(南アフリカの交易条件悪化懸念)など、南アランド円相場の下落を連想させる材料が揃っています(特に上記1、2が南アフリカランドのネガティブ要因)。

以上を踏まえ、当方では引き続き、南アランド円相場の反落をメインシナリオとして予想いたします。尚、来週は南ア7月消費者物価指数以外に目立った経済イベントが予定されていない為、中国経済(特に不動産業界)に関するヘッドラインや、米長期金利・米主要株価指数の動向に注意が必要でしょう(南ア7月CPIが市場予想を上回る場合は、実質金利低下→南アランド売りの波及経路を想定。南ア7月CPIが市場予想を下回る場合は、南ア中銀による追加利上げ観測後退→南アランド売りの波及経路を想定。いずれの場合においても南アランドの下落に繋がりやすい)。

来週の予想レンジ(ZARJPY):7.50ー7.80

『チャイナリスクの顕在化と米金利上昇が南アランドのネガティブ要因』

南アフリカランド円日足

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