南アランド週報:『週央にかけて約1ヵ月ぶり安値を更新。来週は中国経済指標がメインイベント』(8/12朝)

南アランドの対円相場は、7/31に記録した約8カ月ぶり高値8.07円をトップに反落に転じると、今週半ばにかけて、約1ヵ月ぶり安値となる7.51円まで急落しました。

南アランド週報:『週央にかけて約1ヵ月ぶり安値を更新。来週は中国経済指標がメインイベント』(8/12朝)

『週央にかけて約1ヵ月ぶり安値を更新。来週は中国経済指標がメインイベント』

〇今週の南ア円、中国経済先行き不透明感等に週央にかけ7.51まで下落
〇売り一巡後は下げ渋り、市場のリスク選好回復等に週後半にかけ7.72まで反発するも上値重い
〇南ア円、主要テクニカルポイントの下側で推移、テクニカルの地合い悪化が警戒される
〇南ア、中国の経済の先行き不透明感、米金利上昇等も重石に
〇引き続き、南アランド円相場の下落をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):7.50ー7.80

今週のレビュー(8/7−8/11)

今週の南アフリカランド円相場(ZARJPY)は、週初7.67円で寄り付いた後、(1)中国経済の先行き不透明感(中国と経済的な結びつきの強い南アフリカの景気下押し)や、(2)南アフリカの主要産品である金・プラチナ価格の冴えない動き(南アフリカの交易条件悪化懸念)、(3)南ア株の軟調推移が重石となり、週央にかけて、週間安値7.51円(7/11以来、約1カ月ぶり安値圏)まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(4)南ア6月製造業生産(結果+5.5%、予想+3.0%、※前年比)の市場予想を上回る結果や、(5)米7月消費者物価指数(結果3.2%、予想3.3%、※前年比)および、米7月消費者物価コア指数(結果4.7%、予想4.8%、※前年比)の市場予想を下回る結果、

(6)上記5を背景とした次回9月FOMCでの利上げ観測後退(米国のインフレリスク後退→市場心理回復→リスクオン再開→新興国通貨上昇)、(7)対主要通貨での円売り圧力(ドル円・クロス円上昇→南アランド円連れ高)が支援材料となり、週後半にかけて、週間高値7.72円まで反発しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、(8)中国7月新規融資が2009年以来の低水準を記録したこと等が重石となり、本稿執筆時点(日本時間8/12午前1時40分現在)では、7.66円前後まで反落する動きとなっております。尚、今週は南アフリカのラマポーザ大統領がズマ前大統領に対する減刑を承認したことでズマ氏の再収監が免れましたが(暴力的な抗議活動の再開が回避されましたが)、南アランド買いでの反応は限定的となりました。

来週の見通し(8/14−8/18)

南アランドの対円相場は、7/31に記録した約8カ月ぶり高値8.07円(昨年11/30以来の高値圏)をトップに反落に転じると、今週半ばにかけて、約1ヵ月ぶり安値となる7.51円まで急落しました。週末にかけて持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点においても7.66円前後での上値の重い展開が続いています。日足ローソク足が主要テクニカルポイント(一目均衡表転換線、基準線、ボリンジャーミッドバンド、21日移動平均線)の下側で推移していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いの悪化が警戒されます(7.50ー7.55ゾーンに控える一目均衡表雲上限、200日線、90日線を下抜けられれば、大規模ロスカットを巻き込む形で南アランドがもう一段下げ足を速めるリスクあり)。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)南アフリカ経済の先行き不透明感や、(2)中国経済の先行き不透明感、(3)米金利上昇とそれに伴う新興国から先進国への資金流出圧力、(4)金・プラチナ価格の軟調推移(南アフリカの交易条件悪化懸念)など、南アランド円相場の下落を連想させる材料が揃っています。こうした中、来週は8/15に予定されている中国の主要経済データ(中国7月小売売上高、中国7月鉱工業生産、中国7月固定資産投資)や、南ア第2四半期失業率、8/16に予定されている南ア6月小売売上高に注目が集まります。特に中国経済データへの注目度が高く、仮に市場予想を下回る場合には、「中国経済の失速懸念→経済的な結びつきの強い南ア経済の失速懸念→南アフリカからの資金流出再開」の経路で、南アランドに強い下押し圧力が加わる展開が想定さるため、当方では引き続き、南アランド円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします。

来週の予想レンジ(ZARJPY):7.50ー7.80

注:ポイント要約は編集部

『週央にかけて約1ヵ月ぶり安値を更新。来週は中国経済指標がメインイベント』

南アフリカランド円日足

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