欧州中央銀行(ECB)政策金利の予想(23/7/27)

2023年7月27日木曜日:東京時間21時15分に発表予定、ラガルド総裁記者会見は21時45分に予定されています。

欧州中央銀行(ECB)政策金利の予想(23/7/27)

欧州中央銀行(ECB)政策金利の予想

本日ECB金融政策会合の議事内容が記者発表されます。その後はラガルド総裁の定例記者会見が予定されています。

(1)欧州中央銀行政策金利予想

(1)欧州中央銀行政策金利予想

(7月27日7時30分現在)


今回の予想では、前回に続きECB主要3金利に関して全て0.25%の利上げを実施し、各金利に関し予想レンジはありません。

今回の注目点は
@ 下記(3)の要人発言を見る限り、大半は今回の会合で0.25%利上げの意見。先々はターミナルレートに関する議論が混在し、中には9月会合での利下げ発言も見られるようになりました。
A エコノミストの先行き予想((2)ご参照)を見ても、一部では4.5%までの利上げ予想もありますが、今回の利上げで打ち止めの見込みです。
B 前回の記者発表要旨(下記(4)をみると、「…基調の物価圧力を示す指標は、幾つかは暫定的に弱まった兆候が見られるものの、依然として強いままである。スタッフはエネルギーと食品を除いたインフレ見通しを上方修正した。とりわけ今年と来年の数値で、これはディスインフレのスピードに対し、強い労働市場に関し過去の思いがけない上振れやその含みによるものである」と見ているので、今回の会合で、インフレは依然として高いとか、上振れリスクがあるなどの文言には注意が必要となりそうです。

C 昨日のFOMCではインフレはまだ高いが、今後の金融政策はデータ次第としており、一方のECBは上記@、Aで見られるように利上げ打ち止めのような状況もあるので、記者発表要旨やラガルド総裁記者会見でFRBのようなニュアンスになればユーロ買いの材料視にされる可能性があります。
D 前回会合でECBはGDPとHICPの見通し改定(下表(5))を行いましたが、GDPはほぼ横這い、HICPは小幅ながら上方修正しているので、見通し内で、景気配慮かインフレ懸念かのどちらにスタンスを置いているかが重要になります。

(2)エコノミストのECBの政策金利予想

下記のECB政策金利の先行き予想に関し、今回会合で4.25%に利上げ実施されると、利上げ打ち止め見通しになります。今年2月時点の予想でも3.25%まで利上げで打ち止め予想になっていましたが、今回利上げを実施するとこの時点よりも1%の大幅利上げを実施したことになります。

(2)エコノミストのECBの政策金利予想

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(3)最近のECB関係者の発言

7月20日 ギリシャ中銀総裁   
「あと0.25%の利上げで十分」
7月18日 オランダ中銀総裁   
「コアインフレは横這い状態となったようだ」
7月18日 イタリア中銀総裁   
「基調的なインフレは根強い」
7月11日 フランス中銀総裁   
「政策金利は、ターミナルレート付近で高止まり続く」
7月7日  ポーランド中銀総裁  
「9月に0.25%の利下げが可能」
7月5日  独連銀総裁      
「インフレに取り組むECBを支持」
「更なる利上げが必要となるだろう」          
6月29日 スペイン中銀総裁  
「下期のECB金利の行方に言及するのは時期尚早」

6月28日 ポルトガル中銀総裁 
「ターミナルレートへと明らかに達しつつある」
6月28日 エストニア中銀総裁 
「最終的な金利水準を話すのは時期尚早」
6月28日 ECB副総裁    
「7月の利上げは既定路線」
「9月についてはデータ次第」
6月28日 ECB専務理事   
「7月利上げは妥当、9月は不透明」
6月28日 ベルギー中銀総裁  
「コアインフレが緩やかにならなければ更なる行動が必要」              
6月27日 リトアニア中銀総裁 
「9月での利上げの選択肢は排除されるべきではない」
6月27日 ECB総裁      
「ユーロ圏のインフレは高過ぎる」

(4)ECB金融政策記者発表要旨の一部を抜粋しています(2023年6月15日公表分)

(4)ECB金融政策記者発表要旨の一部を抜粋しています(2023年6月15日公表分)

(一部略)

(4)ECB金融政策記者発表要旨の一部を抜粋しています(2023年6月15日公表分) 2枚目の画像

(以下主要ECBの金利の項目やAPPプログラムの項目などは略)

(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。

(5)ECBスタッフによる経済見通し

(5)ECBスタッフによる経済見通し

(2023年6月時)


下図はユーロドルの週足チャートです。2022年9月26日週底値からのサポートA(=1.1300)を5月15日週に下抜き、ユーロ高からの調整をしてからこのAの抵抗線に止められています。

中期的には2022年11月21日週底値からのサポートB(=1.0755)を支えにしてユーロ高を継続しています。ここから目安となる上値は平行に上げたC(=1.1300)とD(=1.1445)があり、この8ヶ月間はほぼBとCのユーロ高トレンドになっています。そして今週はこのCとAが丁度同じ地点にきています。今後の両線はA>Cになるので、ユーロの一段高を狙うにはA越えが必要になります。Aは1週間で約30ピップス上昇しているので、上値目安になります。上値は仮にCを越えてもAとDが交差するまでユーロ一段高がもたつく可能性はあります。
一方、下値は横サポートE(=1.1030〜40:4月の実体部分高値)が目先の下値を支えており、週足終値の実体で1.10を下回ると5月29日週底値からのサポートF(=1.0960)及びBが下押しの目安になります。万一、Bを割って終えるとAの抵抗線が効いていたことになり、ユーロ安下で底値模索になります。

(5)ECBスタッフによる経済見通し 2枚目の画像

(2023年7月27日8:30、1ユーロ=1.1080ドル)

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