シカゴポジション(CME)393
シカゴ先物市場における、いわば投機筋と呼ばれる市場参加者の建て玉で、ロングとショートの差し引きで現在どの様なポジションに傾いているのかを判断するものです。
主要通貨ポジション(単位:枚)
(2023年7月3日現在の数値)
ロング/ショートは左側通貨から見たもの。ネットポジションで▼数値は左側通貨がショート、+数値は左側通貨がロングを表しています。
通貨単位(1枚当たり):豪ドル/米ドル=100,000豪ドル、NZドル/米ドル=100,000NZドル
先週締日までの4通貨は、豪ドルがこれまでの相場観を強めるショート増、NZドルは小幅ならポジションをひっくり返し、円はドルロング積み増し、ユーロは引き続き様子見でした。
まずは豪ドルですが、3年前のパターンからやや外れ、戻りでショートを積み増してきました。明日の締日でもショート増なら、再度豪ドル先安観を維持します。先週は豪州中銀が金利据え置きを公表し、一方今月末のFOMCで利上げ必至の背景がありそうです。取り敢えず前回の相場推移であった終値ベースのパターンは底値@0.5960→A0.6440→B0.6280→C0.70越えを辿るかを念頭に置きます。今回は5月31日締日終値が@0.6517、6月20日がA0.6783(高値は16日の0.6901)、現在はBの段階が継続されており、A(今回では最低で終値0.6783、抜け確認でザラ場0.6901)を越えていけば、現在の0.66台半ばが押しの限界で、Cを目指すことになります。現状のシカゴはA越えをみていないことになります。NZドルは先行きの相場観を持っていない状態が続いていますが、少ないながらもポジションをひっくり返してきました。
オセアニア通貨で真逆のポジションを取った前回はNZドルの損切りになりました。今回もどちらの通貨に鞘寄せをするのかをみていきますが、その為にはNZドルロングが目安の5,000枚越えになるかをウォッチします。
円はショートをネットで前週に続き5千枚程度増やし、シカゴのドル先高観は変わっていません。但し、過去のパターンでは2週以上でネット12万枚越えの確認が必要となっていますので、先週金曜日のドル下落が明日の締日ポジションの枚数に影響を与えているかをみます。この押し目で買っていれば、145円は通過点と思われます。ユーロはネットポジョションがほとんど変わらず、かつ相場はユーロが1.08〜1.10レンジを続けているので、シカゴの相場観通りになるにはこれまでのレンジ高値1.10〜1.11ゾーンの抵抗線越えを見ます。
シカゴ豪ドルポジションと締日終値のチャート
チャートの青の棒グラフを見ると、再度ショート増になっています。戻りでポジションを積み増しています。終値ベースのチャートではやや緩やかな豪ドル高トレンドライン(0.6370〜0.7110)内での推移が続いています。先週、昨年10月11日底値(0.6272)と5月30日底値(0.6517)を結んだ緑のサポートが0.6565付近、上値は1月31日高値(0.7054)と6月20日高値(0.6783)を結んだ赤い抵抗線が0.6765を引き、まだ暫くは3角持ち合いの収斂としましたが、今週もまだこのレンジ内をみておきます。
さて、実際の相場は、先週「…流れはまだ豪ドル安となっており、引き続き0.6580〜90狙い、切れて終われれば、0.6540、0.6490、0.6450の順にあるサポート狙いとなります。一方で上値は0.6720〜30を越えれば、6月16日高値からの抵抗線0.6780狙いになり、短期的な豪ドル高へ戻すにはこれを越えて終わることが必要になります」としましたが、先週1週間は高値が0.6707、安値が0.6599でしたので、上値は最初の0.6720手前、下値も最初の0.6580〜90サポートで止まり、レンジ100ピップスの小動きでした。豪ドル安の流れは変わっていませんが、今週も0.6580〜0.6720レンジの横ばいを見ておきます。上限越えで短期は豪ドルの戻り高の確認、下限割れで0.6450方向の2回目トライとなります。上値は0.6750〜60、0.6800、そして2月3日高値からの抵抗線0.6860が重要な上値ポイントになります。下値は0.6540、0.6480〜90、0.6450のサポートで、最後われると一段安トライになります。
(1豪ドル=0.6688米ドル、7月10日10:20)
(ご参考)直近から過去60回分を掲載したチャートにしたものです。
棒グラフ(青)はネットポジション(左目盛)
折れ線(オレンジ)は締日のNY終値(右目盛)
オーダー/ポジション状況
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