豪州中銀金融政策記者発表(23/7/5)

2023年7月4日開催分

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豪州中銀金融政策記者発表(23/7/5)

豪州中銀金融政策記者発表

昨日、豪州中銀の金融政策会合では、大方の予想通り金利据え置きになりました。また次回以降は経済の内容次第では利上げもあり得るとしています。

以下は今回の要旨です。

(金融政策決定)

本日の会合で、委員会はキャッシュレート(OCR)の目標を変更なしの4.10%に据え置きを決定し、そして為替決済残高に支払われる金利率を4.00%で変更なしとした。

金利は昨年5月以降、4%ポイント上昇した。より高い金利率は、経済の需給においてより持続的バランスを確立するために作用しており、今後も続ける見込みである。この点や経済の先行きを取り巻く不確実性に鑑み、委員会は今月金利の据え置きを決定した。これにより、今日までの金利上げ幅や経済見通しへの影響を評価する時間が与えられる。

豪州のインフレはピークを過ぎ、5月の月次CPI指標は更なる下落を示した。しかし、インフレはまだ非常に高く、しばらくはその状態が続くだろう。

高インフレは人々の生活を困難にし、経済の機能を損なう。貯蓄の価値を蝕み、家計予算を毀損し、企業にとっては計画や投資をより厳しくし、所得の不平等性をより悪化させる。もし高インフレが人々の予想に根強くなってきたら、より高い金利率や失業率の一段と高い上昇を巻き込みながら、その後にそれを引き下げるには非常にコストがかかるだろう。これらの理由により、委員会の最優先は妥当な期間内にインフレを目標値に引き戻すことである。

豪州経済の伸びは鈍化し、まだ非常にタイトであるけれども労働市場の状況は緩和している。企業の報告によれば、求人や求人広告はまだ非常に高い水準にあるが、労働不足は緩和されたとしている。労働参加率は歴史的に高く、失業率は50年振りの低水準に留まっている。賃金の伸びはタイトな労働市場や高インフレに呼応するように上昇している。総計の水準では、賃金の伸びは、生産性の伸びが上昇することで、インフレ目標とまだ一致している。

委員会は持続的なインフレ期待が、とりわけ経済における限定的な生産余力や非常に低い失業率により、物価や賃金を更に引き上げるリスクを警戒している。従って、労働コストの進展や企業の価格設定行動の双方に細心の注意を払い続けることになる。

委員会はインフレを2〜3%の目標に戻す経済の伸びを期待しているが、このバランスを達成する道のりは狭いままである。不確実性の大きな要因は引き続き家計消費の見通しである。より高まる金利、生計コスト圧力の組み合わせにより、家計消費の大幅な減速につながっている。一方で、住宅価格は再び上昇し、一部の世帯では十分な貯蓄のバッファーがあるが、他の人々は財力を絞り出すのに苦痛を経験している。また、世界経済に関する不確実性もあり、今後2〜3年で、平均以下の伸び率が予想されている。

インフレを妥当な時間内で目標に回帰することを確実にするため、金融政策の更なる引き締めが必要になるかもしれない。しかし、それは経済とインフレがどの様に展開するかにかかっている。今月の金利据え置きの決定は、委員会に、経済や経済見通しそれに関連する状況を評価する時間を与える。この決定を下すに際し、委員会は世界経済の進展、家計消費のトレンド、あるいはインフレや労働市場の見通しに十分注意を払うことになるだろう。委員会はインフレを目標に戻すために断固とした決意のままであり、それを達成するために必要なことを行うつもりである。
(以上)

(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
(出所:豪州中銀HP

豪ドル米ドルは公表前に0.6675付近で推移していましたが、予想通りの据え置きに0.6641まで売られました。しかし、インフレはまだ高く、次回以降の金融政策は経済とインフレ次第と述べたこともあり、豪ドルは0.6705まで買い戻され0.6692で引けました。

尚、次回の豪州中銀金融政策は8月1日(火)に予定されています。この間、20日失業率、26日CPI、28日PPI辺りの数値が注目されます。
(2023年7月5日12時34分、1豪ドル=0.6686米ドル)

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