144円台を中心としたドル強保ち合い継続か(7/5夕)

5日の東京市場はドルが小高い。わずか40ポイント足らずの変動にとどまったが、終盤に掛けてはややドル買いが目に付いた。

144円台を中心としたドル強保ち合い継続か(7/5夕)

144円台を中心としたドル強保ち合い継続か

〇東京市場ドル円、新規材料難で動意乏しく144.35-75の40ポイント弱のレンジ取引を辿る
〇依然としてメインのシナリオは「ドル高値トライ」
〇短期的に上げ渋る展開の可能性もあるが、週末発表の米雇用統計などでドル高再燃が期待されている
〇欧米タイム、5月米製造業受注指数や6月FOMC議事要旨の公表に要注視
〇ドル高円安方向は週初高値144.91、先週末高値145.07などが抵抗として意識
〇ドル安円高方向、今週安値143.99の攻防に注目だが下回っても143円台にサポート多く下堅い
〇欧米時間のドル/円予想レンジは143.90-145.00

<< 東京市場の動き >>

5日の東京市場はドルが小高い。わずか40ポイント足らずの変動にとどまったが、終盤に掛けてはややドル買いが目に付いた。

ドル/円は144.45円レベルで寄り付いたものの、前日NYが休場になった流れに加え、新規材料難で動意は乏しい。144.35-75円といった40ポイント弱のレンジ取引をたどるなか、終盤に掛けてはややドル買いが目に付く。144円台で推移するも、これといった円安けん制発言も聞かれなかったことで、若干のドル買い安心感が台頭していたか。16時現在ではそのままドル高値圏で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは「ウクライナ情勢」と「中国情勢」について。
前者は、ロシア軍の支配下にあるウクライナのザポロジエ原発をめぐる懸念がさらに強まっていたようだ。ウクライナ軍から「発電施設の屋根に爆破装置に似た異物が設置された」との警告が発せられるなか、IAEA事務局長も「原発で事故が起こる可能性が高まっている」と注意喚起を発していた。また、そののちザポロジエ原発で主要な外部電源への接続が切れたとしたうえで、安全のための必要な電力をバックアップの送電線に頼る状態になったという発表もあり、物議を醸す結果に。

対して後者は、IAEAが福島第1原発の処理水について「国際的な基準に準拠している」との見解を示すも中国は納得せず。「日本が海洋放出を行えば一切の結果を引き受けなければならない」としたうえで、報復措置を取る可能性を示唆していた。なお、そんな中国について松野官房長官は「科学的見地に基づいた議論を行うよう強く求める」と指摘し、遺憾の意を示している。一方、それとは別に、内定していたEU外相に当たる「ボレル外交安全保障上級代表の10日からの訪中」が突然キャンセルされたとして話題に。中国側からの申し入れとされるが、理由は明らかにされていない。

<< 欧米市場の見通し >>

昨3日のドル/円相場はNYが休場になったことも影響したのか、終日を通してわずか49ポイントの変動にとどまった。また、3日に続き2日連続でドルは年初来高値の更新も出来ていない。わずかながら、風向きの変化をうかがわせるものの、依然としてメインのシナリオは「ドル高値トライ」か。短期的にドルは上げ渋る展開の続く可能性もあるが、週末発表の米雇用統計などを受けてドル高が再燃するといった期待を抱く向きも多いようだ。
引き続き日米欧の金融政策への注目度が高いなか、このあとの欧米タイムは発表される米経済指標とともに、6月に実施されたFOMC議事要旨の公表が警戒されている。タカ派的な内容が示されれば、再びドル買いが優勢となる展開も。ただし、本稿執筆時に推移している144.60円台は昨年9月に日本の通貨当局が円買い介入を実施したレベルに近い要警戒ゾーン。そして145円に接近そして超えていくような局面では思惑はさらに強まることになりそうで、ドルの上値を抑制する一因となることは間違いない。

テクニカルに見た場合、ドル/円相場は2日続けて高値を更新できなかったものの、今週に入って以降のドル安値は143.99円。つまり、ドルはほぼ144円台で強保ち合いを続けている状態だ。ドル高という基調そのものに変化はなさそうで、むしろきっかけ次第ではドル高が再燃する危険性もあるだろう。
それに対するドルの下値はかなり堅そう。144円を下回っても実弾介入ではない限り、大きく崩れる展開は現状予想しにくい。

本日は米経済指標として、5月の製造業受注指数が発表されるほか、6月に実施されたFOMC議事要旨も公表される見込みで、こちらもその内容には要注意だ。足もとは調整とも言える動きをたどるなか、ドル高再燃のトリガーとなることを期待する向きもあるようだ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは143.90-145.00円。ドル高・円安方向は週初高値の144.91円、そして先週末高値145.07円などが抵抗として意識されている。
対するドル安・円高方向は、今週安値の143.99円の攻防にまずは注目か。ただ仮に下回っても、143円台にサポートは多く大崩れは予想しにくい。

144円台を中心としたドル強保ち合い継続か

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