トルコリラ円見通し 5.50円を挟んで下げ渋りの小持ち合い、円安継続だがリラの先安感続く (23/6/29)

トルコリラ円の6月28日は概ね5.56円から5.48円、29日早朝の終値は5.54円で前日終値の5.53円からは0.01円の円安リラ高だった。

トルコリラ円見通し 5.50円を挟んで下げ渋りの小持ち合い、円安継続だがリラの先安感続く (23/6/29)

5.50円を挟んで下げ渋りの小持ち合い、円安継続だがリラの先安感続く

〇6/28-30トルコ市場連休、トルコ円は5.50を挟んだ下げ渋りの小持ち合いで推移
〇対ドル、リラの先安感継続で取引時間中と終値ベース共に最安値更新続く、6/29早朝終値は26.05
〇今後、新体制による変革への期待と失望が入交ながらもリラ安の落ち着きどころを探る展開か
〇5.58を超える場合は5.60前後への上昇とその後の反落警戒
〇5.52割れからは5.47試しとし、5.47割れからは5.45、5.43を順次試す下落を想定

【概況】

トルコリラ円の6月28日は概ね5.56円から5.48円、29日早朝の終値は5.54円で前日終値の5.53円からは0.01円の円安リラ高だった。
6月28日から30日まではトルコ市場が連休となるためトルコ発の新たな手掛かりにかけるが、ドル円が上昇基調を継続する一方でリラ安に歯止めがかからない状況も続いており、トルコリラ円は5.50円を挟んだ下げ渋りの小持ち合いで推移している。
ドル円は先週末に143.87円へ上昇して1月16日安値127.22円以降の高値を更新し、財務相等による円安けん制発言が相次ぐ中でも流れは変わらず、27日深夜に144.16円へ上昇、28日深夜には144.61円まで年初来高値を切り上げている。27日夜は米経済指標が総じて予想を上回ったことに押し上げられたが、28日夜はECBフォーラムでのパウエルFRB議長による利上げ継続姿勢の強調がドル買い円売りを助長した。昨年9月の市場介入水準に迫っていることでの高値警戒感も出やすいところだが、市場は慎重に当局の円安けん制の強さを見定めようとしている。

トルコリラ円はエルドアン大統領再選を挟んだリラ暴落から6月22日のトルコ中銀による利上げを不十分としてさらに史上最安値を更新する下落となり、27日午前には5.47円へ取引時間中の最安値を更新した。28日は午前序盤に5.48円の安値を付けた後は円安に支えられてやや戻し気味の推移となっているが、5.50円を挟んだ揉み合い程度にとどまっている。

【対ドルでの史上最安値更新続く】

ドル/トルコリラの6月28日は概ね26.19リラから25.80リラの取引レンジ、29日早朝の終値は26.05リラで前日終値の26.00リラからは0.05リラのドル高リラ安だった。
トルコ市場が休場となったためにトルコ発の手がかりには欠けたもののリラの先安感は継続しており、6月27日安値26.17リラを超えて取引時間中の史上最安値を26.19リラへ更新し、終値ベースでも27日終値を超えて最安値更新を続けている。
エルドアン大統領は再選後に財務相とトルコ中銀総裁を新たに指名し、ともに市場の期待に応える変革者との見方も出ているが、6月22日のトルコ中銀利上げは市場予想の21%には遠く及ばない15%にとどまり、前総裁時代に繰り返されてきた外貨準備高を取り崩しての市場介入を行わずにリラの水準は市場が決めるとの姿勢を示したことでリラ安抑制への姿勢は緩いと受け止められてかえってリラ売りが勢い付いた。
今後は変革への期待と失望が入交ながらもリラ安の落ち着きどころを探る展開が続いてゆくのだろうと思われる。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】 

【60分足一目均衡表・サイクル分析】 

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、6月26日に23日夕安値と同値へ下げ、27日午前序盤には底割れしたために27日午前時点では6月23日深夜高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとして28日午後から30日夕にかけての間への下落を想定した。
27日午前安値の後は新たな安値更新を回避して三角持ち合いの様相となっているため、持ち合い後半の28日午前安値を割り込む場合は新たな弱気サイクル入りとするのを妥当とみて28日午前安値を直近のサイクルボトムとする。28日午前安値割れを回避するうちは28日の日中から30日夜にかけての間への上昇余地ありとするが、28日午前安値割れからは弱気サイクル入りとして7月3日午前から5日午前にかけての間への下落を想定する。 

60分足の一目均衡表では下げ渋りの三角持ち合いの様相のため、遅行スパンは実線と交錯し、先行スパン下部に潜り込んできている。28日午前安値割れを回避するうちは遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、先行スパン上限が上値抵抗線となりやすいと注意し、28日午前安値割れからは新たな下落期入りとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は50ポイント台での推移に入っているが60ポイント超えへ進めずにいる。45ポイント以上での推移中は上昇余地ありとするが60ポイント台は反落注意とし、45ポイント割れからは下落再開とみて20ポイント台への低下へ進むとみる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、5.52円を下値支持線、5.58円を上値抵抗線とする。
(2)5.58円手前にかけての水準は戻り売りにつかまりやすいとみる。5.58円を超える場合は5.60円前後への上昇とその後の反落警戒とする。
(3)5.52円割れからは5.47円試しとし、5.47円割れからは5.45円、5.43円を順次試す下落を想定する。5.45円以下は反騰注意とするが、5.52円以下での推移なら30日も安値試しへ向かいやすいとみる。 

【当面の主な予定】

6月28日から30日までは犠牲祭でトルコ市場は休場
7月3日
 16:00 6月 イスタンブール製造業PMI (5月 51.5)
 16:00 6月 消費者物価指数 前月比 (5月 0.04%、予想 4.84% 予想レンジ 2.50〜5.00%)
 16:00 6月 消費者物価指数 前年同月比 (5月 39.59%、予想 39.47%、予想レンジ 36.3〜40.30%)
 16:00 6月 生産者物価指数 前月比 (5月 0.65%)
 16:00 6月 生産者物価指数 前年同月比 (5月 40.76%)
7月6日
 20:30 週次 外貨準備高 6/23時点 グロス (6/16時点 607.8億ドル) 
 20:30 週次 外貨準備高 6/23時点 ネット (6/16時点 4.7億ドル) 
7月7日
 23:00 6月 財務省現金残 (5月 1698.2億リラ)
7月10日
 16:00 5月 失業率 (4月 10.2%)
7月11日
 16:00 5月 経常収支 (4月 -54.04億ドル)

注:ポイント要約は編集部

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