ランド円レポート月曜版
〇先週のランド円、南ア電力相が中国に再生可能エネルギー技術提供支援要請の方針示しランド買い入る
〇アフリカ7首脳がウクライナ、ロシア大統領と会談、中立な立場で和平訴えたこともランド買いの材料に
〇ランド高の一方で週後半には円安が進んだこともランド円の大幅高につながる
〇一方、農産物の無償提供で南アをロシア陣営に巻き込む様子が欧米からの批判材料となる可能性も
〇今週は7.50レベルをサポートに、7.90レベルをレジスタンスと見る
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、「テクニカルな観点からサポートはこれまでのレジスタンスに近い7.25レベル、レジスタンスは上昇に弾みがついた場合いったん引っかかるであろう7.55レベル」を見ていました。実際のレンジは、安値が7.41レベル、高値が7.77レベルと、想定レンジよりもかなりランド高に弾みがついた一週間となりました。
先週のランドは、週初こそ金融政策イベントを前に静かなスタートを切りましたが、13日に南アの電力相が深刻な電力危機を終結させるため、中国に再生可能エネルギーの技術提供支援を要請する方針を示したことでランド買いが入りました。また16・17日にラマポーザ大統領を含むアフリカ7首脳がキーウでゼレンスキー大統領、サンクトペテルブルクでプーチン大統領と会談し中立な立場でそれぞれに和平を訴えたこともランドの好材料になったようです。そしてランド高の一方で週後半には円安が進んだこともランド円の大幅高につながりました。
電力問題ですが技術提供支援を得ても実際に実現するのは2026年からとなっていることを考えるとあまり楽観的には慣れない材料です。逆にこの材料で上がった分は調整のランド売りが出る可能性もありそうです。またサンクトペテルブルクでのプーチン大統領との会談ではロシアがアフリカに無償で農産物を提供する用意があると、明らかにアフリカをロシア陣営に巻き込もうとしている様子もうかがえました。南アフリカはこれまでも中国、ロシアと歴史的に関りがあるため、こちらも欧米からの批判材料となりかねず、素直にランドの好材料とは考えにくい面があります。
しかしテクニカルにはドルランドは20.00の大台目前で切り返し、ランド高方向へと大きく調整が入っています。次の週足チャートを見てもわかるように、現状でドルランドはサポートラインが位置する18.00、さらには昨年安値と今年高値の38.2%押しとなる17台半ばを試す流れにあると言えるでしょう。
またランド円では同様に昨年高値と今年安値の半値戻し7.84が直近のターゲットになっています。
いつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)もご覧ください。
短期的にはやや動きが急すぎる感じもしますが、長期チャートの動きから今は勢いが付いていると言えますので、7.84〜7.90をターゲットとしながら、7.50水準の押し目では買いが出やすい展開です。
今週は7.50レベルをサポートに、7.90レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
注:ポイント要約は編集部
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